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#37内乱

神武天皇即位紀元28年(紀元前632年)

それはある日のことだった。


「失礼します!」


俺は部屋で資料の整理をしていたが、新長老(オルメの息子)がノックも無しに突然入って

きた。息も切れているし、おそらくただ事ではない。


「帝、非常事態です」


自分を落ち着かせるように長老はそう言った。やはりそんな気はしていた。


「申せ」


俺が冷淡な口調で言うと、


「白石村が武装蜂起。総勢約60名がこちらに向かい進軍中。近くの村が既に被害を

受けています」


「そうか・・」


新長老は紙の内容を読み上げる。これは大変なことになった。何の不満があったか知らないが

死傷者が出るのは避けたい。人は国造りに一番重要だからな。白石村は静岡市北部に位置する村。

この村では昔からの伝統で子供の時から武術の練習をさせている。そのため戦闘能力が高く、

俺も少し危機感を持っていた。


「警察隊を現地に出動させよ。それで国民の安全の確保を最優先し、蜂起を起こしている

者を確保せよ」


「は、はい!」


そう言うと慌てながら去っていった。残念ながら自衛隊はまだできていないので、

警察を出動させるしか方法はなかった。しかし60人という敵は警察に匹敵する人数だ。

あれ?そういえば白石村の人口は80人程。さすがに女子供には戦いに行かせないだろう。

人口比率から見てこの人数はおかしい。


少し経ち、より詳しい情報が入ってきた。敵軍は近くの村の見張り台等を占領し、

籠城しているそうだ。籠城とは考えたものだな。しかし詰めが甘い。

籠城と言っても全員ではなく一部は辺りの制圧に乗り出しているそうだ。

つまりは隙があるのだ。こちら側は相手の補給路を断つ。備蓄している食料で少しは持つ

だろうが、基本的に食料は都市部から供給しているし、今は夏なので収穫の季節

ではない。すぐに食料なんて足りなくなるだろう。技術レベルでもこちらが勝っている。

俺に戦いを挑もうなどなめられたものだな。俺は2600年以上未来から来ているんだぞ?


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