5:元妻が出て言ってから10分後に死ぬ俺
ポケモン鎧の孤島楽しみです。
ポケモンスナップの情報もありましたね。
藍花がいた。
手持ちのバッグを落として走る去る彼女を見て、俺は冷静になった。
俺は今まで彼女にしてきたことを冷静に思い返す。
彼女は不倫したとはいえ、復縁するために真剣に行動していた。
俺が気まぐれで試すように言った『誠意』だの『連帯責任』を真に受けて。
『誠意』という言葉を利用して、許すような態度を取って、不倫した彼女を弄んでいる。
そんな俺の言葉を受け止めて、真剣に行動した彼女に対して一番『誠意』が無かったのは・・・
この俺だ。
俺は不倫した人間と同じ位、もしかしたらそれ以上に人を傷つけてしまった。
被害者という立場を大いに利用して。
「俺は、なんてことを」
あいつに謝罪しなければならない。
そして、しっかり別れを告げてお互い新しい道を別々に歩もうと言わなければ。
俺は藍花を追いかける。
「どこだ、藍花、どこだ」
走れば追いつくだろうと思っていたが、完全に藍花を見失った。
自分が彼女へしてしまった行動を思い返す時間がそれなりにあったのだ。
「電話・・・してみるか」
携帯をポケットから手に取ろうとしたとき
目の前に俺の予想外の人物がいた。
『やつ』、いや、義人だ。
「あんた、俺から金も家族も仕事も、そして藍花も奪う気か」
何を言っているんだ、こいつは。
それよりも藍花を探さないと。
俺はスルーする。
そしてこいつから離れて藍花に電話するために走り出したが・・・。
グサッ
あれ?
力が抜ける。
「ヒヒヒヒ俺から何もかも奪ったお前から命を奪ってやったぜヒヒヒヒ」
狂気の笑い声が響く中、俺は意識を手放した。
*******
「お前完全にとばっちりだな」
目の前の生き物が俺に告げる。
「まあでも流行の異世界転生させてやるんだ。元気出せって」
殺されたのに元気出せってか。
まあ死んだのは調子乗り過ぎた報いかな。
「お前が最期にやっていたゲームと似た世界に行かせてあげるんだ。感謝してね」
まあいつまでもこの謎の空間にいたくない。
「じゃあ、早速転生とやらをさせてくれ」
「おー乗り気か。任せておけ」
こいつの軽さを見ると不安になるが・・・・
すると、俺の身体が光に包まれる。
「うお。なんだ」
「川上悠太よ。転生先での活躍期待しているぞ」
あんだけ軽いノリだった目の前の生き物が威厳のある声を出す。
「それと・・・今度は不倫されるなよ」
やっぱ軽いわ。
「お前。」
「なんだよ。せっかくかっこよくきめたのに」
余計な一言あったけどな。
「お前は何者だ」
せっかくだから最後に聞いておく。
「何者・・・か」
そいつは独特の間を開けて言った。
「神だよ」
その瞬間、光が目の前に広がった。
次からは元妻の視点となります。