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玻璃の奥

作者: 遊部

友達が私に言った。


『何で、あなたは…』



先生が私に言った。


『何で君は…』と。



家族が私に言った。


『何で、あんたは…』と。



皆が私に言う。






『何で……あなたは生きてるの?』




私の頭の中を言葉が回る。



『なんでこんなこともできないの?なんでこんなことしてるの?あんた全然役に立たないよ。あんたに食べられてる物がかわいそう。なんであんたが息してるの?何泣いてるのキモくない?あんた生きてる価値ないよ。……こんなのも出来ないのなら人間なんて辞めてしまえ。君は本当にクズだな。何をするにも役に立たないな君は。何にも取り柄がないなんて生きてるだけで迷惑だ。いっそのこと死んだらいい。……あんたのせいで私たちまで笑われるじゃない!なんでそんなに何にもできないんだ!一家の恥さらしが!あんたなんか産まなきゃよかった。』


五月蠅い……五月蠅い五月蠅い五月蠅い五月蠅い五月蠅い五月蠅い五月蠅い五月蠅い五月蠅い五月蠅いうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイ


何も知らないくせに。何も知らないくせに私の苦しみも辛さも苦労も……何も、何も何も何も!何も知らないくせに!私が何をしたっていうの?


普通にやればできている。でも、私ができるのを邪魔して、できなかったことにしてるのはあんたたちじゃないか。私から取り柄を奪ったのはあんたじゃないか。笑われてるのは私だけのせいじゃなくて日ごろの行いのせいじゃないか。


なんで私に生きてる価値がないの?なんで私は生きてるだけで迷惑なの?なんで私は死んだほうがいいの?なんで私は産まれてこなかったほうがよかったの?


解らない。でも、これだけは解る。


【この一方的に与えられる苦しみは終わらない。人と関わっている限り……一生終わらない…。】



だから


私は逃げた。


この苦しみから。



私は逃げた。


もう苦しまないように。



私は逃げた。


心の中に鍵を掛けた。



私は逃げた。


私が苦しまない世界に。



私は逃げた。


私だけの世界に。




私は逃げた。


……玻璃の奥へと。








私は私だけの世界へ逃げた。


しかし



今、私は幸せではない。


今、私は幸福ではない。


今、私は満たされてはいない。



…今、私は孤独に苛まれている。



私は今、一人ぼっち。


寂しい。サビシイサビシイサビシイサビシイ・・・・・寂しいの…寂しいの!


……寂しいよ。


私も皆みたいに誰かと笑ったり、誰かと一緒に悲しんだり、誰かと同等に喧嘩をしたり、誰かと何かを頑張ったりしたいよ……。


でも、元のみんなの居る世界に行っても、また苦しいだけ……。



だから



私は、幸せにはなれない。


私は、幸福を得ることはできない。



私は……一生孤独に苦しむ。


私は、どこへ行っても苦しみからは逃れることは……できない。






この話はここで終わりです。


この主人公はこの先どうなるのでしょうか?それは分かりません。



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