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6:夫が不倫相手に殺されたので自殺しました

ここから妻視点です。

悠太が死んだ。



いや、殺された。



私の不倫相手だった男に。




私が不倫したから?


だとしたら実質私も殺したようなもの?





身勝手な理由で不倫して。




大切な人を手放して






手放したものを取り戻そうして





そして、大切な人が死んだ。







・・・私って、生きる意味あるのかな?





******



「んでお前は自殺したってわけか」



目の前のなんとも形容し難い生き物が言う。



あれ?私は死んだはずでは・・・・



「あっ、お前は死んでいるから安心しろ。自殺は成功だよ。」



なんかノリが軽い・・・・気がする。


なんなんだろ、この生き物。



「不倫してそれで失ったものに縋った結果が自殺か。正直ウケるぞ。」



私はムッとした。


けど、事実だし何も言い返せない。




******




「離婚だな、藍花」


「わかりました」


私はそういうしかなかった。




「全くどうして被害者面ができるのかねぇ・・・」


悠太がつぶやく。


多分今のは悠太の心のつぶやきだろう。

彼は心の中で思ったことを無自覚に口に出してしまうことがある。





「不倫した時点でこうなることは覚悟してただろ、腹くくれ」




私は職場の同僚と不倫した。




最初は仕事ができて頼りになる人だと思った。


そして一緒に食事にいった。

それを繰り返すにつれてそういう関係になった。




最初に問い詰められたときは、私は愚かにもシラを切った。





でも証拠を見せられた。

それは言い訳もできない位のものだった。




その証拠を前にして私は混乱した。


自分が悪いのに「悠太が寂しい思いをさせたから」と悠太のせいにした。




・・・そこから彼は容赦なかった。



彼の出す証拠に成す術がなかった。


親にも白い目で見られて。


お金も支払って。


なぜか彼は職場には伝えなかったけど・・・

彼の最後の情けだったのだろうか?



「金、時間、全てを無駄にしたなぁ・・・・」


彼の悲壮なな呟き。



私が不倫して離婚したから・・・。


彼は私との時間が『無駄』だと思ったのだろうか。



「子供いなくてよかったよ」


ショックだった。



「・・・ごめんなさい悠太。」



私はそれしか言えなかった。


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