#41大陸遠征
浜名港を出港した一行は着々と大陸に向かっていた。船員は全部で十人程。
あまりいても困るのでこのぐらいでいい。
「大陸って一体どんなところだろうな・・」
「ああ、楽しみだ・・」
船員たちがそんな会話をしている。まるで子供みたいにワクワクしている。
何せここにいる全員は未だに大陸に行ったことがない。それどころか島一つ越えたこともない。
ちなみに俺もインドア派なので遠くても九州ぐらいにしか行ったことがない。
それも幼い時の家族旅行だった。
船員の構成は、外務省、国土交通省、財務省職員、警察官など様々。この中国への使節派遣は
一種のお勉強も兼ねている。口で説明するより目で見た方が分かりやすいからな。
暫く経ち、無事中国に到着。位置的には上海辺りの港町だろう。日本の密貿易船だとバレない
ようにこっそり入港した。船員たちは初めて見る中国の光景に目を奪われているが、
俺はさっさと市場に向かった。そこで目にしたのだが、多分ここの通貨は青銅貨。
とりあえずそれを大量に取り寄せた。
見回っているうちに馬がいる店を発見した。そこの主人に値段を聞いたところ、戦争のため
国の軍が引き取るので、もう売っていないとのこと。そこで馬の定価の20倍以上の青銅貨を
出したら快く売ってくれた。それも雌雄一組で。
馬が手に入ったが、さすがにまだ帰らない。中国に来れるチャンスなんて滅多にないので
他の動物も買っておく。牛、鶏、合鴨、蚕なども買っておいた。合鴨は中々売っていなくて
苦労したが。何とか手に入れた。これで日本に帰れる。
そして長い航海を経て、日本皇国に戻った。ここまで大体2ヶ月ぐらいだ。
動物たちを陸地に降ろし、早速繁殖の準備をする。それと、飼料に関してだが、俺は動物にとって
最高のモノを用意できる。なぜなら俺は、全言語を聞き取り、話すことができるからだ。
例えそれが人間語でなくても。つまり動物と意思疎通ができるので何が欲しいか聞くことが
できるのだ。