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異世界魔刀士と七変化の眷属   作者: 来夢
第2章 インレスティア王国編
34/203

第33話 謁見と宴の始まり

―― 王都・貴族専用宿・トロイ ――


パン工房を出て…………


宿へと戻り、暫く部屋で休憩をすると、そろそろ約束の時間がやって来たので、王城に行く準備を始めた……


正装と言う事なので、アイテムボックスから、日本から持ってきたスーツを取り出し着替え始めた。


『良かった……タンスにしまう前に、クリーニングに出しておいて』


スーツ姿になるのは、面接以来久しぶりで、鏡の前で白いYシャツに、某ブランドのグレーのネクタイを締めると、ここが異世界だと忘れ、気が引き締まる思いがした。


一方フィーナは、ドレスを持っていなかったので新しくドレスを創作(クリエイト)した。


新品の白いドレスに、黄色いコサージュを髪に飾り、着替えた姿はどこかの国のお姫様の様だった。


『おいおいマジかよ。ベールがあったらそのまま結婚出来そうだよ』


二人とも、こうしていると、誰かの結婚式に呼ばれたみたいな、不思議な感覚ではあったが、改めて、フィーナの美しさに魅了されていた。


フィーナは、支度が終わるとスカートの両端を掴み、お辞儀をして「どうタクト。似合う?」と言って、評価を求めてきた。


「ああ。どこかの国のお姫様と言っても、誰も疑わないくらい美しく似合っているよ」


フィーナは、嬉はずかしそうに笑みを浮かべ「タクトありがとね。お世辞でもうれしいよ」と照れながら赤面していた。


『フィーナに、そう言われると、本当にどうにかなりそうなくらい、胸が締め付けられる……』


「それでは、お姫様。そろそろ行きますか」


「今日は、エスコート宜しくね」


そんな感じで照れ合っていると、「コンコン」と、ドアをノックする音が鳴る……


「私達は、準備が整いましたので、お先にロビーで待ちしております」


「分かった、直ぐに行くよ。それじゃいこうか?」


「そうね、私も準備できたわ」


照れながら、手を差し伸べると、フィーナは、差し伸べた手を満面の笑みで取り、二人は、お互いに照れながら部屋を出た。


ロビーに向かい、階段に差し掛かると、フェルムとアイラ、それにザバル男爵が待っていた。


階段を、エスコートしながら下りていくと、フェルムとアイラが、手を繋いでいる俺達の姿を見て、微笑ましい顔をして見ていた……


恥ずかしさのあまり下に俯くと、フィーナはサムズアップをし勝利宣言?をすると、なぜかザバル男爵を含め三人ともサムズアップで応えていた。


『さては、あの二人の入れ知恵なのか?まぁいいか。恥ずかしいけど、それよりも、嬉しさの方が勝っているから……』


こうして、ザバル男爵と再び合流するのであった。


「さて、準備も整った様ですし、そろそろ参りましょうか」


ザバル男爵の案内で宿を出ると、近くに見える王城が夕日に照らされ、馬車はトロイのロータリーに止まっていた。


さながら映画のワンシーンみたいであったので、フェルムにお願いして記念撮影をお願いした。


フェルムにスマホカメラの使い方を説明してから、階段を下りる。


「タクトにしては、気が利くじゃない?」


「そ・そうかな?」


撮影スポットに辿り着き、手を差し伸べると、フィーナはお姫様抱っこをせがむ。


雰囲気に流され、それを受け入れると、緊張しながらもフィーナを優しく抱き抱える。するとフィーナからとても良い匂いがして、幸せな気分に浸るのだが、フィーナが妖精である以上、どこかで冷静な自分が気持ちを抑える。


『決して結ばれないなんて、残酷だよ』


「それじゃ行きますよ1,2,3」


何の捻りもない掛け声と共に、スマホのフラッシュが連続で光る。


撮影が終わると、フェルムとアイラも同様に写真を撮ってやる事になり撮り終えると、二人も幸せそうな顔をしている。


『普通に生活をしてて、こんな幸せだと感じる事って、なかなか無いよな』


ちょっとした幸せを感じながら、フィーナより先に馬車に乗ると、エスコートをしながら、魔改造した王家の馬車に乗り込んだ。


今のこの状況を客観的に見てみると、まるで童話に出てくる主人公とヒロインみたいで、顔から火が出そうなくらい恥ずかしかった。


こうして夢のような時間が、瞬きをするように過ぎ去ると、馬車は静かに出発する。


「ねぇ。さっき撮った写真みたいなぁ」


先ほど撮った写真を見たいと全員が言うので、スマホのアルバムを開き、先ほどの写真を見てみる。


すると、フィーナはものすごく幸せそうな顔をして写っていたので、再び胸が引き裂かれる様な感覚を味わう。


「どう?いい写真ね。タクトは真顔だけどね。あまり嬉しく無かった?」


「馬鹿言うなよ。嬉しいに決まってるじゃないか。緊張し過ぎて笑顔を作り忘れただけだよ」


「そう?それならいいわ」


なんだか、胸の内を見透かされているようで、凄く申し訳ない気持ちになったが、嬉しい気持ちは人一倍あるのは嘘ではない。


「記念になるから、後から皆にプリントして渡すよ」


「うん。大切にするね」


こうして、フィーナと会話をしていると、ザバル男爵たちは微笑ましく、こちらの会話を聞いていて、気まずいので、話題を変える事にする。


「王城までここからどれくらいなんですか?」


「おおよそですが、15分もあれば着くでしょう。それにしても、皆さんよく正装がお似合いで。それで、王都はどうですか?」


流石ザバル男爵、いらぬ詮索をせずに話に乗ってくれて助かった。


それから王城へ着くまでの間、今日あった出来事を、ザバル男爵に軽く説明をした。


「それは、大変でしたね」


「ええ、大変でした」


「しかしながら、これで、この国の食文化が発展する事を考えるならなば、私といたしましては、喜ばしい限りですな。話の流れで行きますとそうですな、ではハンバーグも、タクト殿の名前を入てみてはどうですかな?」


返事をする前にフィーナが返事をする。


「それは良い考えね。これから、タクトが教えたり、考えた物については、タクトの名前を付ける事にしましょうよ!」


「それは、名案ですな」


「ちょっと待って下さい。確かに教えたのは私ですが、考えたのは、私の国の人であり、その功績を全て、私の功績にする事は出来ません」


「でもタクトが、今までがんばって、知識を身につけたから実現出来ているわけだし、魔法と融合して、道具とか開発したわけじゃないの。タクトがいなければ、出来ないわけでしょ?そこは賞賛されて、当たり前なんじゃないの?」


「そのとおりですよ。タクト様がいなければ、きっと、この世界には存在すらしなかったんですから……」


苦労して開発や研究した人に、申し訳なくなったが、押しに負けて認める事にした。


「……分かりました。認める事にします」


「そうこなくちゃね」


「良かった良かった」


と、皆が納得した所で、少し謁見時の作法や内容をザバル男爵から教えてもらうと、王城の門に辿り着いた様で、馬車は城の門で止まる。


「さぁ着きましたぞ。ここからは歩きなので、さぁ降りて参りましょう」


城の執事さんが、馬車のドアを開けると、ザバル男爵がまず降り、男性陣から馬車を降りた。


「さぁ、お姫様。参りましょうか」


と、雰囲気を出してフィーナに言うと、少し照れているフィーナをエスコートをして馬車から降りた。


すぐさま、腕組をしてくるフィーナを横にし、照れ隠しのため王城を間近に見ると、ヨーロッパにある城と酷似している事に驚いた。


壁が剥がれている所を見ると、構造はレンガを積み上げ作られた物で、モルタルかどうかは分からないが、繋ぎ目に施工されており、仕上げはコンクリートが塗られていた。


跳ね橋から王城に入ると、騎士や兵士の詰め所?があり、兵士達は、こちらを見て敬礼している。


「なんだか、貴族になったみたいだね」


そうアイラが言うと、サバル男爵は「皆さんは、お客様ですからな」と言った。


王城内に入ろうとすると、つい先程まで一緒にいた、ゴルさんが出迎えてくれた。


「皆様、お待ちしておりました。本日は私が護衛として任されました。タクト殿とフィーナ様に、指一本触れられなかった私が、護衛など恐れ多いのですが、何分これも任務ですので、我慢して頂けると助かります」


ゴルさんはそう言うと、お辞儀をし案内し始めた。


一直線に伸びる回廊を歩いて行くと、螺旋階段が見えてきて、そこには当然の様に、どこの城でもありそうな肖像画が飾られていた。


「この肖像画は、この国を立国された、初代王のロンフォード1世の肖像画になります。現在は第12代王 ロンフォード12世となられております」


そう説明されながら、螺旋階段を上がって行く。


階段をフィーナと手を繋ぎ、上っていくと、また直線に伸びる回廊があり、その先に大きな扉が見えた。


「では、私はタクト殿が到着した事を報告して参りますので、この控えの間でお待ちください」


ゴルさんは先に行き、控えの間に通されると、ネクタイが曲がっていないかなどの、エチケットチェックをする。


それから数分間待っていると、ゴルさんが戻ってきた。


「それでは皆さんお待たせいたしました」


ゴルさんは、改まってそう言うと、控えの間からもう一度、先ほどのメイン通路に出た。


ゴルさんが先頭を歩き、謁見室の大きな扉が「ギーィ」と音を立てながら開く。


「タクト様ご御一行、おなーりー」


と聞こえたので、ずっこけそうになったが、脳内変換であろうか。まさか御成でくるとは、思いもしなかったので、少し笑えたが我慢し、笑える気持ちを押し殺した。


謁見室に入ると、金の細工が施されている、いかにも玉座と言う感じの椅子が置いてあり、レッドカーペットを歩いていくと、先頭を歩くザバル男爵とゴルさんが一旦止まり、横に逸れたので、事前にザバル男爵に、教えられていたとおりの位置へと移動をする。


俺たち全員は、教えられたとおり、片ひざを付き頭を垂れる。


宰相らしき人物が、定位置についた事を確認すると、国王陛下を始めとし王族が入場し、国王陛下と王妃は、玉座に腰掛けたようであった。


「それでは、ただ今より謁見の儀を行う。本日の謁見者タクト殿前に」


ザバル男爵に、事前に作法を聞いていたとおり「はい」と歯切れよく返事をして、3歩前に出た。


「国王陛下。本日はご多忙の中、急な謁見にご配慮して頂き、真に感謝しております」


国王陛下の目をしっかりと見て、胸に手を当てフェルムがやっていた、貴族風の挨拶を行うと、国王陛下は「うむ。苦しゅうない。他の者も面を上げよ」と言った。


国王陛下は、全員の顔を見渡すと肘掛に手を置き、ゆっくりと喋り始めた。


「さて、まずタクトと申すか。この度は、我が息子及び兵士を救ってくれて、礼を言わさせてもらう」


「いいえ、当然の事をした次第でございます」


「お主は謙虚よのう。好感が持てる」


「そう言って頂いて、ありがたき幸せ」


「うむ。褒美を取らせようと思うのじゃが、王子であるカイルがそなたの作った、あっと、驚く物を見てからにしてほしいと言うので、それを見てから決めようと思うのだが、いかがであろうか?」


「かしこまりました。カイル王子がそう仰るのであれば、それに従いましょう」


「そうか。それでは本日は歓迎の宴の用意をしておる。十分に堪能していかれよ」


「お心遣いに感謝いたします」


そう答え、儀式を終えると、緊張したまま再び3歩下がる。


「それでは、謁見の儀はこれまでとする!」


宰相がそう言うとm執事さんが傍に寄ってきて「では、こちらに控えの間がございますので、準備が整うまでお待ち下さい」と、告げた。


それから謁見の間から退場し、控えの間へと移動をすると、一気に緊張が解れ大きく深呼吸をした。


「それにしても、素晴らしい謁見でしたぞ」


「そう言ってもらえると助かります。何分この様な経験初めてで、なにか粗相がないか、心配だったのですが……」


「いや、その若さで、あれだけの対応感服しました」


アルバイトの面接などで、一応は慣れているつもりではあったが、流石に一国の王様となると、かなり緊張したのか、用意されていたお茶を一気に飲み干し、尿意などは無かったのだが、落ち着く為に、トイレでこっそり顔を洗う事にした。


トイレの場所は、突き当たりと言う説明を、受けたばかりだったので、一人で行く事にして、廊下をゆっくりと城の造りを堪能しながら向かって行く。


すると、廊下の曲がり角から、子供が走ってきていたらしくて、上を向いて歩いていた俺は、判断が遅れてしまい子供と衝突してしまった。


足元を確認すると、当然の事ながら、子供だけが転倒していたので、起こそうとすると、女性が2人こっちに向かって駆け寄って来た。


「だから、走っちゃ危ないって、言ったじゃない!」


先ほど、カイル王子と一緒にいた、女性が子供を注意すると、ピンク色の髪の色をした、かわいらしい女性が子供に手を差し伸べ子供を起こす。


「ちゃんと、お兄さんに謝りなさい」


子供は泣きはしなかったが、目に涙を溜めて「ごめんなさい」と言って頭を下げた。


子供の目線にしゃがみ「いいよ。それより怪我はなかったかい?」と聞くと、子供は「うん。大丈夫」と言って少し笑みを浮かべた。


「いいものをあげるから、お姉さん達の言う事を、ちゃんと聞くんだよ」


そう言うと、アイテムボックスから飴を取り出し、子供に手渡した。


その一部始終を見ていた二人にも、何か悪い気がしたので飴をあげると、個別梱包をされていた飴を見るのは初めてなのか、不思議そうな顔をしていたので、見本で封を開け、食べ方の見本を見せた。


子供は、飴を口に入れると「甘酸っぱくておいしい」と言うと、二人も食べたのか顔が綻んでいた。


「こちらが悪いのに、こんな事までして頂いて、ありがとうございます」


「このお菓子は、初めて食べました。非常に美味しゅうございます。ありがとうございます」


二人は嬉しそうにして、少し顔を赤らめる。


「では、後ほど改めて……」


「お兄ちゃんありがとう」


と子供は手を振りながら、女性二人と一緒に部屋に戻って行った。


何だか、緊張も解れてしまい、トイレに行く事も、どっちでも良くなってしまったので、控え室に戻る事にした。


控え室に戻り、しばらくすると「皆様、準備が整いましたので、会場へ案内させて頂きます」とメイドさんが呼びに来た。


メイドさんに案内をされて、会場に到着して、開かれたドアをくぐると、大広間に円形のテーブルが何個も並べられていて、そこには料理や飲み物が、まるで結婚式の披露宴の様な感じで並べられていた。


「これは、凄く豪華ですね」


「まぁ、タクトの料理を食べている、私達の口に合うかどうか、分からないけどね」


そんな感じで話していると、カイル王子と先ほど廊下で鉢合わせた、若い女性と一緒に近くにやってきた。


「タクト殿、先ほどは声を掛けられず、すまなかった」


王子がそう言うと、後ろにいた女性が、王子の服をクイクイと引っ張る。


「お――、そうだった。紹介しよう。これは私の妹のアンジェだ」


「もう、お兄様ったら、私を目の前にして、()()扱いは酷くはありませんか?」


「すまん、すまん」


王女は、オレンジ色のドレスのスカートを、摘んで挨拶をする。


「改めて申し遅れました。私は、この国の王女アンジェと申します。以後お見知りおきを。それと兄を助けて頂いて、ありがとうございます」


「礼には及びませんよ。それに、先ほどはどうも申し訳ありませんでした。あの後ぶつかった子は、お怪我などされてはいなかったですか?」


「ええ。あのお菓子を頂いてから、元気を取り戻し、また懲りずに走り回っていましたわ」


アンジェ王女は、口にこぶしを当てて、可愛らしくそう答えた。


「なんだ、二人は何処かで会っていたのか?」


「ええ。従兄弟のシェルが悪さをして、走って逃げた所、廊下でタクト様とぶつかってね。その時お会いしたのよ」


「なんだ、そうだったのか。それでは、私が改めて紹介しよう。こちらが命の恩人のタクト殿で、こちらがフィーナ様。そして、こちらがフェルム殿で、こちらはフェルム殿の婚約者でもあるアイラ殿だ」


「ただいま、紹介に預かったタクトと申します。改めて、以後お見知りおきを」


それぞれ、簡単に自己紹介が終わると「今日は宴だ。遠慮はいらぬ、ゆっくり楽しんでくれ」そう言うと、王族は多忙であるのか二人は戻っていった。


すると「何よタクト。王女といつのまに知り合ったのよ?」フィーナは、不機嫌そうにそう聞いてきた。


「謁見が終わった後、トイレに行っただろ?その時、さっき話していたとおり、子供とぶつかっちゃってね。その時偶然にね。それ以上でもそれ以下でもないよ」


そう弁明をしていると、タイミング悪く、今度はザバル男爵が、先ほどのピンクの髪のかわいらしい娘を連れて俺の前にやってきた。


「タクト殿。娘を紹介させてくれ」


ザバル男爵の娘は、水色のドレスのスカートを摘んで挨拶をする。


「私は、ザバル男爵が娘。セリスと言います。以後お見知りおきを」


「私は、タクトと申します。以後お見知りおきを」


「タクト様の話しは、お父様から伺っています。なんでも学校を作られるとか?その知識が、もしこの王国より優れているならば、喜んでタクト様の学校へ編入しようと思います」


「その時は宜しく頼むよ」


ザバル男爵の娘のセリスは、先ほどの事に触れず、どうやらタイミング的に、フィーナの会話が聞こえていたのか、黙ってていてくれて助かったと心の中で感謝をした。


そんな感じで全員の挨拶が終わると。勇者の仲間が帰って来たのか、宴に姿を現して、こちらの姿を見ると近くに寄ってきた。


「タクト様。なぜ私達より帰りが早いのか、理解に苦しみますが、再開出来てなによりです」


「皆さんも、無事でなによりです」


「それにしても、この前はアルムが連れ去られたと聞いて動揺してしまい、何のお礼も出来ないまま去ってしまいました。助けて頂いたのに不躾で、申し訳ございませんでした」


「こちらこそ、挨拶が遅れて申し訳ないです」


「あなた方の事は、もう既に存じ上げています。それでは順に、こちらの紹介をさせて頂きますね」


「まずは、私はローラと申します。もうご存知だと思いますが、勇者の仲間で魔法使いをやっています。因みに魔族です。今後も宜しくお願いします」


ローラさんは胸に手を当てて挨拶をすると、次の紹介も引き続きローラさんがするようである。


「そしてこちらが、獣人族の戦士シェールです。あまり喋るのが得意ではないので、私が代わりに、紹介いたしますが、お気を悪くなさいません様にお願いします」


シェールさんは、喋りはしないものの、胸に手を当てて頭を下げた。


「そして最後になりますが、エルフ族のラルーラです。超絶人見知りなんですが、今では珍しい純血のエルフです」


「ラルーラです。助けてくれてありがとうございました。以後お見知りおきを」


ラルーラさんは、余分なことを言うなとばかりに、ローラさんのお腹めがけて肘鉄をくらわして、胸に手を当てて頭を下げた。


ラルーラさんは、希少種である純血のエルフらしく、流石エルフ、イメージどおり容姿はとても美しかった。


アニメやゲームの設定とは違うのは、貧乳では無く、それどころか、しっかりと胸の膨らみがあり、胸元が強調されたドレスを身に纏っていた。


『人見知りだと言う割には、やけに露出度が高いな。目の保養になったよって、親父かよ!』


自分で一人ボケ突っ込みをしていると、目線でばれたのか、ローラさんは苦笑いをしていた。


『は・恥ずかしい……』


「それでは、これで紹介は終わりますね。王家の方々に、まだ挨拶をしていないので、お相手は、いずれとまたと言う事でお願いしてもいいでしょうか?」


「ご紹介していただいて、ありがとうございます。非常に残念ですが、それでは、仕方がありませんね。お話は次の機会にでも……」


「そう言って頂けると助かります。それでは後ほど……」


「流石勇者一行ね!やっぱり貴族と違って好感持てるわ。それにしても、敵は王女とザバル男爵の娘ね。なんだか、タクトに興味ありそうな顔してたし」


今だに、フィーナの敵認定システムは分からないが、そう言うと、なんだかオーラの様なモノが、身を包んでいた。


しばらく経つと、上座に王、王妃、王子、王女、宰相が現れ、挨拶を始める。


「皆の者!よくぞ集まってくれた。今宵は、王子を救ってくれた、タクト殿ご一行の歓迎を兼ねて、宴を設けさせてもらった。それでは、思う存分飲み食いし、英気を養おうではないか!では始めるとしよう」


国王陛下がそう言うと、音楽が流れ始め宴が始まった。


俺達は飲み食いし始めようと、食器を持ってテーブルに行こうとすると、瞬く間に貴族の女性にに囲まれたが、なんとかいい訳をしその場を切り抜けた。


「すまないフィーナ。こんなに地位も何にもない俺達に、群がってくるなんて、想像もつかなかったよ」


「やはり、王子と王女が、わざわざ挨拶に来ていたのが原因かしら?」


「フィーナは嫌な思いしなかったかい?」


「あら、本当の事を言ってやったわ。私には、タクトがいるから無理ですって。そしたら蜘蛛の子を散らす様にどこかへ行ったわ」


俺は苦笑いして、その場を誤魔化した。


『心臓に悪い妖精だよまったく……今は結婚願望ないけど、こりゃ一生結婚?いや、恋愛すら出来そうにもないな……まぁフィーナ以上の女性が現れるのは、皆無に近いと思うが、一度死んだ身だ、我慢しよう』


そう思いながらも、宴はまだ続いていくのであった。


超簡単な(手抜き)人物照会 ※初期設定

見た目と特徴のみです。


国王ロンフォード12世

年齢50代前半 身長 175cm 白髪(肩くらい)  青色い目 (威厳があり包容力があるイメージ)

特徴

気さくで良く気が回る


王妃 バーバラ フォン ロンフォード

年齢40代中半 身長 160cm 黒髪ロング  青色い目 淑女なイメージ

特徴

物静かなタイプ


王女 アンジェ フォン ロンフォード お姫様なイメージ(そのまま)

年齢は16歳 身長 165cm 金髪ロング 青色い目

特徴

活発で決めたら曲げないタイプ(フィーナによく似ている)


セリス・フォン・ザバル(ザバル男爵の娘)

年齢は16歳 身長 155cm ピンクのセミロング 茶色い目 (おしとやかなイメージ)

特徴

おとなしいのだが、主張は必ずする。アンジェの学友で、親友なのだが、アンジェの事を姉の様に思っている。口癖は(アンジェだけズルいです)


ローラ(魔法使い)魔族

年齢は17歳 身長 160cm 栗色のセミロング 茶色い目(しっかり者のイメージ)

特徴

勇者の仲間の中では一番の常識人。しっかり者なのだが、実は明るく、お調子者。


シェール(戦士)獣人族(熊人間)

年齢は25歳 身長 185cm 黒色の髪(短髪熊耳有り) 茶色い目(無口なイメージ)

特徴

仲間でも月に一回位しか、しゃべった声を聞いた事がないらしい。


ラルーラ(槍使い)エルフ

年齢は95歳(見た目20歳)身長 165cm 白金のセミロング緑色の目(冷たい美人なイメージ)

特徴

超絶人見知り。慣れてくると結構しゃべる。 



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