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異世界転移!~才能がなくとも活躍できることを証明してやろう~   作者: かずっち
第二章 生きるって大変
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*018 大金と不可解

*018 大金と不可解


 俺が村長が腹黒い人と知って驚いた後、屋敷を出て武器屋のラモスさんの所に行った。俺の知っている中ではラモスさんも俺の事を心配して探してくれた人の1人だ。きちんとお礼が言いたかった。

 後、頼まれていた依頼を片付けにも行く。


 今の所買いたいものはないが、いい加減にルミエルさんに宿屋のお金を払いたい。前に「金が出来たらその時に払ってくれればいい」と言ってくれたが、待たせるのもルミエルさんに申し訳ない。


 ちなみにあの酒場兼宿屋は吹雪、という名前らしい。1日泊まるのに銀貨3枚、日本円で約3000円だ。これで美味しいご飯も出るのだから破格の値段だ。


 武器屋に着き、入るとドランさんが店に陳列している武器を取り替えていた。


「こんにちは、ドランさん」

「ん? おお、巧か、ようやく目が覚めたか!」


 ドランさんが嬉しそうに話しかけてくる。


「すみません、迷惑かけてしまって」

「なに、あのマリンのバカに巻き込まれたんだ。命あるだけマシだろう」


 ほんと、マリンはどれだけ村の人に心配かけてるんだろうか。ここまで言われるかね、普通。


「で? お礼を言いに来たのか?」

「あ、それもあるんですけど依頼を報告したくて」


 俺は素材が大量に入ったバックを渡す。ドランさんが中を見て驚いた顔をする


「巧、まさかこれ全部......」

「マリンの暴走した結果です」

「だよな......」


 まあそんな感じになるよね。中から素材を取り出して数えると牙は42本、皮はぴったり70枚あった。まあ森にいた魔獣を全滅させるくらい狩り尽くしたからなー。


 あ、この素材全部マリンが狩ったんだからアイツに何割報酬渡せばいいんだろう......

 

 俺がそう悩んでいるとドランさんが悩みながら俺に言う。


「よし、この牙全部で金貨50枚でどうだ?」

「え!?」


 ちょ、この人なんて言った?50枚だと......それって日本円で50万ほどだよな。あの牙そんなに価値があるのかよ。


「すまんな、本当は1本あたり金貨1枚と銀貨5枚程度にするんだが、この量となると加工に時間がかかるから利益になるまで時間がかかりすぎてこっちの金が無くなるんだ......」


 しかもこれでも安くした価格らしい。まあドランさんの生活に関わるし、別に安く買い取りしても構わないんだが。にしてもなんでこんなにこの牙に価値があるんだろう。


 牙を何に使うのか聞いてみるとナイフや弓矢の矢じりなんかに加工するのだそうだ。魔獣の牙は種類にもよるが、イノシシ型の場合は軽くて強度が金属と同じくらい強いらしい。

 そのおかげでかなり高く売れるのだそうだ。


「それに、今王都じゃ騎士団が作られたもんだから更によく売れるようになってな」


 騎士団か。確かにそんな物騒な物が出来たんだから武器や防具は売れまくりなのかもしれない。確か、この村の若い人も騎士団のところに入団したんだから人手が足りないんだっけ?だとしたらかなりの人数がいそうだな。


 俺はドランさんに牙の代金金貨50枚と駆除依頼の金貨4枚を受け取る。これで金貨54枚......一気に小金持ちになってしまった。


 次に防具屋にも行く。依頼などは受けてはないが魔獣の皮を年中買取してるらしいから、買い取ってもらうためだ。もしかしたらこれもかなり売れるんじゃないかな、と少し期待したのだが、


「ごめんね、この大きさだとあんまり高く買えないのよ。金貨14枚くらいで買取りかなー」


とラーザさんが申し訳なさそうに言った。なんでもイノシシ型なんて魔獣の割に小さい(といっても普通のイノシシより何倍もでかいんだが)らしく防具なんかに加工できないらしい。

 それでも繋ぎ合わせて毛布を作ったりとなにかと需要はあるらしいのでそれでかなりの値段で買ってもらえた。


 俺は68枚の金貨を手に入れた。1日でこれだけのお金を手に入れれるこの世界凄いな。まあ全部マリンが狩った物を売っただけだが。あ、どうやって渡そうか。


 屋敷に行けば会えるし、1回ご飯食べてからでも行くか。


 吹雪に行くと丁度お昼を過ぎたせいもあって人はあまりいなかった。何人かが雑談したり遅い食事をとっている人がいるほどだった。その中にリーナとマリンが話しているのが見えた。あれ、なんで2人が?マリンが嫌っていたんじゃ......


「あ、巧!マリン、ちょっとまってて」


 リーナがマリンに断りを入れて立ち上がり、俺の腕を引っ張って店の外に連れていく。


「ねえ、巧。あのマリーが凄い素直に謝りにきたの。しかも自分が一方的に悪かったって。あのマリーがだよ! 」


 とリーナが凄い嬉しそうに言ってきた。あのマリンがそんな事を行ってきたのか......


 凄い意外だ。俺はマリンは負けず嫌いでリーナを敵対視してるものと思っていたので意外だ。


「巧なんか知らない? マリーがまるで心変わりしたような原因」

「いや、特に......」


 原因ね、人はそうそう変わるわけでもないんだから何かあったのは確かなんだろうけど。心当たりがあるとすれば先日の事だけだか、それでなにか決心したのだろうか。


「まあ前よりいい方向に向かってるしいいんじゃないか?」


 俺は率直に思ったことを言う。前の自分勝手な感じより、素直に謝れる方が遥かにいいだろう。リーナもそう思ったのか納得したような顔になった。


「それもそうね」


 そう言って酒場のマリンのいるテーブルに行く。


「あ、巧。戻ってきたの、どこ行ってたんだ?」

「ああ、村長の所に行った後に依頼を終わらせにな」


 マリンが俺に話しかけて来たので素直に答える。あ、丁度いい。お金の配分の話する事にした。マリンにその話を振ると、


「ああ、いいよ。全部巧ので」


 なんと要らないと言い出した。俺としては1割貰えればいいと思っていたのだが......どうゆうことだ?


「え? だけどあれ全部マリンが狩った素材だよ?」

「確かにそうだけど私のせいで迷惑かけちゃったしな。その分だと思って受け取っってよ」

「まあ、マリンがそう言うなら良いんだけど......」


 罪滅ぼし的なものだろうか?まあ本人がいいと言うのならいいが。そういう事なら有難く受け取っておこう。お金はないに越した事ないからな。


「ちなみにどれ位稼げたの?」

「んーと、金貨を68枚貰ったけど」

「68枚!?」


 リーナに聞かれたので枚数を教えると凄い驚かれた。枚数を知ってもマリンは動じずにいた。まああの素材の量を知っていたからある程度予想してたのだろう。


「どれだけ狩ればそんなに稼げるのよ......」

「マリンの魔法で森のざわつきが無くなるまで狩り尽くしてたな」


 そのお陰で帰りは魔獣に襲われず助かったので明確に記憶している。本当に凄いよね。


「え?森のざわつきが無くなった?それホントなの!?」


 またリーナが今度は凄い勢いで食いついてきた。まあそりゃあ驚くか。


「何匹くらい狩った?」

「確か100以上はやったような......」

「それで森が静かになったの?」

「え?うん」


 それを聞くとリーナが納得いかないような顔をした。

 

 えっと、リーナさん?顔が怖くなってきたのだけど......


「ちょっと私、森に行ってくるわ!」

「え? あ、どうした......」


 んだ?と俺が言い終わる前にリーナは外に出ていってしまった。


「なんだったんだ?」


 俺が聞くと、マリンにも分からないらしく首を傾げた。


「魔獣を狩り尽くすのは危険が減ることに繋がるんだから問題ないはずなんだけど......」

「だよな、なんであんなに慌ててたんだろう?」


動物を乱獲するような感じでダメなんだろうか?


この時の俺はそれが森で異常事態が起きているという事を示している、という事をまだ知らなかった。

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