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#58渡来人

神武天皇即位紀元130年(紀元前530年)

俺は作業室で国の書類に目を通していたのだが、ノックと同時に「失礼します」という

声が聞こえた。これは長老(3代目)の声か?


「天皇陛下、今日は陛下に御用があり、参りました」


長老が部屋に入っていた。いや、まだ俺は何も言っていないのだが・・・・

何故だか時代の流れと伴に、俺の呼び方が「帝」から「天皇陛下」に変わっている。

まあ俺からしたらどっちでもいいのだがな。


「・・で、用件は何だ」


「はい、石川県北部に中国船らしき船が漂流し、中には10名程の乗員がいるとのことです。

彼らは、食料も水も、行く宛もないようです。乗員の国内での居住を許可できますか?」


「要するに、外国人の国内での居住を認めろ、ということか・・」


「そういう事になります」


渡来人が来たのか・・・いつか来るとは思っていたが、こんなに早く来るとはな。

史実では高度な技術を日本に伝えたが、俺がいる日本にそんなのはあまり要らない。

とは言っても、送り返すわけにはいかないしな・・・


「分かった。国内での居住を許可する。日本国籍を与えてよい。ただし、中国系渡来人には

(はた)」、朝鮮系渡来人には「(あや)」という名字を与えて日本人と区別しろ」


「はい、分かりました。それでは失礼します」


長老は出ていった。渡来人が役に立つかは分からないが、きっと役立ててみせる。


それから色々考えた結果、中国人を外国語の授業のために利用することを決めた。

外国語とは中国語のこと。俺も一応中国語は分かるが、それは現代中国語だ。

現代中国語なら俺でも国民に教えられるが、2550年程前の中国語と同じなわけがない。

おそらく、中国人と話した時、通じないだろう。そこで渡来人の出番だ。渡来人から

この時代の中国語を教えてもらい、それを国民に教える。


というわけで中国語の授業を開始。中国語を必修科目とした。小学校から教えるには、

まだ早いので中学校からだ。日本統一までは中国と関わることはないだろうが、今から

教えても早いなんてことはない。逆にゆっくりと教えることができる。


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