spending spring with me
君はいつも歩いていた。
春のあたたかな日差しを少し迷惑に思って、手をかざした。その手に添えられるのはやはり優しいだけの風だった。歩みを進めるにつれて大きくなるピンク色に顔をこわばらせつつも、それでも、いつものように歩き続ける。
「こういう空気苦手なんだよ」
そう言ってはにかんでくれる君はほんと可愛い。
君は、コンクリートでできた橋を渡って、会場のある敷地に足を踏み入れる。明らかに不自然に植えられた樹木は君を先に導くよう。風とともに活気が伝えられてきて、なんだかんだ嬉しそうに足をステップさせる。そんな君は私とともに春を過ぐ、そんな事実を君はなんとも感じていない。そのことが心の底から嬉しい。
自然に、ただ、自然に。不自然な部分を抑えて、止めて。冷静に。そうしているだけで、この場所はずっと私のものであり続ける。諦めたわけじゃない。これ以上進まないわけじゃない。だって、ここが君の最深部。君に一番近い場所。一生だって君にささげられる。これ以上の幸せなんてない。そんなものは認めない。
「結局なんのサークルに入るわけ」
私はそんな問で悩まない。だってそんなの始めから、決まっている。君のそばにいると言ったのだから。
最後まで読んでいただきありがとうございます
進学される方おめでとうございます
春休み暇です