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#79締結後

神武天皇即位紀元180年(紀元前480年)

秋田県、岩手県を領有化。本州は残すところあと青森県だけだ。

日サ講和条約が結ばれてから1年が経った。今頃、サチ国はさぞ困っているだろうな。

大事な収入源の彦島が奪われたわけだし。講和条約の3条のおかげで占領地に軍を置く必要が

なくなり、また領土拡大を行える。

それと、サチ国の王女を俺と結婚させたので、両国の関係も安泰だ。これっていわゆる

政略結婚ってやつだよな。まあ、196歳にて独身を抜け出せたわけだし、別にいっか。


宮内庁を設置。皇族ができたこともあってつくっておいた。やることは、主に皇居での雑事。

ついでに舎人(とねり)も沢山雇っておいた。



サチ国サイド


一方そのころ、サチ国では国民からのデモが続いていた。王宮の外からは、「条約反対!」

「今すぐ取り消せ!」などの声が響いている。一時期は軍が取り押さえたが、いくら

取り押さえても続けるので、今はほったらかしにしている。


こんなことになったのも原因がある。講和条約により、租借料がなくなったことと、

戦争で疲弊しきった国力により、国の財政は火の車になっていた。これにより、国民は重税と

食料不足で苦しめられていたのだ。


「これも、あの3条のせいだな・・・・」


国王はそう呟く。3条のせいで、突如広大な領土を管理しなければならなくなり、

国力が追いついていないのだ。更に、サチ国民は、無償で家や食料など何でも提供してくれた

日本皇国統治時代の方がよかったと言っている。

人間は1度楽をすると元には戻れなくなる生き物だ。元の生活、いや、更に悪い生活になど

戻れなくて当然だったのだ。


「しかし、なぜ斉の船は沈没したのだ?」


気がかりだったのは、斉からの援軍が来なかったことだ。斉によれば、来る途中に輸送船が沈没した、

と言っていたが、あの大艦隊が全て沈没するなんて滅多になかったからだ。

実は、斉が援軍を送ると言うのは、嘘で、最初から送る気などなかったのだ。

それは、まだ隣国との戦争が続いていることや、強国と戦争になればサチ国は負けて、その後、

空になった土地を奪えると考えたからだ。しかし、サチ国はそのことを知らない。


「それは分からないが、1つ言えることは、結局、全てこっちが損をしていたことだけか・・・・」


講和条約の時、ミエがいてくれれば・・・あの時、つまらないもめ事などしなければ・・・

そう後悔して仕方がなかった。しかし、もう過去には戻れない、ミエもここにはいない。

いくら悔やんでも国王にできることはなかった。


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