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*001 謎と女の子

*001 謎と女の子


 人は死んだ後どうなるのか。天国や地獄に行く、仏教なんかでは輪廻転生され新たな生命体となり、転生するとか。さらに難しい話となると魂は一定時間体に留まり死後どうなったかが分かると言われるらしい。

 俺はその答えが分かると思っていた。


 確かに俺は死んだはずだ。突然地震が起きたせいでバランスが崩れそのまま崖から落ちたからだ。ろくに受け身もとれず、あの高さで落ちたのだからほぼ確実だろう。なのに、


「なんで俺はびしょびしょになって川原で倒れてんだ?」


 俺はなぜか川原で目が覚めた。

 一瞬、死後の世界かとも思ったがそれにしても体の感覚がぴんぴんしてる。普通にびしょびしょで寒いと感じるし、痛みも感じてる。

 だが、死んでないにしてもこの状況を説明できない。


「崖の下は地面だぞ。そこに落ちてなんで川原で目覚めるんだ......」


 あの崖は土砂崩れでできたものだがそれで川ができるわけない。いや、そもそもあの地震はなんだったんだ?

 あの規模なら普通は余震で少しずつ揺れ初めて次第にあんな大きな地震になっていくはずなのに......

 

 考えてるとへくち!とくしゃみが出た。


「とりあえず服を乾かすか......」


 濡れた服を着てるだけで寒い。乾かしながらこれからどうするか考えることにする。さすがにこんなわけがわからん状態で体調は崩せない。

 パーカーを脱いでばさばさと水分を飛ばしてると、ポケットからスマホが落ちた。ん?まてよ。


「そうだ、スマホでどこか確認すればいいのか!」


 最近のスマホは無駄に耐水性がついたりPC並の計算能力があるからこういう時、非常に役立つ。


 早速電源をつけて時間を確認する。午後1時と表示されてるのでどうやら半日ほど気を失ってたようだ。

 

 次にマップを開こうとする。しかしそこに表示されたの『位置情報を取得できません』というエラーメッセージだった。


「あれ? どういう事だ」


 考えられる理由としてはGPSが届かない所にいるという事だが、俺の住んでる町はそこまで田舎でもない。森に関してもGPSが届かないような場所ではなかったはずだが......ますます謎になった。


 そしてその後いろいろと試してわかった事だが、まず電話はつながらない、そしてネットにも繋がらない、メモやカメラ、方位磁石などネットを使わなくても使えるツールは問題なく動くという事が分かった。

 GPSやネット、電話ができないという事は、それほど山奥にいるという事なんだろうか、わからん。


 服も乾いてきたので川を下ることにした。山なんかで遭難した時は川沿いを歩かないと聞いたことあるが、それは天気が悪天候だった時に川の増水が危険というだけでこの状況なら問題ないなと思ったからだ。




 かなり歩いたが、結局町に出る事も人に会う事もなく日が暮れてしまった。さすがにこの自然の中で暗闇を歩くのは危ない気がする。それに......


「人間って非常時でも腹が減るんだな......」


 起きてからずっと歩いてたのでさすがに空腹が堪えてきた。まあ最後に飯食ったの24時間前くらいだもんな。


「とりあえず動かないで休んでよう......」


 明日も動けるように近くの木に腰を掛ける。すると歩いてた疲れが出てきたのか、急に眠くなってきた。俺は睡魔に負けて目を閉じた。



 手足に何か違和感を感じる。なんだこれ、動かせない。金縛りってやつか?けどまったく動かないわけじゃない。なにか制限がかかっているというか......


 俺は違和感を確認するために目を開けると、金髪の長い女の子が手足を縛っていた。


 なにこの状況?

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