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*028 初適性魔法と製作

*028 初適性魔法と製作


 アイリの発言によって俺の魔素保有量の上限、そして闇だけだが適性をもっているという事実が判明した。

 リセさんやアイリ、当然俺もなんで魔法を使ってもないのに上限まで溜まってないのか、なぜ最初に適性が出なかったのか理由が分からなかった。


「すごい! こんな矛盾、聞いた事ありません。すごいですよ、巧さん!」


 とアイリはすごい興奮していたが。何がすごいのだ?

 結局、考えても仕方ないという考えに至り当初のやるべき事をする事にした。納期が近いと言ってたし、早く終わらせないとまずいだろう。




「じゃあ巧さん、闇属性とやり方を教えるのでそれを繰り返しやってください。と言っても魔法を唱えるだけでいいんですが」


 まずはじめにアイリに闇属性の魔法について説明を受けた。

 『即席魔法(インスタントマジック)』などの魔道具の作成、相手を妨害する魔法が主な闇属性の魔法で攻撃性の魔法はほとんどないらしい(すこしがっかりした)。

 また適性で光と闇を同時に持つのは過去一度もないとか。これは属性がまったく正反対な特性だからではないかと言うのが妖精族の研究結果らしい。


「で、闇属性の代表的な魔法で《クリエイト》と言うものがあります」

「《クリエイト》?」

「はい、魔道具作成の際に使われる魔法で闇属性といったらこれ! みたいな魔法ですね。今回作る『即席魔法(インスタントマジック)』は魔法の工程なんかが書かれた魔導書を使って専用の魔道具に魔力を通さないといけないんですけど、闇属性の適性があればその魔法を作りたい魔法名を浮かべながら唱えるだけで作れちゃうんです」

「それって、その作りたい魔法の属性がなくても作れるのか?」

「はい、まああったほうが威力のあるのが作れるんですけどね」


 あれ?属性ないから作れないなんてオチ考えてたんだけど......まあ魔法の事はまだよく分かってないからそこは深く考えるのはよしておこう。


「闇に転換と言った後に作りたい魔法名、その後に、クリエイトと言ってみてください」


 うーん、じゃあさっき言ってた《アクアカッター》を作るか。俺は前に見たリーナやマリンが魔法を使う時のようにテーブルに手を向け先ほど教えてもらった詠唱をする。


《闇に転換 アクアカッター クリエイト》


 魔法名を言い終えるとテーブルの上に光る物(魔素や魔力かな?)が集まっていってやがて小さな石ができた。


「それが『即席魔法(インスタントマジック)』です。少し小さいですけど、まあ初めてだし仕方ないですね」

「へーこれがねー」


 魔石の中に魔法を読み込ませた物、と聞いていたが、普通の魔石の色と違って空色のような色合いをした石だった。これが《アクアカッター》の『即席魔法(インスタントマジック)』なのだろうか?


「それを砕くと中に入ってる魔法が発動するんですよ、あ、試そうとしないでくださいよ」


 なんでアイリには俺の思考が分かるんだろう......っていや、やるつもりはありませんでしたよ?ただどんな感じになるんだろうって気にはなったけど。


「じゃあどんどん作っていきましょう」

「はーい」


 リセさんに指示された魔法を聞いて作っては、聞いて作っての繰り返し作業だった。《クリエイト》を使ってみた感想だが、無属性の魔法に比べるとあまり減っていない。

 せいぜい20回ほど使ってやっと1回使った程度の疲れだ。まあ流石に夕方あたりまでずっと作ってたら流石にへろへろになったけど。


「お疲れさま。助かりましたよー、これでなんとか納期に間に合いそうです。はい、依頼の報酬金です」

「わあ、こんなに。ありがとうございます」


 アイリがリセさんから手伝いの報酬金をもらっている。反応から結構もらったみたいだが。ちなみに俺は今白金から魔力をいただいてる途中だ。

 ほんと白金の能力にはいつもお世話になってる気がするよ。そう思いながら眺めてるとアイリがテテテとこちらに歩いてきた。


「はい、巧さん。半分こです」


 その小さい手のひらには金貨が8枚と銀貨4枚があった。てことは合計で金貨16枚と銀貨8枚だったのか。この作業にしては、多いのか少ないのかよく分からんなー。


「いや、いいよ。全部アイリので」

「え?でも......」

「そのお金で昨日気になっていた本を買ってこいよ。おこずかいだ、それなら気にすることなく買えるだろ」


 昨日の本とか自分の欲しいものが出来るたびにあの要求の仕方されたら多分NOと断れないだろうからな。なら初めから自由に使えるお金を渡したほうがいいだろう。


「巧さんがそう言うのならいただきますね」


 アイリがポケットの中にお金を入れる。あ、そうだ。


「かわりといっちゃなんだけど《クリエイト》って他にどんなのが作れるんだ?」


 『即席魔法(インスタントマジック)』以外にも役に立つ魔道具が出来るのなら是非とも自作したい、と思ったのだ。便利な道具はないに越したことはないし。


「魔道具の製作はもちろん、無機物なら魔素がある限り何でも作れますよ?」

「え? そんな便利な魔法なのか!?」


 まじか、そんな便利な魔法なのか。攻撃魔法がないのは残念だと思っていたがこれはこれでありだな。


 明日どんなものを作れるのか試してみよう!

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