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家ごと異世界転移!? ~家族と恋人とアイテムボックスな家で、元の世界に帰るまで~  作者: ねこあし


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第43話:覚醒の兆しと、深淵への道標

クレーターの中心に呼び出した家の中には、意識を失ったままの古き英雄、そして他の黒ローブたちが運び込まれていた。俺たちは、彼らの身体に残る悪意ある魔力が完全に消え去ったことを確認し、母が【大地の巫女】の力で彼らの回復を促していた。


特に英雄は、精神的な消耗が激しいようで、深い眠りについている。母の温かい魔力が、彼の魂の傷を癒していくのが感じられた。


「彼が目を覚ませば、もっと詳しいことが分かるかもしれないわね」母が安堵したように言った。


萌は、浄化された知識の聖石を手に、じっと見つめていた。

「お兄ちゃん、この知識の聖石、なんか以前よりも賢くなってる気がするよ! いろんな情報が、直接頭に流れ込んでくる…!」


萌の【魔力演算支配者】が、聖石の力を最大限に引き出しているのだろう。俺も【概念収納】で「虚無の知識」を収納したことで、知識に関する聖石との親和性が高まっているのを感じる。


「その聖石から、何か『闇の深淵』に関する情報はないか?」俺は尋ねた。


萌は頷き、目を閉じて知識の聖石と深く同調した。

「うん…あったよ! 『闇の深淵』は、特定の場所にはいないみたい…でも、この世界が生まれる前から存在する、根源的な『闇』の一部だって。世界樹の精霊が言ってた『世界の重み』を歪ませる存在…それが、この『闇の深淵』なんだ…!」


「世界の根源的な『闇』…?」父が眉をひそめた。「そんなものと戦えるのか…?」


美咲は【精神感応】で、知識の聖石から漏れ出す萌の情報を読み取っていた。

「この『闇の深淵』は、実体を持たない、概念に近い存在なのね。だから、特定の場所にはいない…でも、この世界に存在する『絶望』や『憎しみ』、『虚無』といった負の感情が増幅すると、その影響力が強まる…」


つまり、「闇の深淵」は、この世界に満ちる負の感情を糧にしているということか。そして、聖石の汚染や人間を操る行為は、その負の感情を意図的に増幅させるためのものだったのだ。


「奴らは、世界を滅ぼしたいんじゃなくて…世界を『虚無』に染め上げて、自分たちの糧にしようとしていたんだ…!」俺は悟った。


萌が、さらに知識の聖石から情報を引き出す。

「そして…この『闇の深淵』を完全に消滅させる方法も、記録されてるよ! それは…『七つの聖石の真の力を覚醒させ、世界樹の根源に繋がる場所で、全ての光を集結させる』ことだって!」


俺たちは、互いに顔を見合わせた。俺たちの手元には、既に七つの聖石全てが浄化された状態で揃っている。これは偶然ではない。俺たちが、この「闇の深淵」を倒すために、この異世界に導かれたということなのだろうか。


「世界樹の根源に繋がる場所…」父が呟いた。「まさか、以前行った世界樹の頂上、あの『真理の門』のことか?」


「きっとそうだよ、お父さん! あの場所なら、世界の根源と繋がってるから…!」萌が確信をもって言った。


しかし、七つの聖石の「真の力」とは一体何なのか。今までも十分に強力だと感じていたが、さらに奥があるというのか。


俺は、全て浄化された七つの聖石を【アイテムボックス】から取り出した。地の聖石、水の聖石、炎の聖石、風の聖石、光の聖石、闇の聖石、そして知識の聖石。それぞれが、清らかな輝きを放っている。


すると、七つの聖石が、まるで互いに引き合うかのように、ゆっくりと宙に浮かび上がった。そして、聖石から放たれるそれぞれの色の光が、互いに混じり合い、一つの大きな虹色の光の球となった。


光の球は、静かに脈動を始めた。その脈動は、俺たちの身体にも共鳴し、俺たち自身の能力が、さらに一段階上のレベルへと引き上げられていくのを感じた。


父の【地殻接続】が、大地全体の生命力を感じ取れるように。

母の【大地の巫女】が、枯れた森を一瞬で再生できるまでに。

美咲の【精神掌握】が、相手の潜在意識の奥底まで影響を及ぼせるように。

萌の【魔力演算支配者】が、世界の法則そのものを改変できるレベルに。

そして、俺の【空間支配者】は、もはや空間を操作するだけでなく、新たな「次元」を創造できるかのような感覚に襲われた。


これは…七つの聖石が、互いに共鳴し、俺たちの能力を「真の力」へと覚醒させたのだ。


その時、家の外から、微かな物音が聞こえてきた。


「誰か来たみたいだよ、お兄ちゃん」萌が耳を澄ませた。


俺たちは、顔を見合わせ、玄関へと向かった。ドアを開けると、そこに立っていたのは、見慣れた顔ぶれだった。かつて旅の途中で出会った、各地の部族の代表者たちだ。彼らは、俺たちに会うために、ここまでやってきたのだろうか。


彼らの顔には、安堵と、そして、かすかな期待の色が浮かんでいた。彼らは、俺たちが聖石を浄化したこと、そして、この世界の危機を救うために戻ってきたことを、直感的に感じ取っていたのかもしれない。


「お久しぶりです…」部族の代表者が、深々と頭を下げた。


彼らとの再会は、俺たちに新たな決意を与えた。この世界を救う戦いは、俺たち家族だけのものじゃない。この世界で生きる全ての人々の願いを背負い、俺たちは「闇の深淵」へと立ち向かう。


全ての準備は整った。後は、世界樹の根源へと向かうのみ。


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