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家ごと異世界転移!? ~家族と恋人とアイテムボックスな家で、元の世界に帰るまで~  作者: ねこあし


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第21話:水辺の都へ、新たな出会い

ウィンド村を後にした俺たちは、三つ目の聖石「疾風の宝珠」を手に、次の目的地を探す旅を続けていた。萌が【魔力演算支配者】で、この世界の魔力の流れを読み解き、過去に聖石が安置されていたとされる場所の微かな痕跡を探り始めた。


「ねえ、お兄ちゃん。この世界の魔力って、すごく水に集まりやすいみたい。大きな湖とか、川とかに、強い魔力の反応があるよ!」


萌の言葉に、俺は地図を広げて確認した。確かに、この大陸の中央部には、巨大な湖が点在している。その中でも、ひときわ大きな湖のほとりに、「水辺の都アクアリア」という都市が記されていた。


「もしかしたら、次の聖石は、水の聖石かもしれないな」父が言った。


「そうね。水辺の都なら、情報もたくさんあるでしょうし」母も頷いた。


俺たちは、水辺の都アクアリアを目指し、東へと進路を取った。道中、萌は【魔力演算支配者】の新たな応用方法を見つけ出し、風の魔力を利用して、俺たちの足取りを軽くする魔法を編み出した。これにより、移動速度は格段に上がり、旅は以前よりもはるかに快適になった。


父は【地殻接続】で足元の地形をならし、母は【大地の巫女】で疲労を癒し、美咲は【運命交渉】で道中の商人たちと円滑な交流を図りながら、情報を集めてくれた。家族全員の力が、まさに旅の推進力となっていた。


数週間後、地平線の先に、巨大な湖が見えてきた。湖面は太陽の光を反射してキラキラと輝き、そのほとりには、白く美しい建物が立ち並ぶ都市が広がっていた。それが、水辺の都アクアリアだ。


都の入り口は、巨大な水門で守られており、その向こうには、活気に満ちた街並みが広がっている。石畳の道には、水路が張り巡らされ、小さな船が行き交っていた。人々の服装も、これまでの村とは違い、涼しげな薄手の生地を身につけている者が多い。


「わあ、すごく綺麗な街!」萌が目を輝かせる。


「本当に、水の都って感じね」美咲も感心したように周囲を見回した。


俺たちは、水門を通り、都の中へと入っていった。都の中は、ウィンド村やエルリアとはまた違う、穏やかな空気が流れていた。


まずは情報収集と宿探し。美咲が【魅力的な笑顔】で話しかけたのは、運河沿いの小さな宿屋の女将だった。


「あら、珍しい旅人さんね。この都へは、何用かしら?」女将は、優しげな顔で尋ねた。


美咲は、いつものように俺たちが旅の者であることを伝え、情報収集の協力を求めた。女将は、快く俺たちを迎え入れ、この都の様々な話をしてくれた。


アクアリアは、豊かな水源に恵まれた商業都市であり、特に水産物や、湖から採れる「真珠」の取引が盛んだという。しかし、最近、都の近くにある「静寂の湖」で、奇妙な現象が起きているらしい。


「静寂の湖で、最近、水底から不気味な音が聞こえるって話よ。それに、漁師たちが謎の病に倒れる事件が相次いでるの」女将は声を潜めて言った。「都の警備隊も調査に向かっているけど、なかなか原因が分からないみたいで…」


謎の病。その言葉に、母の表情が曇った。


「病気…もしかしたら、私の【大地の巫女】の力で、何かできるかもしれません」母が静かに言った。


萌は【魔力感知】で、女将が話した「静寂の湖」の方向を探ってみた。


「あの湖、確かに強い魔力があるけど…なんだか、淀んでる…普通の水の魔力とは違う感じだよ…」


淀んだ魔力。それは、これまで経験したことのない異常な気配だった。


その時、宿屋の扉が勢いよく開かれ、一人の男が飛び込んできた。彼は漁師らしき格好をしており、顔色は青白く、息を切らしている。


「女将さん! 大変だ! また、仲間が…! 静寂の湖で…!」


男は、震える声で女将に訴えかけた。その姿は、まるで命からがら逃げ出してきたかのようだった。


男の姿を見て、美咲の顔が曇った。彼女の【精神感応】が、男の心に渦巻く恐怖と絶望を読み取っているのだろう。


「これは…見過ごせないわ」美咲が静かに言った。


父も、警戒の表情を浮かべた。


「静寂の湖か…何か厄介なものが潜んでいそうだな」


俺たちは、男から詳しい話を聞いた。男の仲間たちは、静寂の湖で漁をしていたところ、突然、水底から湧き上がってきた黒い水のようなものに触れ、次々と倒れていったという。その黒い水からは、不気味な声が聞こえ、身体を蝕むような悪寒がした、と男は語った。


「その黒い水は、都の結界を侵食しているって噂だぜ…」男は震えながら付け加えた。


都の結界。もしそれが破られれば、都全体が危険に晒される可能性がある。


俺は、静寂の湖の方向を見つめた。萌の【魔力演算支配者】が、その淀んだ魔力の原因を突き止められるかもしれない。そして、母の【大地の巫女】の力が、病を治し、淀んだ水を清めることができるかもしれない。


「静寂の湖へ行こう」俺は決意を込めて言った。


俺たちの旅は、聖石探しだけでなく、この世界の苦しむ人々を救う旅へと、その形を変え始めていた。

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