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影蟲  作者: 童慈
世界に生まれし虫
6/11

とある冒険者の非日常2

 〜冒険者ギルド〜

 

 「ハァ…ハァ。」

 

 あの後、俺は急いで影の森から逃げた。


 (奴は俺の事に気づいていた。気づいていたが見逃した。)


 あの魔蟲種は、俺の事に気づいていたが何故か見逃した。


 (理由はともかく、まずは報告だ。)


 「アレナさん。」

 「あっ、レキさん。戻ってきてたんですね。」

 「依頼の魔物ですが、報告したいことがありまして。」

 「わかりました。二階へ来てください。」

 

 アレナさんの後を追い二階にやってきた。

 

 「ギルドマスター入りますよ。」

「おう、入れ。」

 「失礼します。」


部屋に入るとそこには、強者の覇気を纏う偉丈夫がいた。

 

 「お前がアレナが目をかけているレキか?」

 「はい…俺がレキですが…何故ギルド長室に?」

 「それは私が副ギルドマスターだからですよ。レキさん。」

 「アレナさん副ギルドマスターだったんですか?!」

 「でも、何故副ギルドマスターのアレナさんが受付をしていたんですか?」

 「趣味です。」

 「趣味…ですか?」

 「おい、茶番はそこまでにして、報告してくれ。」

 「すいません。しかし、ギルドマスターに報告するほどの事なんですか?」

 「実はな、街から近い影の森の異常は緊急性が高いんだ。」


 俺はいったん息を整え、心を落ち着かせた。

 

 そして森で見たことを全て話した。

 

 「フォレストベアを瞬殺し、魔法を使う魔蟲種か…」


森で見た奴は魔蟲種としては、明らかに異常だった。

 何より奴からは知性を感じた。ありえないことだ。本来虫が魔力で魔物になったからと言っても、虫としての本質は変わらないのが普通だ。


 「ギルドマスター。」

 「なんだ?」

 「俺の感じたことなんですが、奴には知性があるように感じました。」

「魔蟲に知性が?」

 

 俺はただうなずいた。


 「そうなると最低Cーランク以上の依頼になるな。」

 「しかし、ギルドマスター何故奴は俺を見逃したんでしょうか?」

 「そう言われてみれば、何故だろうな。」

 「討伐するかどうかは、考えてからでも遅くないのでは?」

 

 俺はギルドマスターにそう言った。奴をかばう気はないが、アレとは戦いたくないとゆうのが俺の心情だ。

 

 「そうだな。一度蟲人(インセクター)の冒険者に頼むか。」


 蟲人、体に蟲の特徴を持つ人種だ。しかし俺は不思議に思った。


 「なぜ、蟲人なんですか?」

 「なんだお前知らないのか?蟲人はある程度だが魔蟲種と意思疎通ができるんだ。」

 「まあ、蟲人自体がそこまで多くないから、知らなくても無理はないか。」

 「とりあえず、この方針でいくか。それと奴と言うのは分かりづらいから何かあだ名をつけなきゃな〜」

 「ギルドマスター奴を見た俺が名付けて良いですか。」

 「いいぞ。むしろ助かる。」

 「では、《(シャドウ)》と言うのはどうでしょう。」

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