#1転移
この作品はほとんど作者の気分で書いています。主人公の言動がおかしかったりします。
基本的に会話は存在しません。
ん?どこだここは。
目を覚めした瞬間、そんな一つの疑問が自然と浮かんだ。
「痛・・・・」
恐らくずっとここで寝ていたんだろう。体中が痛い。あれ?俺は昨日普通に寝室のベッドで寝た筈・・・
どう見ても人気のない生い茂る森林のど真ん中、見上げても鳥が空を舞うような自然の中で寝ている。
これは夢じゃない。しかしなんだ?俺の服装を見れば身に覚えのない青色の一般的な登山服。
その脇には黒のリュックがある。こんなの俺持っていたか?
俺は弓削和人。高校二年生だ。毎日しっかり学校に行っているが成績の中の下。
部活動は特に入っていない。俺は人と話すのも好きじゃなく、自分以外信じられないクズ野郎だ。
俺が人と話さないのもそれが原因だろう。おまけに顔もそんなによくない。おかげさまで誰とも喋らないので、クラスからは何考えているか分からなく、話しかけたくない陰キャだという位置づけだ。
ちなみに何考えているかと言うと、特に何も考えていない。ただ人間観察をしているだけだ。
将来何かやりたいわけでもなく、流れでなんとなくサラリーマンになろう・・・・
人生の中でこれと言って目立つこともなくただ平凡に生きてきた。しかし、今日俺の人生が一変した。
どうも状況が把握できない。何故俺はここにいるんだ?何故俺は登山服を着ているんだ?
そもそもここどこなんだ?そんな事を考えながら地面に寝そべっている。あまり物事に動じない俺だが、さすがにこれは驚く。ここは今の日本ではない。直感的にそう思った。ただならぬ何かがそう言って
いるのだ。しかし考えていても時は過ぎる一方。とは言っても何をすればいいか分からないので
脇にあるリュックの中を確認する。
中にはコンパス、日本地図、ライター、拳銃、数発の弾丸、携帯浄水器、飴数個、デジカメ、筆記用具
(シャーペン、消しゴム、ハサミ、定規など)が入っている。
何だこの持ち物は。どれも身に覚えがない。って本当に俺は登山にでも行くのかよ。
辺りには何も無いし、ここでサバイバルでもするのか?生活に必要な火、水、食料はちょうど
これで賄える。というか何で銃まで入っている?これはもはや銃刀法違反だろ。これは絶対に俺の物
ではない。にしても誰がこんな事を。他にないか、中身を探っていたら奥に一つの紙があった。