第7話 近藤うるり
近藤うるりは『白巫女伝説』の取材のため京都北部の山間にある寂れた町に来ていた。最寄りの駅で降りてそこからバスで一時間ほどのまごうことなき田舎である。
京都駅はGW前だというのに主に外国人観光客で賑わっていたが、さすがにこのような辺鄙な土地にはそれらしき人は見当たらない。
空は薄暗く春だというのにこの日は湿気が多くて不快であった。寂れた町の雰囲気とも相まって不気味な感じがする。
近藤うるりは早速この町出身の友達に紹介してもらった個人商店を営んでいる田中という名の中年女性の家へ向かった。なんでもその女性の家は古くからこの土地に住んでおり、白星降村や白巫女伝説などの伝承に詳しいらしい。今夜泊まる場所もその女性が用意してくれるという話だったので、うるりはいくつかお土産を用意した。
友人によるとこの女性はよそ者には気難しく、排他的な土地柄でもあるので粗相がないようにと注意された。紹介はするが伝承をどこまで話してくれるかわからないのでそこはうるり次第だと言われが、うるりはコミュニケーション能力は高い方だと自負しているので、閉鎖的な地元民でもなんとかなるだろうと楽観的でいた。
スマホを頼りに商店を目指し、しばらく田畑の広がる道を歩くと、目的の個人商店らしき店が見えてきた。店は個人が経営するコンビニのようで、店舗の外に野菜が売ってあるのがいかにも田舎的であった。
うるりはキャリーケースを引き中へ入る。中は大手チェーンのコンビニと大差なかったが、陳列棚には空いている場所が目立ちあまり頻繁に商品を補充しているわけではなさそうだった。
レジには店員のおばさんと地元民らしき2人の婦人が談笑している。あのレジに居るおばさんが今回お世話になる人だろうか。うるりはレジに向かい声をかけた。
「あの~」
それまで談笑していた3人の女性達はうるりの声を聞くと、ピタリと話すのを止めうるりにじっと視線を送った。3人とも上から下まで品定めするように、会話を邪魔したこのよそ者が何者であるかを推し量ろうとしているようだった。
うるりは早速排他的な田舎の洗礼を受けた気がしたが、そんなことには構わず元気よく挨拶する。
「お取り込み中、申し訳ありません! 早田梨予の紹介でこちらに訪れました近藤うるりと申します! 本日、お世話になる予定ですがよろしくお願いいたします!」
「ああ……あんたが! よう来てくれはったなあ」
うるりの名前を聞いたレジの女性はポンと手をうち明るい調子で言った。この女性が田中なのだろう。先ほどとは打って変わって歓迎するような様子にうるりは心の中でホッと安心した。談笑していた2人の女性は好奇な眼差しをうるりとレジの女性に向ける。
「この方は……どちらさん?」
「梨予ちゃんのお友達やって。なんでも東京の雑誌社の記者さんらしいんやわ」
「なんで東京の記者さんがこないなとこにおんねん?」
「白巫女様の伝承を取材したいらしいんやって」
「はあ~、わざわざ遠いところからご苦労さんやなあ。お嬢さん、今夜はどこに泊まりはるん?」
「えーっと……」
「この娘にはあそこの自治会館を使うてもろうと思ってんねん。せっかくだし、お夕飯いただきながら話したろと思ってな」
「ああ、あそこやな。2階に災害時用のお布団あったもんなあ」
「へえ、そんなんあるんかいな。いつも1階で宴会しかせんからようしらんわ」
「せや! 私らも行こうやないの。久しぶりに飲み会でもやろうや。お嬢ちゃん、おばちゃんもおもろい話したるで」
「アホ! このお嬢さんは怖い話が聞きたいんや。あんたんとこのひいじいさんのけったいな話なんてしてどないすんねん!」
「いえ! 私おもしろい話も大好きです! 白巫女伝説だけじゃなくて、皆さんから色々なお話を聞きたいです!」
うるりは自分そっちのけで中年女性達の井戸端会議のような会話にやや面食らったが、彼女達のしゃべりたがりの性質を見抜き愛想よくへつらった。
「せやろせやろ。おばちゃん、ノリのいい娘は好きやで。お惣菜持っていくから楽しみにしてまっててな」
「じゃ、私はお酒でも持っていこか」
「あんたら、宴会がしたいだけやないの」
「私も宴会したいです!」
和気藹々と中年女性たちと談笑するうるりは、思ったより受け入れてもらえたようでよかったと胸をなでおろした。
日も沈み夕食時となった頃、うるりはこの自治区が管理する公民館へと来ている。公民館は2階建ての木造の建物で、1階は畳の引いてある広い和室、2階は2部屋ありそのうち1室がうるりの泊まる場所として用意されていた。
現在1階の広間にはうるりを含め6人が長机を囲んで夕食を取っていた。1人はここまで送ってくれた田中で2人は昼間に会った中年女性、もう2人は先程紹介された老年と中年の男だ。この2人の男の家系も古くからこの地域にずっと根ざしており、白巫女伝説について詳しいので、田中がこの場に呼んでいた。
「ほれ、お嬢ちゃん。ようけ食べや」
「ぎょーさんあるからな。遠慮せんといてな」
「ありがとうございます」
うるりは両隣にいる2人の男から机に並んだ大量の食べ物を進められた。長机の上には寿司やビール、日本酒などの酒類、2人の中年女性がタッパーに詰め込んできたサラダや枝豆などのつまみ類、フライドポテト、チキンなどが所狭しと並んでいる。
「お嬢ちゃん、酒もいけるやろ。さあ、ぐぐーっと」
「ありがとうございます」
うるりの右側に座った中年の男がうるりのグラスにビールをつぐ。グラスから溢れそうになる泡を啜ると一気に飲み干した。
「お嬢ちゃん、イケる口やな」
うるりの飲みっぷりにビールをついだ男は上機嫌になった。うるりとしては本当はこの後、取材があるのでアルコールは控えておきたかったのだが、こういう酒の席ではノリが大事であるし、特に初対面の人間と打ち解けるにはこれが一番であると理解していたので飲むことにした。
うるり自身アルコールには強い方であるし、何より好きであるから酔いすぎなければいいと思った。
「ほれ、お嬢ちゃん」
今度は左隣に座った老年の男がうるりのために甲斐甲斐しく取り皿に食べ物を盛って差し出す。
「ありがとうございます」
受け取った取り皿からうるりはフライドポテトを頬張る。その様子をみて老年の男はまるで孫を見るように喜んだ。だがそんな男たちを見て女性陣は呆れた様子だった。
「ほんま、男どもときたら……」
「若い子だからってデレデレしよってほんまに……」
「お嬢ちゃん、梨予ちゃんと友達なんやってな。梨予ちゃんは元気にしとるか?」
「はい。お互い社会人になってから会う機会は減りましたけど、しょっちゅう連絡を取り合ってますよ」
「梨予ちゃんにもっと戻ってくるように言うといてや」
女性達の非難の声など聞こえないかのように、男2人はうるりにつきっきりである。男たちはいくらか距離を縮めてきて、両側を挟まれているうるりはすこし嫌だなと思いつつも、今のところあからさまなセクハラはないので気にし過ぎないことにした。
空になったうるりのグラスにまたビールが注がれる。うるりはそれを一気に煽った。
「ええ飲みっぷりやな。ほんま、ええ娘や」
「どうも」
うるりは右隣の中年男がビールを注ぐとき、その腕にしていた時計が気になった。その腕時計はうるりでも知っている高級メーカーのものでギラギラと自己主張していた。失礼ながらこんな片田舎のおじさんには不釣り合いだと思った。
横目で男性達の悪口を言っているご婦人たちを見る。彼女達もブランド物と思われる服やバックなどを身に着けていた。派手さこそないもののブランド物に興味がないうるりでもわかるほど仕立てがよく高級感があった。そういえば、田中にここまで送ってもらった車も国産高級車だった。
うるりはこんな寂れた田舎に住んでいる人達が何でこんなに金回りがいいのだろうと不思議に思う。何かこの地方には特別な産業があるのだろうか。
そんな疑問はさておき、その後しばらくうるりは飲み食いしながら女性達の身の上話を聞いたり、男達の愛想を振りまいて馴染むように努力した。料理が半分ほどなくなったところで、うるりはもう十分彼らと打ち解けたと判断し、機を見て本題に入ることにした。
「あの、そろそろお話を聞かせてもらってもよろしいでしょうか?」
「何やったけ?」
「白巫女様のことや。もう忘れたんか。吉岡さんと園田さん呼んだのはそのためやんけ」
田中が呆れたように男達に言った。2人はそうやったと笑いあって上機嫌である。
「最初に確認して置きたいんですが、白巫女伝説を記事にしてもよろしいのでしょうか? 梨予にはあまりこのお話を広めたくないように聞きましたが……」
取材はまず相手に記事にしてよいか確認することが基本である。場所を特定されないために地名をぼかすなどの対策をとるが、それでも許可を取らずに聞いた話を雑誌に載せるなどもっての外である。紫雨以外の現幽のメンバーはそのことを重々承知していた。
「ええよ、ええよ。そんなん儂の親世代の話やからな。今は秘密にしてたりせーへんよ。むしろこないな田舎の伝承を紹介してくれはるなんてありがたいわ」
答えたのは園田と呼ばれた老年の男性だ。うるいは了解が取れたことに喜ぶと早速ペンとメモ用紙を出して取材モードに入った。アルコールが入っているがこの程度なら問題ない。
「ありがとうございます。ではまず白星降村の由来について教えて下さい」
「どのくらい前の話かようわからんのやけどな、何百年も前はこの辺りの山には物の怪がようおってな、周辺の村々はえらい困っとたんや。そんなある時、ここらで一番大きな山にぎょうさん流れ星が降ってな、それが真っ白に輝く星のようだったそうなんや」
うるりは園田の話をふむふむと頷きながらメモを取る。
「なるほど。白い流れ星が降ったから白星降村ですか。由来はそのまんまなんですね。何かその白い星が白巫女と関わっている気がするのですが」
「せやで。その白星が降った山にはな、神社があってそこの神主さんの娘が巫女やってん。その巫女さんが降ってきた白い星に触れると不思議な力を授かったそうなんや。そしてその力でこの辺りの物の怪どもを一掃したらしいんやわ。それからその巫女さんは白巫女様と呼ばれずっとこの地の守り神として儂らを守ってくれてはるんや」
「白巫女様の外見とかってわかりますか?」
「伝承によるとな、巫女さんは白星に触れると姿形が全く変わって、それはそれは凍えるほど美しい姿に変貌したそうや。頭のてっぺんから爪先まで真っ白で、まるで冬の精と見紛うほど人間離れしとったそうやで。そういや、白い星が降った日は大雪だったらしいなあ」
うるりはいそいそとメモ帳に書き込む。右隣の吉岡という中年男がうるりのグラスに日本酒を注ぎ込んだ。
「日本酒もイケるやろ」
うるりはすでに仕事モードに入っており、これ以上アルコールは取りたくないので一瞬断ろうと思ったが、みんなニコニコとしていてうるりが飲むのを待っている気がしたので、場の空気を読み半分ほど飲むことにした。
「日本酒もイケるんやな。ええ娘やな」
うるりは上機嫌な吉岡に愛想笑いをし、取材を続けた。
「白巫女様が現れた詳しい年代ってわかりますか? それから白巫女伝説の文献って本当にないのでしょうか?」
「ん~、わかるっちゃわかるし、あるっちゃあるんだが、こればかりは部外者には見せられんし、書いてある内容も教えられん。ごめんなあ、お嬢ちゃん」
「いえ、無理を言ってすみませんでした。では、白星が降ったという山ってどこにありますか。名前はなんていうのでしょう?」
「名前はオオキミ山やね。場所はすぐ近くや。ここに来るとき見えたで? よかったら明日行ってみよか?」
「ええ、是非お願いします!」
田中の提案をうるりは前のめりで受けた。伝承があったという場所に直に行き調べるのも大切な取材である。
「お嬢ちゃん、まだ半分残っとるで? もっと飲みや」
そう言って吉岡はグラスにまた日本酒をついだ。うるりは思った以上に酔いが回っていたので、さすがにこれ以上は差し障りがあると思いやんわりと断った。
「ありがとうございます。でも思ったよりお酒が回ってて……。明日もありますし、今日はもうちょっと……」
「心配いらん、心配いらん。これはええ酒やから悪酔いなんかせえへんで。明日にはススーっと抜けとるわ。さあさあ」
「あの、本当にちょっと……」
「ぐいぐい~っとな!」
吉岡がずいとうるりの真横に移ると肩を抱き自身の方へ引き寄せる。そのままグラスをうるりの口元にやり強引に飲ませようとした。いきなり密着されたことに驚いたうるりは気持ち悪くなり、咄嗟に吉岡を突き飛ばす。
「や、やめてください!」
グラスは吉岡の手から滑ると、机に落ち大きな音を立てた。こぼれた日本酒は机を流れポタポタと畳に染み込む。その場が凍りついたように静かになった。うるりは畳に垂れる酒を呆然と見ていたが、我に返ったのかやり過ぎたと思い慌てて謝るため、顔を上げた。
「ご、ごめんなさ……」
うるりは小さく悲鳴を上げそうになった。先程まで親切だった人達の顔が豹変して、今はまるで能面のように無表情になり、冷たい視線でうるりを射抜く。まるで天敵を見るかのような敵意を孕んだ瞳に圧倒され、うるりはうまく言葉が出せなかった。
「あ、あの……」
5つの顔が無言でうるりを見ている。チクチクと壁掛けの時計の秒針がやけに大きく響いた。自分がとんでもなく悪いことをしたのではないかと錯覚し、いたたまれなくなりしゅんと俯く。
「吉岡さんがセクハラするからお嬢ちゃん驚いてしもたやないの!」
「若い子はデリケートなんやで!」
「あかんなあ……おっちゃん、お嬢ちゃんがええ娘やからつい調子に乗ってもうたわ。堪忍な」
「床びしょびしょやな。雑巾持ってくるわ」
「グラス、ヒビ入っとるな。新しいの持ってきてや」
「ご、ごめんなさい」
「お嬢ちゃんは気にしなくてええんやで。吉岡さんが悪いんやから」
先程までの針で刺されるような静寂とは変わって、また賑やかな喧騒が戻ってきた。彼らの様子から今はさほど気にしていないように思えるが、ではさっきの豹変した態度はなんだったのだろう。
うるりは不気味さを感じこのまま2階へ行きもう休みたいと思った。しかしまだ聞きたいことが残っている。現幽の編集部として中途半端なままでは終われない。うるりは気を取り直して取材を続行することにした。
「あの、大変申し訳ありませんでした。驚いてしまって……。すみませんが、取材を続けてもよろしでしょうか?」
「ええよ、ええよ。その前に仕切り直しや。ぐぐ~っと一気に飲んでな」
中年男の吉岡がいつの間にか日本酒を一杯にたたえたグラスをうるりに差し出した。皆の視線がまた鋭く刺さった。うるりは生唾を飲み込むと、もうどうにもなれという気で自棄気味に飲み干す。
「おお~、ええ飲みっぷりや!」
「どや、うまいやろ。それはここらで作ってる地酒やねん。お土産に一本持っていき」
うるりが一気に飲むと歓声が起こり拍手が鳴る。これだけ飲むとさすがに頭がクラクラして体中が火照ってきた。これが田舎の洗礼かと東京生まれのうるりは、うんざりする思いだった。だがこれで取材は続けられる。うるりは最後の質問をしようと、鈍くなった頭を無理やり働かせた。
「……さっき白巫女様はずっとこの地で見守ってくれていると言いましたが、それは今も生きているということですか?」
友人の梨予によれば白巫女はまだ生きており、この地でひっそりと悪霊に取り憑かれた人々の除霊を行っているという話だった。梨予に見せてもらった必要としている人しかみれないHPにも除霊の相談を受けつけていたし、あれが友人のいたずらでなければこの町で除霊をしている可能性は高い。たとえ、それが白巫女でなくても良い記事になる。
うるりはもっと遠回りに聞くべきであったかと思ったが、酒が回り頭がうまく動かないのでいい言い回しが思いつかなかった。
「……梨予ちゃんから聞いたんか?」
田中の声のトーンは低く、他の人達も黙ってしまった。彼らの様子から聞いたらまずい事柄であるようだが、もう後には引けない。うるりは酔いの勢いに任せてそのまま突っ走ることにした。
「はい、梨予から聞きました。もし生きているなら会わせてほしいのですが」
田中は気だるげに息を吐くとビールを一口煽った。それからしばらく何か考えた様子で、徐ろに口を開く。
「これは秘密なんやけどね……」
「是非聞かせてください」
「確かに生きておると聞いとるね。オオキミ山にな、小さい神社があんねん。その本殿に白巫女様が鎮座してるっちゅう話やが、実はだれも見たものはおらんのよ」
「儂は子供の頃みたで」
「そ、その話を詳しく!」
「大したことないんやが、儂がまだはなたれ小僧の頃、オオキミ山の神社で祭りがあってな。そのとき本殿の裏っかわに行って襖の間からチラッとだけ見えたんや。そんとき、目があったんよ。伝承通り真っ白でな。儂は人間離れした美しさにびっくりしてもうてな。そのまましばらく動けなかったんや」
「ほんまかいな。ただの白昼夢やないの?」
「アホ! ほんまに見たわ! じゃが夢といっても納得できるくらい不思議な体験やったな……」
うるりはいそいそとメモに今の話を書き込む。酔いのせいで、いつもより汚い字だが仕方がない。読めればいい。
「そのオオキミ山の神社って行くことできますか?」
「別にかまへんけど、本殿には入れへんで。こっそり中を見ることも不可能や」
「ではその神社の神主さんっていますか? できれば紹介してほしいのですが……」
そう言った直後、うるりは強い眠気を感じた。力が抜けペンとメモ帳を落とした。意識が遠のきそうになるのを必死にこらえる。アルコールを取りすぎたか。それにしてもこんな急な眠気はおかしい。
うるりがなんとか眠気を抑え込もうと気力を振り絞っていると、いつの間にか自分の回りを田中達が取り囲んでいた。彼女達の顔見ると、ドクンと心臓が跳ね上がった。
やられた……。
ニヤニヤと醜悪な表情で自身を見る彼女達の狙いは始めからこれだったのだ、とうるりは薄れゆく意識の中で思った。うるりがスマホで助けを求めようとかばんに手を伸ばしたところで、田中に腕を掴まれた。
「お嬢ちゃん、お酒強いから睡眠薬盛ってもうたわ。堪忍な」
うるりは精一杯田中を睨んだが、力が完全に抜けついにバタリと倒れ意識を失った。うるりを囲む5人はニヤける顔が抑えられず体中から嬉しさが溢れていた。
「梨予ちゃん、ええ娘紹介してくれはったな」
「ええ娘やええ娘や」
「もっと若い方が持つんやがな」
「贅沢言ってもしゃあないわ。この娘は十分ええこやろ?」
「ほんま、ええ生贄やわ」