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#75報告、関係の決裂

そして、指揮官からの報告を聞いた国王は驚きを隠せなかった。


「突然、金属製の筒からの轟音で騎馬隊が壊滅した!?」


「はい、そうです。私が思うに、あれは新型の遠距離武器かと・・・」


「ふざけるな!そんな事、あるわけが・・」


その報告に国王は激怒した。空想の話をされたと思ったからだ。


「待ってください。あの日本皇国のことです。新型の武器を所持していてもおかしくは・・・」


ミエが仲介に入った。冷静な彼女が入ったことで、国王の熱も

少しずつ冷めていった。


「しかしだな・・」


「前々から変だとは思っていました。あんなに優れた武器を寄越すなど・・きっと更に優れた

武器を持っているに違いないと。旧式でありながらも優れた武器を渡す事で私たちを増長させる

のが奴らの狙いかと」


「く・・日本皇国め・・・」


ミエの読みはほぼ合っていた。国王が、彼女を登用していなかったらこの国は今頃滅んでいただろう、そう思った。


「それより、斉からの援軍はまだなのか」


国王は、まだ心の中で中国がいたら勝てたと思っていた。しかし、まだ援軍は来ていなかったのだ。

いや、日本皇国の進軍が早すぎるのもあるだろう。


「ここまで来るのには時間がかかりますからね。もう少し後に攻撃するのが得策だったかと」


「もう少し時期を見ておれば・・・」


みな後悔していた。あの時は、場の雰囲気に流されて、勢いで決定してしまったからだ。


「しかし今は過去のことを悔やんでいる場合ではありません。こうしている間でも戦地では

兵士が戦っています」


「それもそうだな・・・・」


ミエの言う通りだった。今は過去を思う事より、負けないための策略を練ることが急務であった。


「だが、これからどうすればいいのだ?」


「このまま行けば、サチ国の敗退は確実でしょう。今の内に王宮の守りを固め、もしくはこれ以上の

被害が出ない内に降伏をするのが、得策かと」


「な、何だと!!?」


その発言に国王は激怒した。ミエの発言は、まるで祖国を売るような言い分だったからだ。


「お前の仕事は国を強くすることだろう!この売国奴女め!お前は国賊か何かか?」


今まで温厚な口調だった国王もついに切れた。その言葉に彼女は、顔に出していないように

見えるが、どこか悲し気だった。


「私は本当のことを言っただけだが・・・・」


そう呟くと、彼女はその場を去ってしまった。


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