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【第54話】奪還の準備!

3か月後


騎士さん達や冒険者さん達が港にき始めてから3か月が経過した。


クスリ1日2個で、×90日。

俺は約180人の解毒を行った。


みんな最初に驚いた顔をしてからだから痛みがなくなったことを確認してから喜んだ。

この大陸に戻って来て空気を吸ってすこし体調が悪くなってからの全快なので効果が顕著(けんちょ)に分かるそうだ。

必ず感謝の言葉をかけてくれるから、俺もやっていて気分が良い。


ちなみに120万×180人なので、2億1600万ゼニーだ。

やばい。


ホントアリアの西のギルド長も顔を出してくれた。

「まさかキミがこの国の救世主になるなんて予想もしていなかったよ。

 一応この国へと送り出したボクとしては少しだけ鼻が高いよ」

そんなことを言っていた。


クスリの話をしているのだろうけど、今まで誰にもしてなかったから予想が出来なかったのも仕方ない。

自分も忘れていたぐらいだ。


彼は症状が出る前に引き上げたため、クスリは不要とのこと。

仕事があるからと、しばらくして帰っていった。


俺は窓から外を見る。

現在この街の空き家は全部人が入って大変な賑わいを見せている。


体力を取り戻すためにみんなで街の外周部分を走っていたり、

素振りは当然のこと、模擬戦なんて事をしている人たちもいる。

だから賑やかだ。


深夜には模擬戦は禁止になったので眠れないことはない。


ちなみに街の外のロストデッドはきれいにいなくなっている。

全部騎士さん達が倒してしまったのだ。


それでも次の日にはロストデッドはがけ下までくるので、騎士さん達が外を巡回している。


奪還の準備という事で、最初のころは俺もテレポートで物資の搬入も手伝った。

ホントアリアの王都から、このヒナの大陸へ何度も往復をしたのだ。


それも今では毎日大きな船で物資や食料が届けられるのでお役御免になった。


船は、

ヒナの大陸の王族がやっかいになっているアワの大陸からの物資が半分、

それ以外のアギリ大陸やカナイ大陸というところからも物資が運び込まれているらしい。

この2つは俺がまだ行ったことがない大陸だ。


何をそんなに運んでいるのかというと、半分は建材で、ついで食料、後はポーションなど。

変わり種でいえば、野菜の苗なども来てるらしい。


毒さえなんとか出来れば、あっという間に奪還が可能と踏んでの物資搬入のようだ。

少し気が早い気もするが。



街に人が多くなったので、俺は今エリナ姫たちと同じ一軒家に住んでいる。

ホントアリアの王都でベッドを1つ買ってきて1階のみんなが寝てる部屋に置かせてもらっているのだ。

エリナ姫と、増員されたメイドさんや女性騎士さんが2階だ。


相変わらず食事は宿屋の食堂で取っている。

なのでめっちゃ話しかけられる。


でもその100倍はエリナ姫が話しかけられる。


大体いつも人がいっぱいなので、ある日うんざりして

人を掻き分けながら食堂の外へ出ようと歩いているとガッと腕を掴まれた。


「えっ?」


あまりにも乱暴に腕を掴まれて驚きながら振り向くと、

さっきまで少し離れたところで人に囲まれていたエリナ姫だった。


「行かないで」


しんとした食堂にエリナ姫の声が響いた。

いつの間にか喧騒(けんそう)は収まり、みんながこちらを見ていた。


ほんの数秒前まで焦った顔をしていたエリナ姫は、にこりと笑った。


「え?」


「彼女が頑張ってるのに、彼氏はどこ行くの?」


ざわり


毒が治って以来、エリナ姫はあまりベタベタしなくなっていたので、

毒の苦しさから出た気の迷いだったのかと思い始めていたので焦った。


「私ね、色んな人見てきた」


「え?」


「ユージは、()ねていなくなるタイプ」


グサリ


ショックを受けたスキを狙って腕を組まれて中に引きずられる。


「ちからつよ」


「そんなこと言わないで」


(・・・ちからつよ)


「みんな、ユージは私のパートナーよ」


「「「おお~」」」


最初にいたテーブルまで連れてこられた後に、エリナ姫はみんなに俺をパートナーとして紹介した。


ヒューヒュー

パチパチパチ・・・・


さすがに段階飛ばしすぎじゃないか?

悪い気はしないけど・・・


紹介された皆はニコニコして歓声を上げている。


俺が顔を赤くしながらモジモジしていると・・・


「おめでとう」

「おめでとう、祝福しますよ」

「おめでとう」

「頑張るんだよ」

「おめでとう」

「頑張ってねくれよ」

「頑張って」

「ファイト」

「頑張れ」

「頑張って下さい!」

「頑張れよ」


(なんか、頑張れが多くないか?何を?)


エリナ姫を見るもニコニコしているだけだ。


「おかえりユージ君」


「さあ食事にしよう」


今日もまた知らないおじさんが席に座っていた。

数日に1回は、知らないおじさんが席に座っている。

毎回何かしらどこかしらのお偉いさんだ。


「君がユージ君だね。

 私はアワの大陸の王都のギルド長をしているモールドだよ。

 元Aランクの斥候(せっこう)をしていた」


「おお。

 あの、ユージです。

 ツクシ大陸出身でBランクの僧侶です」


「うん」


おじさんはにっこり笑ってからコップを持ち上げた。

みんなで乾杯をして食事を頂く。


「ツクシ大陸では新しい巨人の森が見つかり、しかも巨人もいたと聞いたが本当かね?」


「え? ああ、はい、参加してました。

 でも巨人の森は確かにありましたが、俺は外にいて巨人は見てないです」


「おや、そうだったのか」


「はい、巨人を見たのは斥候(せっこう)をされてる方ですね」


「なるほど。

 もし見ていたならどんな様子だったのか聞こうと思っていたのだが」


ご飯は大体こんな感じ。

ゆっくり食べられるのは朝ぐらいだ。


◇◆◇◆◇◆


ヒナの大陸奪還に関する作戦もほぼほぼ固まっている。

俺もエリナ姫に連れられて作戦会議に参加していたので今後どうやって行くかも知っている。


「中央にある巨人の森ですが、前はロストデッドは1匹も入って来なかった。

 今はどうかは分からないが、一時的な拠点にはなるかもしれないな」


「まあロストデッドと巨大昆虫だとどっこいどっこいって所だけどな」


「前は絶対にダメージを受けてはならないってのがあったからな」


「北エリアだと、時計塔の4階が(ことわり)の違う空間になっていて、

 ロストデッドも入ってこなかった。

 ここも拠点にはできないかもしれないが、緊急時に逃げ込んで体制を立て直すのに使えるだろう」


「こことここ、この地下下水道に、大量のロストデッドを閉じ込めています」


「見に行けていないが、ここには村がある」



みんなが大きな地図に書き込みをしていく。


元より、他の大陸に引き上げた人たちで、次世代に情報を残す意味で

作戦が練られていたらしい。


この大陸を数と毒で支配したロストデッドは徒歩でエリアを超え人をめがけて移動してくる。

強さはC程度。


なのでやってくる反対側の端っこの方からロストデッドを排除していき、

奪還した街などは、新たに入ってこれないようにバリケードを張って、どんどん進んでいくというプランだ。


かなり前だが、撤退前に斥候(せっこう)達が集めた情報によると、ロストデッドは村や街、

ダンジョンや炭鉱、人気の釣り場なんかに来てとどまる性質があり、

逆に人が来ない森や山などには1匹もいないらしい。


このため、人間のマネをする魔物、人間に置き換わろうとしている魔物といわれている。

ただし、ロストデッドは魔物を倒さないのでヒナの大陸にあるダンジョンはイエローマークになっており、

1~2年以内にはレッドマークになり、スタンピードが起こる可能性があるらしい。


奪還作戦中にスタンピードが起きても困るので、ダンジョン攻略をして貰うグループも決めた。


バシバシと俺の背中などを叩きながら、

この最強の作戦を自分たちで実行できることがとても嬉しいと何度も言われた。


(何度痛いと言っても全力で叩かれる・・・)


痛いのでこっそりヒーリングで治す。

ここにいる老人はみんな筋肉がすごくて同じ人間なのかと疑ってしまう。

俺が痛いというのをすぐ忘れるところだけ老人だ。

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