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とある貴族の望蜀  作者: 彼岸渡利
流れゆく刻
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教育とは何か 前

突然の説明口調に何事かと見てくる勇者御一行ですが、そんなことを気にしていては人前で話すことなどできません。


 「さて、先ほども申しあげたとおり情報の整理を行うものやある種の密偵というものを育てるには膨大な時間が必要になります。何故だかわかりますか?」


 「それは人が育つまでには時間がかかるでしょう。」


 「もちろんそうなのですが、それは育てる環境を持っていることが前提条件になります。」


 よくわからないという顔をしている勇者殿、この後に来るであろう言葉をなんとなく察したような顔をしているゾド殿が対照的なのだが、言葉を続けるとする。


 「まずはその教育出来る教育者を見つけて来なければなりません。この教育者がどのような教育をするかによって生徒たちの生存率や書類処理能力に関わってきます。これがまず難しいのですよ。」


 「それはこの国の国内で探せばいいのではないのですか?」


 「影を歩く者たちを灯のもとに引きずり出していうことがその影歩きを教えろと?それまで培ってきたものを突然現れた貴族にどのような保証があるかもしれないのに差しだせと?」


 「報酬さえしっかりしていればいいのではないですか!」


 「わかりやすく言えばその術が彼らの生活の基盤を支えているのですよ。それをこれまでの遍歴を知らない外部の者がぶしつけに教えろと言われていい気がするものはいませんよ。もちろん、その報酬というもので話がつく場合もあるでしょうが、まれでしょうねぇ。」


 剣を振るう、物を動かす、二足歩行で歩く。このような単純な行動さえも人は他の生物を出し抜く為に抱えこんだほどだ。どこぞの宗教では人以外はこの世界の簒奪者だと嘯いているが、人心掌握ひとつでありすでに起こっているが、人同士で行われるだろう。そんな宗教がどうして「聖女」や「聖騎士」を任命出来るのだろうか甚だ疑問ではある。


 「そんなことを言っても、国の為になるのであればやるべきでしょう。」


 「ふむ、勇者殿たちなら耳にしているでしょうが、その国でさえもそのような技術は秘匿しているのですよ。そこの獣人殿は鼻が良いでしょうから姿は捕らえれずともなんとなくは気づいているのではないですか?」


 勇者殿たちが獣人殿…確かゾドという名だったかを見ている。6つの眼で見られるというのはなかなか堪えたのだろう、「数も場所もわからなかったが、なんとなくは」と小さな声で答えていた。

 彼が質問攻めにあっているのをいいことに、今回の討伐隊の出費や被害にたいしてどう対応していくかで頭はいっぱいにしていると、馬車の外から呼ばれた。


 「アンドリュー様、まもなく件の村付近に到着しますが、その前に第一魔獣討伐体と合流することが出来そうですので、一度行軍を止めても構いませんでしょうか。」


 「嗚呼、構わないとも。ついでに兵たちの腹に何か入れてやってくれ」


 程なくして止まった私たちは目印になるように飯盒の煙を上げ始め、それを目掛けてかはわからないが向かってきた討伐隊の面々と合流するのであった。

 

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