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異世界魔刀士と七変化の眷属   作者: 来夢
第6章 封印の祠編
202/203

第199話 転移の扉

―― シルバーノア・自室 ――


神界から戻ると攻略メンバーを呼んで、神界で神様と話した内容を伝えると、今後の封印の祠について話合う。


「なるほど。それじゃ今から転移をして、ゲールが陣取っていたポリフェアの封印を解きに行くか?」


「いや。そう慌てるな。どうせ今からインレスティア王国に戻ってから、ポリフィアに向うんだ。そのついでの方がいいだろう。まだ転移魔法についてオープンにしたわけではないからな」


「でも、もうそろそろ各国の王達には転移魔法を明かしてもいいんじゃないか?アイリーンさん駄目ですかね~」


「うーむ。各国の王だけなら良いかも知れぬ。でないと、今後何かがあっても助けに行けなくなる可能性もあるからな」


その後話し合った結果、各国の王と宰相にだけ転移魔法の事を明かす事にした。制限は設けるべきだと言う事で、王城や宮殿の行き来とバベルのみ転移可能な扉を設ける事に決まった。


これなら、イザとなったら王族は逃げる事は出来るし、各国の王が集まり会議もいつでも開催可能だ。バベルに扉を繋げるのも、今後会議はバベルの屋敷で開催すると決めてしまってもいいだろうと思ったからだ。


転移の扉については、女神の二人が担当する事になった。シルバーノアのカードがあれば扉は自由に使えるようにできるらしい。


話し合いは終え自室で寛いでいると、ふとモーリスの目的が気になったので女神の二人に聞いてみた。


「二人に聞きたい事があるんだけど、人間界を滅ぼすならなぜモーリスは、各国に戦いを仕掛けなかったたんだろう?」


「それはそうじゃろ。天使が人間界に攻めこんだとなれば、他世界の神達が集められ天使は永遠に無限牢獄に入れられる」


「無限牢獄って、例の白い部屋のこと?」


「そうよ。正式名称は無限牢獄と言うわ」


「でも、この世界の神様や、女神のお二人にバレているのに、ここで反乱を起こせば同じ事じゃないですか?実際動いている事だし」


「確かにそうじゃな。何かしらの目的と勝算があるのだろう。ワシも考えたが、リスクを犯してこの星を乗っ取って滅ぼしても、モーリスにメリットがあるとは思えない。ヤツの狙いが何んなのか、ワシにも見当がつかぬ」


それからも話は続いたが、モーリスの本当の目的には辿り着かなかった。何故か。いくら神の力を不正に手に入れても最高神の力の前では意味が無い。リスクの割にリターンが小さ過ぎる。俺の思い付かない何かってのが本当の目的なんだろう。そりゃわかるわけがない。


そんな訳で、その後は女神の二人と転移の扉の開発を行いそのままインレスティア王国の領土に入った。


転移魔法の事を話す前に、事前にファムリス王に連絡を取り、着替えて自室で一人でいるように話をすると「何の事かさっぱり分からないが言うとおりにしよう」と、答えが返ってきた。


ちなみに、ファムリス王国は今は午後22時だ。就寝前に申し訳ない。


王城に到着すると、インレスティア王と、ポリフィア女王、エルフの族長であるフォートさんが今や遅しと待っていたので、封印の祠のことから順番に転移魔法の事まで話をすると、3人とも驚いた顔をしてこちらを見る。


まずは実演とファムリスへ転移をしてファムリス王もここに連れて来る。一番驚いていたのはここに連れて来られたファムリス王だ。呆然としていて目線が虚ろだ。


「まさか、本当に転移魔法などがあるとは驚いた」


「転移魔法は、神のみぞ使える禁忌魔法じゃからな。知らなくても仕方があるまいて」


「それで、ワシ達にこの転移魔法を教えて何をするきなのか教えてはくれまいか?」


「それはですね、世界のどこかで堕天使や戦争が起こっても、今のままでは助けに行く事も出来ないし逃げる事も出来ません。ですから、この世界全ての王城の一角に、オリハルコンで囲まれた秘密の部屋を作り、女神の二人に魔道具として、ブランクの魔石に転移魔法を書き込んだ部屋を作る事にしました」


「それは、誰でも使う事が可能なのか?」


「それについては、シルバーノアのセキュリティーカードを流用したいと考えています」


「なるほど。つまり。心楽しく無い想定だが仮に王城が攻め落とされたとしても、オリハルコンで出来た部屋なら、誰も破壊すら出来ないし反撃も可能だというわけか。」


「ええ。その考えで合っています。そんな訳で、王城や宮殿の一室にVIPルームを作り、隠し扉か、地下にその部屋を作ると言うのはどうでしょうか?寝込みを襲われるのが一番危険ですから」


「あのVIPルームが私室になるなんて、歓迎です」


「そうだな。引き篭もりになりそうで怖くもあるがな」


こうして、話が終わると一度フィーナが転移魔法を見せた方が良いと言う事で、一度30分程度ではあるが、バベルを見せる事にした。


転移魔法を使って魔法陣が現れると、普通なら直ぐに消えてしまう魔法陣が、消えずに残っている事に驚いていた。


転移魔法が発動して、目の前が一瞬真っ白になり、次の瞬間、いきなりバベルの塔が目の前に現れると、各国の王達は驚きのあまり腰を抜かした。


バベルの門に続く階段を上がりながら、感想を聞いてみると、転移魔法も然る事ながら、バベルの塔の迫力にも驚いてとの事だった。


バベルに入るのには、登録が必要なので、その事を説明をしながら門へ向かうと、各国の王は立ち止まりきょとんとしている。


「資料の表紙にもなっていましたが、実物を見ると圧巻ですね」


「私も最初見た時はこの迫力に驚きましたよ、中に入ったら更に驚きましたけど……」


「まぁ、それは楽しみだ。また腰を抜かさない様に注意をしなくてはならないな」


ファムリス王がそう言うと、他の王達も苦笑いをしながら頷いた。


バベルの入り口で、女王陛下の登録を済ませてから。通路を進んで行って1階の内部に辿り着くと、各国の王達は、クロックの魔法と内部の広さに驚いていて、これも、神様のお創りになられた魔道具と、空間魔法による制御のお陰だと説明をすると妙に納得をしていた。


「流石は、神様がお創りになられた建造物ね。こんな事を言うと、バチが当たるかもしれませんが、自重が無いというか……何でもありって言うか……」


「まったく仰る通りですよ……私も最初に見た時は、同じ感想だったので、今の女王陛下の気持ちは、よく分かります……」


こんな感じで、1階を案内し終えると、体を鍛えていない王達には負担が大きいので、屋敷の前まで転移魔法で移動した。


「ここが居住区なのね。私も引っ越してこようかしら……」


「まったくだ。私もここに住みたい」


「ははは……またまた冗談を……今は何も無いですが、ここの敷地に、各国の領事館を作りたいと考えています。もし出来上がりましたら自由に行き来できるようにしたいですね」


「と言われますと、ひょっとして、領事館に転移魔法の出入り口を繋げると言う解釈で宜しいのでしょうか?」


「ええ。転移の扉からどこでも自由に行けるとなったら、プライベートもへったくれも無いですからね」


俺がそう説明すると、各国の王達はその事に気がつき、ほっとした表情を浮かべた。


それから、屋敷に入って、色々と説明をしながら案内をすると、特に女王陛下が絵画や彫刻が気に入ったようで、是非欲しいと言う事だったので、いずれプレゼントをして王宮に飾られていた絵画と交換してもらおうと思う。


かくして、バベルの案内を終え、転移魔法で再び王城へと戻った。

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