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【第05話】王都クシアへ到着

「では次!」


門番に呼ばれ受付け台に進む。


あの後俺は無事に道に戻り、

覚えたばかりのクリーニングの魔法で血や土をきれいに落としてから

おにぎりを食べ、王都まで無事にたどり着いた。


その後の道のりは平和過ぎて、

あんなに恐ろしかった出来事は夢でも見ていたかのような気分になった。


もちろん、腕を見ると無残に破けた服があるので現実なのだが。


「村か街の名前と、自分の名前を」


「アルク村のユージです」


「目的は?」


「冒険者登録と、登録後はここで活動しようと思ってきました」


「そうか、では200ゼニーだ」


「これで」


お小遣いでためていた1000ゼニーの内、200ゼニーを払った。


「ああ、ぴったりだな。

 これが引換券だ。ギルドに登録する際に渡すと200ゼニーが返ってくる。

 それ以降は、冒険者のライセンスを見せるだけで出入りができるようになる。」


「ありがとうございます」


引換券を受け取りながらお礼を言う。


「あと、冒険者登録が終わったら、こっちの青い垂れ幕がある入り口から入ると楽だぞ」


「そうなんですね」


門番が指さす方向を見ると、確かに隣の入り口は鎧や武器などを携帯した冒険者の人たちが並んでいた。

カードをピカピカの石板に当てると青く光り、それを見た門番さんが「どうぞ」とか言って通している。


「礼儀正しい子供はみんなに好かれる。これからもその調子でな」


「あ、ありがとうございます、それでは」


俺はお礼を言って子供絡みで嫌な目にあったであろう門番さんと別れた。




◇◆◇◆◇◆



(おお!)


門を抜けると急に沢山の人の往来があった。

壁の外だと道以外には人っ子一人いないのに、中にはこんなにたくさんの人が居て、

いつもこの違和感にやられてテンションが上がるのだ。



しかも門の外は大草原だったのに、一歩中に入るときれいな石畳(いしだたみ)が敷き詰められていてまったく別世界だ。

その先に見える建物も、すべて石造りの建物で感心してしまう。



「でさ、平原のダンジョンの2Fのある泉の底に黄金色に光る何かが見えたんだよ」


「何かってなんだよ、黄金じゃないのかよ」


「いや、相当深いから無理だ。でも引き上げてぇな・・・」


横の門から入ってきた少年の話し声にドキッとしてそちらを見る。


「ん?」


「あ、友達の声に似てて、人違いでした」


「お、そうか。てか服ボロボロだな、大丈夫か?」


「あ、はい、ケガはヒーリングで治ってるので」


「そうか。・・・んじゃあな」


「はい、では」


振り向いたところ、全然知らない少年が仲間と思われる少年としゃべりながら歩いていただけだった。



(そういやあいつらも、この街を拠点にしてるはずだよな)


俺を置いて出て行った同じ村の4人の顔を思い出してしまい、ズーンと気分が落ち込む。


「・・・!」


しかし下を向いた時に半透明のガンホルダーが視界に入り、半目だった目を見開く。


(俺にはコイツがある。仲間3人分以上の火力だ)


俺はほんの少し気持ちを取り戻し、前を向いた。


(今の少年、冒険者用の門から入ってきたな。

 てことはあの少年についていけば冒険者ギルドにたどり着けるかも)


俺は軽く息を吐きだした後、少年の後を追って歩き始めた。


※ユージの破けた服を見て少年は心配してくれたのに

 門番が何も言わなかったのは服がボロボロの人は大人も子供も時々来るからです。

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