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異世界転移!~才能がなくとも活躍できることを証明してやろう~   作者: かずっち
第二章 生きるって大変
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*008 魔獣と異変

*008 魔獣と異変


 魔法は人間が大気中の魔素を貯え、適性を持っていれば魔力に変換してその属性の魔法を使う事が出来る。

 けどなにもこれは人間だけではないらしい。魔素は呼吸を行う生物ならどんなのでも蓄えられるらしい。魔獣はその中でも人間のように適性をもった動物の事らしい。

 人間と違うところは魔素をうまく扱えず体が活性化し凶暴になっており、人間に襲いかかってくるらしい。森はまさにその魔獣の巣窟で奥に行けば行くほど危険な魔獣がいるらしい。


「だから森に行く時は、装備を必ず持っていかないといけなのよ」


 リーナが魔獣について解説しながら歩く。今は森の周りを歩いている。中を通れば早いが、魔獣と遭遇しないためになるべく森を通らないようにしている。

俺はもらった剣と研ぎ石を入れるためのバックを背負ってリーナの後ろを歩いている。


「ま、ここらへんに出てくる魔獣は弱いのばっかだから、出てきても安心して」


 リーナが自信満々に言う。まあ中級魔法なんて使えるんだから問題ないのか。


「魔獣ってのは魔素を取り込んで暴走した奴って事は魔法を使えるのか?」

「使えるやつもいるけどほとんどいないわ。そもそも魔素を転換するときに暴走したんだから大抵は

体が強化されたくらいね」


 それを聞いて安心した。さすがに魔法も使うやつがいると考えると怖すぎるからな。しばらく歩いていると道の先に看板が見えてきた。


「あそこから廃鉱に行けるらしいけどここから先は注意していきましょう」

「ああ、わかった」


 俺は剣の位置を確認しとく。扱ったことはないが、ないよりましだ。今回はリーナがついているし問題ないだろう。


 看板の前に着く。看板には周辺の魔獣の種類などが書いていた。驚いたのはそこに書いていたのはカマキリやアリなど、俺のいた世界の昆虫や動物なんかが書かれていた。犬なんかもいたし動物なんかは共通なのだろうか。


俺がジーと眺めているとリーナが指をさして説明した。


「今から行く廃鉱だとここに載っているアリ型、ちょう型に会う可能性があるわね。アリはあんまり仕留めるのに手間取ると周囲の仲間を呼ばれるわね。ちょう型は突風を羽で作り出す程度だからあんまり危険度はないけど不意を突かれる時があるから注意してね」


 俺が頷くと、リーナがさきほどより少しゆっくりと、いつでも戦闘できるように構えながら歩き出す。俺も剣のグリップを持ちながら、いつでも抜けるようにして前に進んだ。




 幸いなことに廃鉱に行くまでの道中で魔獣は出てこなかった。ついた場所にある廃鉱は、ずっと前から使われてないのかいたる所が痛んでいた。


「じゃあそこらへんの黒い石をバックにできるだけ入れて。私はその間、魔獣が出てこないか見ているから」

「おけー」


 俺は言われたとおりそこらへんに落ちている石を集める。ちょくちょく場所を変えたりしながら集める20分くらいでバックがパンパンになった。


「なあリーナ。言われたとおりにパンパンに詰め込んだんだけど重すぎて背負えないんだが......」


 ずっとバックを置いてポイポイ入れていただけなので、実際に持っているとかなりの重さになっていた。多分100kgは超えているだろう。少し前まで男子高校生していた俺にはとてもではないが持てない。


「分かってるわよ。ちょっと待って」


 リーナが答えると俺の方に腕を向けて叫ぶ。


《光に転換 対象に恵みを アビリティプラス》


 リーナの詠唱が終わると体が軽くなったような感覚になった。


「そのバック、もう一回持ってみて」


 俺はリーナに言われた通りにバックを手に持つ。するとバックはさっきまでまったく動かなかったのにすぐに持ちあがった。おおー。


「さっきの魔法って身体強化とかの魔法なのか?」

「そう、光魔法《アビリティプラス》は対象の筋力や体力を1時間くらい向上させるの。一時間を超えたあたりでどんどん元に戻っていくんだけど村に戻るまでは大丈夫だから問題ないわ」

「1時間もか、便利な魔法だなー」

「そう?この魔法って自分には使えないからどんな感じなのかわからないんだよね」


 へーそうなのか。自分の魔法で身体強化なんてできたらすごい便利なのに。


「さ、こんな場所にいないでさっさと帰りましょ」


 リーナがそう言って、元来た道を戻る。俺もリーナの後を追おうとバックをしっかり背負うと


 キシャアーーーーー


 金切り音みたいな音が周囲一帯に轟いた。


「リーナ、今の何だ!」

「え?なんで......とりあえずここから逃げるわよ。」


 リーナが俺の質問に答えず全力で走りだした。俺も急いで後を追った。


 幸い、リーナの魔法で通常と変わらないくらいの速度で走る事が出来た。ざわざわと騒がしい森の来た道を駆け抜ける。全力で走っていたのですぐに看板のある森の出口が見えてきた。


「!?」


 だと言うのにリーナが急に走るのをやめて、立ち止まってキョロキョロ周りを確認していた。


「おい、リーナ。早く逃げるぞ。何してるんだよ。」


 俺も立ち止まってリーナに逃げるように催促する。この状況でなにやってるんだ、本当に。リーナが右の方に顔を向けて睨む。


「間違いない......巧! 剣を抜いて、右から魔獣がくる! 後ろからもね」


 なに?俺はおそるおそる後ろを振り向く。すると廃鉱の方からこちらに向かって走っているでかい生き物が3匹ほどいた。


「やっぱりアリ型か、嫌なタイミングで......ああもう」


 リーナがアリ型と呼ばれた生物に手を向ける。


《対象を貫け アイスバレット》


 掌に氷の塊が出来たと思ったらまっすぐに飛んでいき、氷はアリ型に次々に当たる。それで体勢を崩して地面に突っ込んだ。


「やったか?」

「まだよ、足止めにすぎないわ。それより右から多分突進してくるからタイミングを見て横に跳んで!」

「わかった!」


 右側に視線を移すとさきほどのやつより凄い速度で何かが走ってきている。俺はそいつらが飛び出しそうになる瞬間、俺は横に吹っ飛んだ。

 その直後すごい速度でさっきまでいた場所にそれは勢いよく突っ込んできた。リーナが現れた姿を確認して呟いた。


「大きい......巧! こいつは私がやるからあなたは後から来るやつをなんとかして」


 俺は視線をさきほどまでいた場所に移す。それは蟻がそのまま数百倍大きくなった姿だった。顎なんかも巨大であれで噛まれたりすれば一発だろう。そんな恐ろしい化け物がそこにいた。


「これが魔獣......」

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