【第14話】初めての清算
「よし、通っていいぞ」
朝に出た東門の冒険者用の門から入る。
俺が冒険者カードをピカピカの石板に当て、3秒ほどすると青く光るので、
そしたら門番さんが「通っていいぞ」と言うシステムだ。
青以外に光ったらどうなるんだろう。
門を抜けチラリと見ると、朝に開店していたサンドイッチ屋は閉まっていた。
[この時間は本店にて販売中]
なるほど、朝ここを通る冒険者用に出張商売をしているらしい。
足にヒーリングをかけ、もうひと踏ん張りと、「やどかり亭」を通り過ぎて冒険者ギルドへ向かう。
この時間ともなると朝と違い、たくさんの往来があり、王都の住人たちは各々(おのおの)の仕事に精を出している様子が分かった。
冒険者ギルドに入るとほとんど人はいなかった。
買取カウンターへ行けばいいのだろうか。
「こんにちは」
「あら、ユージ君、だったかしら」
「はい、昨日は登録ありがとうございました」
「いえいえ、いいのよ、仕事なんだから。
今日はどうしたの?依頼を受けに来たのかな?」
ココさんという受付のお姉さんは昨日と打って変り、かなりフレンドリーになっていた。
さんだったのが君になっていて驚いた。
「いえ、依頼ではなくて、東のダンジョンに行ってきたんですが、魔石はあっちの買取カウンターに持っていく形でいいんですかね?」
「ええ、それで合ってるわよ。
ここは冒険者の登録とか、依頼を受けたり、その依頼が終わったときに手続きをするのがメインなの。」
「わかりました、ありがとございます」
「ううん、いってらっしゃい」
やっぱりそうだった。
俺は背負っていたリュックを背負いなおし、買取カウンターへと向かった。
「魔石の買取お願いします」
「はーい、ではここに出して下さいね」
買取カウンターのお姉さんが籠を目の前に置いてくれた。
俺はリュックをカウンターの上に置く。
「魔石、この籠だと溢れてしまいます。どうしたらいいですか?」
「え? じゃあリュックごと預かってもいいかしら」
「はい」
「よいしょっと、中開けますね」
「お願いします」
お姉さんは言葉とは裏腹に、軽々と魔石が入ったリュックを抱え込んだ。
隣で書類を書いていたお姉さんも手を止めてこちらへやってきた。
「あーはいはい、いっぱい持ってきましたね」
「はい、がんばりました」
「これ何日分ですかぁ?」
書類を書いていたお姉さんも質問してきた。
「1日分です、さっき行ってきたんです」
「ええ・・・?」
それ以上は聞かれずに、二人は手分けをして魔石を大きな籠に移してから、魔石を魔道具で確認し始めた。
◇◆◇◆◇◆
「お待たせしました~」
椅子に座って地図を読んだり、ぼーっとしていると、いつの間にか目の前に買取カウンターにいたお姉さんがたっていた。
「こちらへどうぞ~」
「はい」
俺は急いで地図を畳んでから席を立つ。
カウンターにつくと、例の主任さんがいた。
二重チェックだ。
「今回はたくさんの魔石の納品ありがとうございました」
呼びに来たお姉さんとは別のお姉さんが買い取りの案内してくれる。
「内訳が、
どうくつガニ、4匹
おおむかで、12匹
おおこうもり、102匹。
合計118匹、いづれも1匹1,500ゼニーなので、
合計で177,000ゼニーになります」
「おお」
17万ゼニー!
いきなり初日のおサルの3倍稼げたぞ!
あれもかなりインパクトのあるお会計だったのに。
もし俺に天井にいる魔物を倒す手段がなかったら
どうくつガニ4匹とおおむかで12匹だけだった。
おおこうもりサマサマだ。
「問題なければ買い取りますので、カードを」
俺はカードを手渡す。
「全額入金でよろしいですか?」
「はい」
お姉さんはカードを魔道具の上に乗せ、ダイヤルを回した。
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残高: 2,000
入金:177,000
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「主任」
「はい、大丈夫です」
チンっと小気味の良い音がして、液晶の数字が変わった。
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残高: 179,000
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(ああ素晴らしい・・・)
主任は数字を見て頷いてからカウンターの後ろに帰っていった。
「一気にお金持ちですね! では、ご苦労様でした」
「ご苦労様でした」
「ありがとうございました!」
俺は最後に受付けカウンターにいたお姉さんにも会釈をしてから冒険者ギルドを後にした。




