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チート無双など理想に過ぎない  作者: 叶井博徒
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プロローグ

目覚まし時計の音が聞こえてきて僕は目を覚ました。今日はまだ平日だから学校がある。

(はぁ〜、今日も学校に行かなくちゃいけないのかぁ〜。)

僕はそんなことを考えながら、布団から抜け出す。別段学校を登校拒否するほど嫌なわけではないが、それでも1日中授業を受けるのはとても苦痛である。勉強が嫌なわけではないが、単純に勉強は1人でやった方がはかどるし、授業を受ける暇があったら、自分で勉強した方がマシである。そんなことを思いながら僕は学校の準備を整え、家を出発した。

「あ」家を出るとある少女と遭遇した。

「なんでいるの?」と僕は思わず聞いてしまった。その少女は僕の質問に対してめんどくさそうな顔をして、

「学校に行くからに決まってるでしょ」と答えた。彼女は津ノ田花蓮。ポニーテールに纏めた茶髪に少し幼さの残った顔立ちをしている。胸はそんなにでかくない。まぁ、美人の部類に入るのだろう。彼女とは家が隣同士というのもあって小学校の頃からよく一緒に遊んだりしていたが、最近じゃ妙に僕に突っかかってくる。僕はその疑問を何度か考えたがもっともらしい答えには辿り着けなかった。ちなみに花蓮と僕は同じ学校に通っている。

「あー、そうか。じゃあ、一緒に行くか?」と僕は提案した。花蓮は僕の提案を聞くと、目を逸らしながら

「ま、まぁ、行く人もいなさそうだし、い、一緒に行ってあげるわよ」と言ってきた。こんな感じで週に1回の割合で一緒に学校に行ってる。1回鉢合わせした時にスルーして学校に行こうとしたら、めちゃくちゃキレられたことがある。あの時の花蓮はやばかった。なにがやばいか言い出せないくらいにやばかった。ていうかなんでキレてきたのか正直わからなかった。そんなこんなで僕たちは高校に着いた。僕たちの通っている高校は「私立輿改命高校」だ。別段頭のいい学校ではないが、頭が悪いわけでもない。まぁ、いわゆる普通ってやつだな。僕と花蓮は昨日あった小テストの手応えの話をしながら自分たちのクラスである2年E組に入った。しばらくすると担任が教室に入ってきて、HRを始め、それが終わると、教科担任が入ってきて授業が始まった。別段、特に変わりのない風景だった。それが起きたのは昼休みだった。僕は自分の席に座って、友人の一ノ瀬雄大と弁当を食っていた。

「晃樹は小テストの結果どうだった?」と一ノ瀬は僕にテストの結果を聞いてきた。

「満点」

「死ねや」率直過ぎてちょっと傷ついた。

「そういう一ノ瀬は?」

「お前の点数を聞いてお前に死ねと言った時点でお前より点数悪いのわかってるのに俺に聞くのか?」

僕は相手をするのが面倒になってきたので

「じゃあ、いいや」と言った瞬間だった。教室の床が急に光り始めた。そして、どこからともなく声が聞こえてきた。

「あー、テステス。みんな聞こえるかな?僕はシェアト!神だよ神!とても偉いんだよ!」と神を名乗るやつが語りかけてきた。

(え、なにこの面倒臭そうなやつ。しかもなんか胡散臭そうだし)と僕は思ったが、それは口には出さなかった。なぜなら、神を名乗るやつがとんでもないことを言ったからである。

「ということで自己紹介も済んだことだし、君達には異世界に転移してもらって異世界にいるわるーい奴らを倒してもらいまーす!」

それを聞いた瞬間のクラスメイトたちの反応は凄かった。驚く人、泣き始める人、喜ぶ人、そして、僕や一ノ瀬みたいに何がなんだがわかってない人など色とりどりだ。

「まぁまぁ、そんな東京オリンピックが決まった瞬間の日本人みたいに喜ばないでよ」と全くもって面白くなく、例えがクソ下手くそなことを神を名乗るアホが言ってきた。というかこの反応が全員喜んでいるように見えるなら病院に行った方がいいと思う。

「あ!ちなみに異世界では君達は結構強い方だからね?・・・そうだよね?」

(いや、知らねぇよ。なんでお前から質問してくるんだよ)

「まぁ、多分大丈夫だから。転移を始めるよー」と神を名乗る無能が言うと教室の床が目も開けられないぐらいに光り、その光が収まり目を開けると僕たちは知らない建物の中にいた。周りには白い服を来た人が円になって立っていた。

「は?」とクラスメイトのほとんどが思わず口にした。


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