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異世界魔刀士と七変化の眷属   作者: 来夢
第2章 インレスティア王国編
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第38話 インレスティア DE デート

―― シルバーノア・自室 ――


「明日市場に行って、この世界の物で、どれくらい地球の料理を再現出来そうか、見にいかないかい?」


以前、ザバル男爵の町、クロードに初めて入った時、フィーナが興味津々で町を眺めていたので、明日のお昼過ぎまでは空いていたので、いいタイミングだと思ったので買い物に誘ってみた。


「ん?デートなの?喜んで行くわよ」


「いやだから……デートでいいです……」


『でもフィーナはなんで、こんなにデートと言う言葉にこだわるんだ?聞きたいけど、怖くて聞けない』


あまりにも、フィーナがあまりにも満面の笑みをして喜んでいたので、違うと言えなかったチキン野郎だっ。


翌朝…………


朝目覚めて、いつものルーティンをこなすと、散歩がてらに歩いて市場へ出かけた。


フェルムが、馬車で送ると言おうとした所で、フィーナが、おもいっきり睨んでいたのを見て、直ぐに撤回した空気の読める?男である。


フィーナが、どうしてもと聞かないので、恥ずかしいけど手を繋いでいると、嬉しそうに鼻歌?ぽいもの鳴らしていた。


『この前のエスコートしてから、手を繋ぐの解禁になっちゃったよ……なんだか、どんどん進展していくけど、いいのか……でも、こんなに嬉しそうにしているのを見ていると断れないしな。勿論、嬉しいけど……ああ!もうどうしたらいいのか分かんない!』


嬉しそうに、はしゃいでいる横で、俺が何かと戦っていると、街の中心であるロータリーが見えてきた。


「へー!流石王都ね!馬車から見えたけどロータリーも大きくて広いわね」


「市場に着いて、どんな物か分からない場合は、フィーナに鑑定をお願いするよ」


「へへへ……了解よタクト」


フィーナは、楽しいそうにそう言うと、なんだか自分も楽しくなってきて、なんかデートぽっい、テンションになってくる。


一度立ち止まり、昨日、王子に貰った地図を見ながら市場の位置を確認すると、市場の方向へ歩きだした。


「どんな物が売ってるるのかな~。楽しみだな~」


フィーナは嬉しそうに、顔をニコニコさせながら、俺の手を引っ張る様に歩く……


「そんなに急がなくても、店は逃げないよ……」


「だってさ、時間が勿体無いんだもん。帰りには、何か食べて行こうよ」


「ああ、そうしようか?せっかくの、初デートなんだしね」


「あらタクト。分かってるわね」


フィーナは、テンションを更に上げ、楽しそうだった。


こうして、付き合いたてのカップルの様なデートが始まり、王都を歩きながら辺りを確認してみると、結構色々な店が立ち並んでいて、レストラン街、武器屋街、ファッション街、魔石や薬草など扱う店などが、街の中心のロータリーを基軸に区分けされている。


「へ~!この前も見て思ったけど、この世界の街は、きちんと住み分けされていているし、目的別に区画があるなんて、凄く参考になるよ」


「タクトってば、店に置いてある物より、そんな事が気になるなんて、目線が一般人とは違うわね」


「これから、ラッフェル島に町を作ろうとしてるんだから、気になるのは仕方がないんじゃないかな?それより地図を見ると市場はこっちの方向だよ」


市場街に差し掛かると、主婦層で市場は賑わっていた。商品を見ながら歩いていると、乳製品を扱う店があったので、とりあえず店に入り、物色する事にした。


「おっ!牛乳があるじゃないか。おっ、こっちには、バターとチーズもある」


「よしお姉さん。これを全部下さい」


「えっ全部ですか?」


「はい全部です」


店員は最初は戸惑っていたが、アイテムボックスから金貨を出して、代金を支払うと、慌てて袋に製品を詰めだすと同時に、片っ端からアイテムボックスに詰め込んでいった。


お店と言っても、露天なので大した量ではなかったが、それでも店員のお姉さんは、口を開いて呆けていた。


「ま・またのお越しを、お待ちしております」


「無理言って、ごめんよ。じゃ次行こうか」


そんな感じで、小さい露天の店を中心に、片っ端から買い物をして、アイテムボックスに詰めていった。小さい露天をわざわざ選んでいるのは、個人店を応援しようと思ったからである。


「収穫は大豆と、ハチミツとニンニクだよな……野菜と果物は、形や色に多少は変化があるものの、ほぼ地球と同じものあるし収獲ありだな」


「何いっているのタクト、あたりまえじゃない。話しをしていなかったっけ?」


「ん?」


ここで、初めて星の(ことわり)を知る……


「あのね、タクト。ここの食料にしても何にしても、地球にある物が、ここにあって当然なの?なぜか分かる?」


「いえ、全然わかりません」


「タクトにしては鈍いわね。地球もアノースも元はといえば、神様がお創りになられたのよ。地球に神様からの恵みとか言う言葉って無かったかしら?」


「勿論あったけど、それとこれがどう繋がっているのか、いまいち分からないや」


「いい?ここにある食料の元、つまり種は、神界にあった物が始まりよ。だから、鉱石や魔石などの資源は別として、品種改良して出来上がった物や、需要が無くて、絶滅した物ではない限り、地球と同じ物はあるはずよ」


「そうなのか?どおりで同じものがあると思ったよ。これで、色々な物が作れるよ」


店に、地球の物と遜色ない食材が、売られている事に感謝して、フィーナの手を握り、何度もありがとうと言った。


町を練り歩き人通りの少ない場所へと差し掛かると、どこの世界にでもいる、ガラの悪い、チンピラの様な連中に囲まれていた。


「よう、そこのおかしな格好した兄ちゃん!えらい羽振りがいいじゃね~か。しかも、女の方はえらい別嬪だな?腰にぶら提げている、アイテムボックスと、女を残してさっさと消えな」


「どこにでもいるんだな、こんなゴミ人間。おまえ達!自分の立場を分かって言っているんだろうな?」


「この人数を見て、何を言っているんだ貴様!」


「まだ、分からないのか?自分の実力も分かっていない、おバカなお前らなんか、右手一本で十分だよ」


「なんだと!!舐めやがって!!おまえら、後悔するほど痛めつけてやれ!」


代表格のいかつい兄ちゃんがそう言うと、相手はこちらの様子を窺っていたので、こちらも咄嗟に構えて、一気に縮地を使い殲滅しようとした。すると、またフィーナは悪い顔をしながら俺を手で止める。


「タクト、前回は意味が通じなかったから、汚名を挽回させて!」


『出たよ、いつもの悪い癖が!しかも汚名って……』


「分かったけど、程ほどに手加減しろよ」


「勿論よ。また来たよ。この時が!!」


フィーナは、手刀を構えて華麗に立ち回る……


「一つ、人の財布を 勝手に使い」


「二つ、不届き 不正三昧」


「三つ、醜い心の闇を 屠ってやろう この剣で」


『いや……剣使ってないよ……でも、ここで突っ込むと、また汚名を挽回させて!と言われるかもしれないから、黙っておく事にしよう』


こうして、フィーナは、次々と手刀で相手の意識を奪っていき、瞬く間に全員を失神させた。


「ふん!やはり口ほどでもないわね」


そう言うと、マジカル・スパイダーの糸で出来たロープで、次々と縛り拘束していった。


「よし!これでいいわね。私は衛兵を呼んでくるから、タクトは見張っていてね!」


そう言うと、フィーナは満足したのか、嬉しそうに衛兵を呼びにいった。


代表格のいかつい兄ちゃんが、目を覚ましたので脅しの為に敢えて汚い言葉で(なじ)る。


「女一人に、指一本触れらないなんて、おまえら、本当に情けないな。男をやめるか?」


「おまえ達何者だ?これでも、俺は元だがBランク冒険者だぞ!」


代表格のいかつい兄ちゃんは、Bランクが自慢だったようなので、心をへし折る。


「Bランクって、こんなに弱いのか?しかも、自分より弱い者しか狙わない、情けない野郎達だな!ギルド長に同情するよ」


「それにしたって、実力差があり過ぎて、訳が分かんねーよ!」


本当に、自分の立場が分かっていない様なので、仕方がなくギルドカードを見せる。


「仕方がない。ほれこれを見てみろ」


「ばっ・ばかな!プラチナカードにSランクだと!!」


「お前は、バカなのに目も悪いのか?もう一度、目を良く見開いて、よく見てみろよ」


「何だこれは!SSランクだと……」


「自分は、普段は優しいと自負しているが、弱者を力や権力で脅すような、おまえ達みたいなゴミ人間が大嫌いなんだ……次はちゃんとした、人間になっている事を祈ってるよ」


そう、塩対応すると、代表格のいかつい兄ちゃんは肩を落とす。


「タクト、お待たせ」


フィーナは、衛兵を連れて戻ってきて、強盗が縛られている方向を指差した。


「こいつらは、最近この辺りで強盗を働いていた、レッドドラゴンの連中じゃないか……お二方にお怪我がなくて、本当に良かったです」


「おまえら、そんな大層な名前で活動していたのか?おいお前!ドラゴンを語るのは100年早いよ!赤いトカゲ団とでも改名しておくんだな」


俺がそう言うと、フィーナはくすくす笑っている。


「相変わらず、タクトは、悪人に容赦ないわね!」


衛兵も、苦笑いしていた。


「それでは、ご協力感謝いたします。一応念の為、身分を証明出来る物を提示願います」


衛兵は、俺とフィーナのギルドカードを見ると、青ざめてカードを返してきた。


「こっ……これは、失礼いたしました。まさか、噂のタクト様とは露知らず、ご無礼をしました……それに、お会いできて光栄であります。それでは、私は任務がありますので、お先に失礼させて頂きます」


衛兵は敬礼すると強盗の縛られている所に行き「おい、ほら立つんだよ」と言い、全員をしょっ引いて行った。



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



レッドドラゴンのリーダーは、青ざめた衛兵に「あのー、すいません。ひとつ聞いても宜しいでしょうか?」と恐る恐る聞いた。


「なんだ、言ってみろ」


「いったい、あのお方は、何者なんですか?」


「なんだ、知らないのか?昨日現れた、飛空挺をお作りになった人だよ!なんでも古の竜を単独で倒し、史上初のSSランクになったお方だ。勇者様でさえ赤子同然に捻られたそうだ。これは実際に手合わせをした、我が騎士団長が仰っていた話だ。間違いではない」


レッドドラゴンのリーダーは、青ざめた表情になり、自分達の行動に後悔するのであった。


「俺達は、なんて人に喧嘩を仕掛けてしまったんだ」


「人は見かけによらないって事を、体現したようなお方だ。これに懲りて真人間になる事だな」


「はい。必ずそうします」



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



「フィーナは、何か欲しいものはないの?」


自分の目的の物ばかり買っていて申し訳ないので、フィーナにもなにか欲しいものが無いか聞いてみる。


「そうね、服やアクセサリーを自分で作りたいから、染料や素材が欲しいかも」


「よし、それじゃ探しに言って見ようか」


「タクト、気遣ってくれてありがとね」


「なにいいさ、欲しい物があったら何でも好きなだけ買えばいいさ」


「ふふふ……今日は一段と優しいのね」


「何を言ってるんだよ。フィーナには、いつも優しいつもりだよ」


そんな、甘い会話をしながら、素材の店が集まる通りに出ると、ひと際大きい看板が目に入った。


[素材屋 シンフォニー]


単品なら露天を選ぶが、色々な素材を集めるなら、在庫が豊富な大きな店の方が良いと判断し、その店に入る事にした。


「いらっしゃいませ。今日は、どの様な物をお探しでしょうか?」


店に入ると、かっぷくの良い、中年の店主が接客にやってきた。


「染料が欲しいのですが、在庫ってありますか?あるなら、少し見せて欲しいのですが」


そう言うと「ございますとも。さぁこちらへどうぞ」と、俺達を誘導しながら、奥へと歩いて行った。


「さぁ、こちらでございます」


店主は止まると、棚に置かれた染料が壷に入り、約50種類ほど並べられていて、どうやら、表示を見る限りでは量り売りのようだ。


「どうでしょうか?これでも、染料なら当店が、王都で一番種類が揃っていると自負しておりますが……」


「そうだな~。面倒だから、それなら壷ごと全部おくれ」


俺がそう言うと、フィーナも店主も、唖然とした表情をしていた。


「ちょっと、やり過ぎじゃない?少しは自重しなさいよ」


「いいんだよ。次いつ買えるか分からないから、後から後悔したくないんだよ。あの時買っておけば良かったとかね。それに、さっき店主が言ってたじゃない。種類は王都一番だって」


「そうね。じゃ買っちゃいましょうか?ふふふ……」


フィーナは、なんだか嬉しそうそうな顔をして、笑いながらそう言った。


「本当に、全部で宜しいのでしょうか?かなりの量になりますが?」


「心配いらないよ。アイテムボックスあるしね」


「それは、失礼いたしました。それでは会計を」


店主は、アイテムボックス持ちだと分かると、心配そうな顔から、満面の笑みに変わり、値段を結構表示よりも安く売ってくれた。


お金を支払うと、染料の入った壷を、片っ端からアイテムボックスに収納していき、全て収納が終わると、店主は商人とか、そう言う関係の職人と勘違いしたのか終始笑顔だ。


「またのお越しを、在庫を揃えてお待ちしております。今後とも、当店をどおかご贔屓に」


店主は、そうゴマを擦りながら送り出してくれた。


それからも素材を見ていると、天然のゴムが売っていたので、全て買いあさった。


「いや、あるもんだな。ゴムがあればこれからの、創作も少しは楽になるよ」


「あとは何が必要なの?」


「んープラスチックかな。そもそも石油が無いから、これだけは何ともならないけど、バイオマス燃料を開発するしかないから、時間と労力がね……」


「そうなんだ……まぁ石油の代わりに魔石があるからね。石油だけはいくら私でも都合をつける事はできないわ」


「まぁ、ゴムがあるなら、多少はものづくりに幅が出来るから、暫くはその線で開発してみるよ」

 

こうして、素材集めも終わり、調味料を見てみると、塩は白くなく、やはり少し茶色がかっていた。


昔実験で海水から、食塩を作るという事を、調べてやってみた事があるが、海水には、にがりという豆腐の製造に使われる、マグネシウムなどが含まれており、煮詰めながらろ過をしないと、純粋な塩化ナトリウム、つまり食塩にはならない。


やはりこのアノースでは、そう言った研究もなされず、取り敢えず使えたらいいと言う、地球で言う外国のような風習が根付いているみたいであり、それらの技術の発展の為に知恵を絞る必要があった。


非常に面倒だが、仕方がないので、塩は自分で再濾過する事に決めて大量購入し、粗挽きだが胡椒などを買い、後は酢など色々な調味料も大量に買い揃えて、今回の買い物を終える事にした。


「それじゃフィーナ。お腹も空いた事だから、ランチにでもしようか?」


「そうね。喉も渇いたし、丁度いい頃合ね」


こうして、レストラン街に行くと、昨日パンの作り方を教えた、パン工房付きのパン屋へと、差し掛かった。


「残念だけどあきらめよっか?」


「そうだね。仕方が無いわね」


そう、店は大変な賑わいを見せていて、入るのが困難と判断したので諦めて店を離れようとした。


すると、忙しく動き回る店主とすれ違うと、店主はこちらの存在に気が付いた。


「これは、タクト様ではありませんか!昨日はありがとうございました。おかげさまで、このとおり、大忙しで目が回る勢いです」


店主は、流れていた汗を、ハンカチで拭き取りながらそう言うと、嬉しそうな笑顔になっていた。


「それは、良かったです。教えた甲斐がありました」


「そう言えば、丁度お昼なので、焼きたてのパンなど、食べていかれませんか?もちろん、御代は結構ですので……」


忙しそうで、申し訳ないので断ると、店主とフィーナがどうしてもと言うので、外のテラスで、冷たいアイスティーと焼きたてのパン、それにパンに挟む肉や野菜など、色々と用意してくれたので、お言葉に甘え食事をさせてもらう事になった。


「タクト、マヨネーズ欲しいなー」


フィーナは、どうやらマヨラーになったみたいで、そう言うと、アイテムボックスからマヨネーズと、バターナイフを取り出し、満遍なく塗ってフィーナに手渡した。


「タクトは何度でも言うけど、優しいわね」


フィーナはそう言うと、笑顔で見つめてきたので、照れながら「お・男なら普通じゃないのかな……」と、言いつつ、自分のパンにもマヨネーズを塗った。


パンにレタスと、味付けしてある鶏肉を挟み、それを、サンドイッチの様にして食べると「マヨネーズ最高!」と言いながら、フィーナはとても美味しそうに食べていた。


タイミングが、良かったのか悪かったのか、店主が、パンの出来具合の評価を聞きに来たところ、マヨネーズの事を話したので、店主に聞かれてしまったようだ。


「どうか、私にもその奇妙なクリームを、是非ご試食させて下さい」


どうしてもと言って頭を下げられたので、仕方がなく、フィーナと同じ、サンドイッチを作り食べてもらう。


「なんて美味しいんだ!同じ材料を使ったパンとは思えない……」


店主は、潤んだ目をして、マヨネーズの作り方を教えてくれと、予想通り頼まれてしまった。


『こんなに味には敏感なのに、どうしてこの世界では、色々な物が研究や開発がされていないんだろう?やる気なら日本人と同様なのにな』


そう不思議に思いながら食事を終え、店主に礼を言いに行くと、店主にあるお願いをしてから店を出た。


そんな感じで、買い物デートを終えると、宿に戻って直ぐにフィーナに用事があると言って出かける事にする。


当然、フィーナは付いて来たそうであったが、誤魔化しつつも何とか許可が出た。フィーナは暇なので、テレビを見るそうだ。また変な知識を身につけないかが心配である。


フィーナと別れると、再び先ほどご馳走になったバン工房に再度訪れた。


「先ほどは、ありがとうございました」


「そう言ってもらうと嬉しいです。先ほど内緒で頼んだ、釜を貸してほしんですが、忙しいなら、諦めたほうが宜しいですか?」


「なにを言っているんですか!タクト様の、ご要望を断るなんて、神様が許したとしても、私が許しませんよ!どうぞ存分にお使い下さい!」


いちいち、大袈裟だなと思いつつも、感謝をしつつ作業に取り掛かる。


卵、重曹、小麦粉、バター、牛乳、砂糖、バニラエッセンスを味見しながら混ぜ合わせて行く。そう今回はフィーナに内緒でケーキを作る事にしたのである。


因みに、バニラエッセンスは、ラッフェル島で、フィーナが集めて来てくれた、花に含まれていた物を利用した。


こんな感じかな!じゃ型を5個作るとしよう「クリエイト」そうすると直径30cmの型が出来た。


「よし、それじゃ焼くとしようか」


釜の温度を、パンを焼くより少し低くして20分くらい焼く。


「お~!出来たぞ!いい匂いだ」


スポンジケーキが見事完成していて、小躍りしそうなぐらい歓喜をする。


次は、生クリームを作り、苺をカットして、スポンジケーキを半分の所に並べていく。最後に生クリームを全体的に塗り、フルーツをケーキの上に並べると、フルーツケーキが5ホール出来た。


場所を無料で貸してもらうのは、気が引けたので、店主に先ほど頼まれて約束をした、マヨネーズの作り方を教えた。


「本当にありがとうございます。それにしても、その泡だて器は素晴らしいですな」


どうやらこの世界には、泡だて器はないらしく、箸のような物を利用しているみたいであった。


効率が悪そうだったので、泡だて器を3個創作し、後日でもいいので、この地の鍛冶職人に同じものを量産して貰い、売り出してもらう事を条件にプレゼントをすると大変喜ばれた。


それが終わると、おやつと休憩がてらに、ケーキの試食を兼ねて、パン工房で働くみんなに食べてもらった。


すると、ある女性従業員は「なんて柔らかくて、そして甘く、甘美なのでしょう」と、感動しながら試食をし、女性スタッフの中には感極まって、涙を流す者までいた。


その後、店主が当然の様に、作り方を聞いてきたのだが、今から用事があるので、作り方とレシピを、後から教えると言う事で納得してもらい、王城で会議があるので急いで宿へ戻る。


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