#12宗教
村の発展のための工事が進む中、俺への信仰心の薄れが目立つ。なぜなら俺の生い立ちを語ったのは
葛城村だけなのでほかの村はあまり俺の力を信じていない。
各村で演説してもいいのだが、これからも同じようなことは起きるだろうから、宗教の確立をする。
宗教の確立とは、教典を書くことだ。名前は弓削教とでもしておくか。弓削教は神道がベースだ。
内容はまず、俺の生い立ちを明記する。そして最高神はもちろん俺。信者は全ての神を信じること。
全ての神とは天神、天孫、地祇などの神のことだ。ちなみに俺は知識と技術を司る神と位置づけている。
そして他教を差別してはいけない。歴史通りにいけば仏教やキリスト教が入ってくる。
日本のそれらの信者の差別は起きると思うからだ。男女差別、人種差別もしてはいけないと
書いておいた。
酒なども禁止はしないが好ましくないと書いた。酒を飲みすぎて働けない、とかは困るからな。
その他やるべき事を疎かにすることも好ましくないと書いておいた。
そして村人の心の拠り所になる祓詞も組み込んだ。祓詞とは仏教の南無阿弥陀仏の
ようなもの。これを唱えれば罪や穢れを浄化できるというわけだ。現代では神主が唱えるが神主は
いないので、セルフお祓いだ。
それと仕事をちゃんとさせるため、よく働いた者は黄泉の国(死後の世界)で苦しみがなく
暮らすことができると明記しておいた。これ完全に仏教思想だけどな。
最後に、弓削教に入っていない日本人は社会保障が受けられるないということだ。
社会保障とは、つまり食糧などの配給が受けられなくなる。今の俺の税制だが、農民は収穫された
作物を俺に収め、そのうち3%を税として徴収し、他の97%を住民に均等に再配分されるという
システムだ。それと農民以外には年間45日の労役が課される。これをしないと食料の配給は
受けられなくなる。これでも古代では良心的な方だろう。
食糧に関してはあまり問題ないが、社会保障には保険制度などを追加予定なので後に困ってくる
だろう。これは貨幣が登場してからの話だが。
あと盗みなど罪を犯した者も一生社会保障が受けられなくなる。罪人の更生はちゃんとするがな。
というわけで教典を公布した。これで信仰心を集められるか分からないがな。




