第21話 閑話 フィーナとフェルム
―― フィーナの視点 ――
私とフェルムは、タクトが飛空挺を創作している間に迷宮に訪れていた。
目的は、現在フェルムが迷宮最下層に穴を掘り、魔力が増幅してしまっているのでその修正と島民の損失補填?をする為のモンスター狩りだ。
迷宮の入り口に到着をすると、1階層目から攻略を開始をするなど、時間の関係上でありえないのでフェルムに、ギルドカードの所持の有無を確認する。
「ねぇフェルム。あなたギルドカード持ってるの?」
私は階層を指定したかったので、フェルムに確認をした。
「ええ。取りあえず持っていますよ」
フェルムは懐からギルドカードを取り出すと、私に直接ギルドカードを手渡そうと差し出してきた。
「別に見たいわけじゃないから、何も渡さなくてもいいのに」
私は、別に内容を確認する為に、そう聞いた訳では無いので受け取りを首を振って拒否をした。
「いいえ。お二方には、隠し事をしたくないので」
フェルムは、優しい顔をしてそう言うと、私はフェルムは本当に信頼の於ける仲間なんだと、再認識した。
「ルドカードはフェルムが持っていて。私が持っていても、パーティ登録していないから機能として使い道ないしね」
「そうですか……それもそうですね。それでは何層目から行きますか?いきなり最下層に行く事も可能ですが?」
「これは、タクトには内緒なんだけど、迷宮のモンスターはそのまま排除をせずに置いておくわ」
フェルムは驚いた顔をしていたので、理由を説明する必要があると思い、話す事にした。
「迷宮をそのままにしておく理由はね、いずれ旅の仲間が増えた時に修練に使いたいからよ。フェルムは知っていると思うけど、モンスターが強くないと、スキルとかギルドランクを上げたい時に、モンスター探しに難儀すると思うのよ」
「なるほどです。確かに仰る意味は分かります」
「この迷宮は、他の迷宮だと50層クラスのモンスターが出るのよ?ここの迷宮はたった20層しかないし、しかも攻略済で道もあるんだから、仲間が増えれば有用だと思わない?」
「フィーナ様がそう言われるならそれで構いません。しかしながら、タクト様にバレては厄介じゃないですか?」
フェルムは、タクトの命令だったので躊躇してしまっている。そこで、私が責任を全て負うと言う条件を出す。
「そうね。その時は私に任せておいて。全責任は私が負うから。念の為に、入り口に立て札をここに立てて、閉鎖しましたと注意書きでも立てておくわ。それなら万が一、人が入って怪我や死ぬ事もないでしょ?
そう提案をすると、フェルムはようやく納得をしてくれた。
再び迷宮の外へ出ると、立て札看板を入り口に立てた。
《この迷宮は非常に強力なモンスターが出現する為ので閉鎖しました。文句がある方は迷宮管理人まで》
「よし!これで完璧ね!」
私は看板を立てると、出来上がりに満足したのだが、フェルムは苦笑いをして看板を見ていた。
「何よ。なんか文句でも言いたげね」
「いえ。文句じゃなくて、あまりにも一方的な文面じゃないかと、思ったものですから。それに迷宮管理人って誰ですか?」
「文面はこれくらい攻撃的で丁度いいのよ。迷宮管理人は、もち私よ」
フェルムは、仕方がないと言う感じで頷くと、迷宮の入り口にある転移の石碑に触れ、迷宮の最終層である20層へと転移した。目的は、フェルムの私物を回収する為である。
20層のボス部屋の石碑に出ると、フェルムは、洞窟の様な地下に通じる通路の途中に作ってあった、小さな小部屋へと入っていった。
私も、アイテムボックスにフェルムの荷物を収納する為に、一緒に部屋へと入る。
部屋に入ると、光の魔石が光り部屋を明るく照らした。
「へーこんな所で一人で暮らしていたんだ」
私は、部屋の中を一周見渡すと、そこにはベッドとタンスなど必要最低限の物しか置いてなく、部屋はフェルムらしく、綺麗に片付けられていた。
「ええ。約半年間ここに住んでいたので、結構住み慣れてきたところです」
フェルムは、苦笑いをしながらそう言った。
「まぁ、日の光は絶対無理だからね。なんかジメジメして、私はここに住むのは勘弁だけどね」
「まぁ住めば都ですよ。私も最初はそう思いましたけどね」
「それにしても、食料っていうか、ごはんはどうやって調達していたの?」
「肉はモンスターを狩って手に入れて、野菜などは迷宮の外で菜園を作ったんで、そこから入手していましたよ」
フェルムが菜園を作り、野菜を作っている姿を想像してみると、笑いがこみ上げてきたが、なんとか堪えた。
「ある意味凄いわね。もう一人で十分生きていけるわよ」
「確かにそうですが、やはり一人だと寂しい事とかあるし、独り言ばかり言っては、空しくなる毎日ですよ」
「なるほどね」
「じゃ、ここで二人でお喋りしてても、時間が勿体無いから、ちゃちゃっと、アイテムボックスに荷物を収納しましょうか?」
「そうですね。分かりました」
フェルムはそう返事をすると、荷物を次々とアイテムボックスに詰めていく。すると5分にも満たない時間で後片付けは完了する。
「荷物が少ないから、やっぱり早かったわね」
「はい、空けた穴を埋めないのなら、今からどうしましょうか?今タクト様の所へ戻るにしては、早過ぎじゃありませんか?」
「そうね。実はこれもタクトには言っていないんだけど、マジカル・スパイダーを捕まえてテイムして欲しいのよ」
とある計画の為に、どうしても、マジカルスパイダーをフェルムにお願いして、テイムしてもらう必要があった。
「あのレアモンスターの、マジカル・スパイダーですか?この迷宮に存在していれば可能ですが、いるのですか?」
「じゃーん。これを見てみるがよい」
少し調子に乗りつつ、アイテムボックスから、この前GETした大量のマジカルスパイダーの糸を、これ見よがしに取り出した。
「凄い糸の量ですね。一体幾らで売れるのか想像もつきません」
フェルムは、糸をまじまじとみると、価値を知っているのか、そう言って感心を示す。
「あら、売るつもりはなくてよ。これで、好きなデザインで服を作りたいんだ」
「そう言う事ですか。なるほど了解です。フィーナ様のその願望を、必ずや叶えてみせましょう」
「フェルムならそう言ってくれると信じていたわ」
そう言うと、フェルムと私は、ドアから出て転移の石碑へと向かった。
洞窟を出ると「それにしても、この洞窟?はどうやって掘ったの?」と疑問が浮かんだんだのでフェルムにそう尋ねた。
「それは、ビックハンドモグと言うモンスターがいるんですが、そのモンスターをテイムして徐々に掘っていったんです」
後ろを振り返ると、再び洞窟内を見渡し「なるほどね。やっぱり便利よね。テイムが使えると」と感心をしつつ、転移の石碑へと向う。
「フェルム。取りあえず10階層目から、マジカルスパイダーを探索に行くわ」
そう指示を出すと、フェルムは不思議そうな顔をしていたが、無言で頷くと私達は10層のボス部屋へと転移の石碑から移動した。
ボス部屋へと入ると、ここで予想外の出来事が起こった。なんと、ボス部屋の扉が閉まり、魔法陣が現れベーヒーモスが顕現する。
『うそ~。この前倒したばかりだから、まだ復活してないと踏んでたのに~。やはり魔素量が半端ないわね!』
「フェルム!ベヒーモスを何とか出来ないの?あなたが連れてきたのでしょ?」
「私がテイムしたベヒーモスは、タクト様とフィーナ様が倒してしまったので、従属契約が無効となっています。再びテイムするしかありません」
「じゃ、とっととテイムしてよ」
「テイムするにも、眠らせて、あの額にある魔石に触れないと無理なんです」
「あー。そうだったわね。誰よそんなルール作ったの?」
「それは、あなたたち神様でしょ」
フェルムは、焦りながらも、そう呆れた顔をしてそう言ったのだが、少なくとも私は、この件には関わっていない……
私は死ぬことはないが、フェルムを怪我をさせるわけにはいかないので「プロテクション・シールド」と詠唱をする。すると、以前と同じ、二人に薄っすらと緑色のオーラが纏われた。
「これで、死ぬ事はないわ。タクトと同じくあの足を切ってバランスを崩して魔石を狙える位置に持っていくわ。私が右の足を狙うから、フェルムは左の足を狙って」
「了解しました。しかし、あの太い足を切断出来るでしょうか?」
「そのハルバートは神器よ、雷の魔法を纏って、狙いを絞りなさい」
「そうでした。了解です」
そうアドバイス?を伝えると、アイテムボックスから、こっそり刀を借り、魔力を流し風の魔法を纏わせた。
居合いも縮地も出来ないけど、見よう見まねで、刀を後ろに引き半身の構えを取り、ベヒーモスが、こっちに向かって突進してくるタイミングを見計らった。
もちろん、これは、タクトが以前やった、カウンター攻撃を真似する物ではあるが、考えてみれば実に理論にかなった方法である。
「フェルム、もうそろそろこっちに向かってくるわ。私が合図したら、構わずに自分のペースでベヒーモスの足を狙って」
「理由はよく分かりませんが、了解です」
フェルムは、そう言うと、ベヒーモスの動きを観察する様に顔を向けた。
ベヒーモスは後ろ足で闘牛の牛の様に、地面を数回かく。
すると「グモゥー!!」と咆哮を上げ突進をし始めた。
「フェルム!今よ!」
私は、そう言うと同時に刀を抜き、ベヒーモスの足を斬る。
「ザッ ギーーン」
すると、タクトと同様に風を纏わせた刀から、ウインドカッターも同時に放たれて、見事ベヒーモスの足の切断をした。
フェルムも遅れながらも、翼を使い飛んだ様でハルバートを思いっきり振ると、ハルバートから電撃が発生し、ベヒーモスの体全体を電撃がほどばしった。
こうして結果見ると、タクトの創った神器は、凄まじい威力を発揮し、電撃と斬撃でベヒーモスの両足を切断する事に成功した。
「フェルム今よ、飛んでるついでに魔石も破壊して止めを刺すのよ!ちょっと!!聞いてる!?」
フェルムはハルバート<ライジン>のその威力に呆然としていたので、目を覚ます様に大声で叫んだ。
「あっ。了解です」
フェルムは、ようやく自分を取り戻し、空を飛び、ベヒーモスの頭上まで行くと、無言で魔石を狙いハルバートを振り下ろし止めを刺した。
「はぁー、終わったわね」
私は、ベヒーモスが光の粒になるのを見届けると、胸を撫で下ろし安堵した。
フェルムも上空からゆっくり降りてきて、ハルバートの威力に感嘆しているのか、感触を確かめるように何度もライジンを握り直していた。
「フィーナ様、力添えありがとうございました。それにしても、この神器の威力が凄まじ過ぎて、未だにその威力が信じられません」
フェルムはしつこいくらい、何度もライジンを見ては目を輝かせていた。
「オリハルコンで出来た神器だからね。当然と言えば当然だけど、人間相手には手に余るわね」
「そうですね。人間相手だと瞬殺でしょうから、使用制限しなきゃですよね」
「それより、今度はなんのお宝かしら?楽しみだわ」
そう言って、アイテムを確認しに行くと、大きな風の魔石と、アイテムボックスであろうか?袋が落ちていた。
「これは、まさしくアイテムボックス。商人に売れば贅沢しなければ、一生暮らしていける金額になるじゃありませんか」
「まぁ、私とタクトは持ってるし、二人ともお金にも興味ないしね。タクトにはうまく言っておくから、フェルムが貰っておけばいいわ」
「でも、私には、ここの住民に支払うお金が必要です。補填に使うべきだと思いますが」
「そんなのどうにでもなるわ。なんなら私が払うから、フェルムはそのお礼として、マジカル・スパイダーをテイムしてくれれば、お互いチャラじゃないの?」
「本当にいいんですか?そうとうな価値がありますよ」
「私が、いいと言っているからいいのよ」
「しかしタクト様が……」
「じゃ、タクトに聞いて、いいと言ったらそうしなさいよ」
「分かりました。それなら納得出来そうです」
「それじゃ、マジカルスパイダーのテイムに早速行きましょ」
「そうですね、それよりもうお昼ですが、幸いにしてこの階層はモンスターは襲って来ません。お昼にしませんか?」
「そうね。テンションが上がり過ぎて、すっかり忘れていたわ。じゃフェルム宜しくお願いするわ」
「了解です。早速用意いたしますので、お待ちください」
そうフェルムは答えると、タクトに貸してもらったアイテムボックスから、魔道コンロと、肉とパンを取り出し肉を焼き始めた。
「やっぱり肉よね。いい匂いがしてきたわ」
私はいつのまにか、バーベキューのせいで肉好きになっていた。これもタクトの作る肉料理が、あまりにも美味しいがらだと認識している。
「さあ、出来ました。暖かいうちに食べましょう」
フェルムは、皿の上に肉とパンを差し出してきたので、それを受け取ると、まず肉を口に運んだ。
「フェルム~。これ美味しくないよ~」
いつのまにか、タクトの調理に慣れていた、私とフェルムは、あまりにも味の違いに絶望した。
「確かに……もう既にタクト様の料理を口にしたせいで、私達は舌が肥えてしまっている様です。これでは納得出来ませんよね」
フェルムも、作った自分に落胆してそう残念そうに答えた。
私は、このままじゃいけないと思い、どうしたら良いのか考えていると、フェルムが腰にぶら下げている、アイテムボックスが目に入り名案?が浮かび上がった。
「そうだ。アイテムボックスから、味付け塩コショウとパンを取り出して使いましょ。どうせ、タクトもお弁当を持っていくか聞いてきた事だし、もし何かあったら、私が責任を持つから大丈夫よ」
「そうですね。このままだと、二人ともお腹が空いて力が入らなくなってしまうから、そちらの方が深刻な問題ですね」
「よし、決まったわね。それじゃ、私が出すから待っててね」
そう答えると、味付け塩コショウとパンを取り出しフェルムに手渡す。フェルムは、再度フライパンの上に肉を乗せ、味付け塩コショウを、軽く全体的に振りかけると調理が終わった。
「フィーナ様。出来ました」
「フェルム。試しに味見しなさいよ」
「了解です。それではいただきます」
フェルムは、肉を一口サイズに切り、一気に口に運ぶと徐々に美味しそうな顔になり「フィーナ様。タクト様の味には、ほど遠いですが、かなり美味しくなりました」と満足げにそう言った。
私もその言葉を信用して、再び肉を口に入れ頬張る。
「確かにタクトの作ったやつには負けるけど、今回は、美味しく出来ているわ。それにしても調味料ひとつでここまで味が変わるなんて、まさに魔法のスパイスだわ」
「はい、地球と言う星は恐るべしですね。この味を簡単に忘れられなくしたんですから」
「そうね。もうこれ無しじゃ私たちは、生きていけないかも知れないわね」
肉を食べながら、味付け塩コショウの、パッケージを見つめながらそう言うと、フェルムもその意見に同意して食事を進め食べ終わった。
「フィーナ様」
「なに?」
「ベヒーモスをテイムしなくてよかったのでしょうか?」
「ええ。最初はそう思ったけど、いざ戦ってみたら、そんなにたいしたことなかったからね。それにこれは結果論だけど、倒したときに出るアイテムが素晴らしいわ」
「そっ、それはそうですけど。S級モンスターをたいしたことないと言えるお二方は、魔人である私から見ても、やはり人外ですね」
「そうね。タクトには申し訳ないけど、私たちには神様がついているから、その認識は正しいわ」
「それはそうと、フィーナ様。マジカル・スパイダーは何層目に出現したのですか?」
フェルムは、後片付けをしながら質問をしてきた。
「この上の11層目よ、今考えれば、なんで10層目に転移したのか、意味が分からないわ」
「それは、フィーナ様がこの10層っておしゃったのですから、私に問われても分かりません」
「そうだったっけ?まぁアイテムボックスも手に入ったんだから、良しとしましょう。それじゃマジカル・スパイダーをテイムしに行きますか」
そう言えば、フェルムに10層と言った事を思い出したので、バツが悪いのでここはこうでも言って誤魔化す事にした。
フェルムに、その心を見透かされたのか、苦笑いをしながら「ええ。そうしましょう」と言って立ち上がった。
こうして、11階層で前回マジカル・スパイダーと遭遇した付近を探索していると、案外簡単に見つかった。
しかも今回は、蜘蛛巣が張ってあり、なんと番でいるところに遭遇したのだ。
「なんたるラッキー!フェルム2匹ともテイム宜しく」
念願のマジカル・スパイダーと遭遇し、テンションがMAXとなると、フェルムにそう指示を出した。
フェルムは大きく頷くと、魔法を詠唱する。すると、マジカルスパイダーは動きを止め、眠りに落ちた。
フェルムは、マジカル・スパイダーに近づき触れると、もう一度魔法を詠唱すると、マジカル・スパイダーは目を覚まし、フェルムの前に、モンスターなりにだろうか?伏せた格好になった。
「フィーナ様テイムが完了いたしました。完全に従属をするには、名前が必要です。今すぐ従属なさいますか?」
フェルムは、私の依頼を達成して満足したのか、笑みを浮かべながらそう質問をしてきた。
「そうね。私にちょっとしたアイディアがあるから、今じゃなくて帰ってからお願いするわ。それまでは、適当に名前を付けていつでも呼び出せる様にしておいて頂戴」
私は名前を直ぐに思いついたのだが、タクトの反応を楽しみたいので、今は止めておく事にしてもらった。
『タクトの反応が楽しみだわ。絶対にごり押しするんだから』
「それにしても、フェルム。テイムするところ初めて見たけど、いつもあんな感じなの?」
「ええ。ベヒーモスやドラゴンといった、大型モンスターは眠りの魔法は効きませんが、中型のモンスターまでなら眠りの呪文が使えますから、それで眠らせて、従属魔法を唱えると言う感じです」
「大型のモンスターはどうするの?」
「大型モンスターに関して言えば、秘伝の薬がありまして、その薬を弓矢の鏃に塗り眠らせると言う感じです。大型のモンスターには魔石がありますからね。そちらに触れ、従属魔法を唱えると言う感じです」
「なるほどね。それでベヒーモスの時は、咄嗟に眠らせる事が出来なかったんだ」
「ええ。前ベヒーモスも従属していたんですが、お二方が倒してしまわれたもので。それに秘薬も今は在庫切れで、あの時は、魔石を破壊するか、魔石を破壊する前にテイムするしか方法がなかったんです」
「そうだったわね」
私は短くそう答え、納得したのであった。
こうして目的は達成され、満足した私は迷宮の木の下で時間がくるまで仮眠をとり、フェルムは賠償の為にモンスターを狩る事になった。
もちろん、私も手伝うと言ったのだが、フェルムはどうしても自分がやりたいとの事だったので、渋々許したのだが、別にサボりたくて仮眠している訳ではない。
「フィーナ様。起きて下さい」
それから数時間経ち。いつのまにか、眠りに落ちていた私をフェルムが起こす。
「もう、そんな時間なのね……」
時計を見ると、既に定刻を過ぎていたので、タクトの元へと戻る事になったのだった。
ちなみに、一日でモンスターを全て駆除など出来ないので、明日も迷宮にくる事となる。




