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異世界転移!~才能がなくとも活躍できることを証明してやろう~   作者: かずっち
第二章 生きるって大変
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*011 休息日と無属性

*011 休息日と無属性


 俺が白金(シロガネ)を手に入れたその日はずっと白いきれいな剣を眺めていた。ゲームやアニメでよく見るような武器を実際に持つと 男の子的にかなり嬉しく眺めていたかったのだ。結局俺が寝落ちするまで俺は眺めることになった。


 翌日、スマホのタイマーで起きた俺はご飯を食べようと下に降りる。すると意外なことにリーナがそこでサンドイッチのようなものを 食べながら本を読んでいたのだ。てっきりもう依頼をこなしに出たと思っていたので少し驚いていた。俺が驚いていると視線で気がついたのか リーナがこちらを見る。


「あ、やっと起きたー。おはよう」

「ああ、おはようリーナ。今日は依頼じゃないのか?」


 この村は若い人が少ないため依頼が大量にあるらしい。俺の場合、まだ始めたばかりのせいかまだ依頼してくる人はいないがその内、手に負えないレベルで来るはずだ。


 そんな状況だから忙しいはずのリーナがゆっくりしてるのは初めて見た。


「今日は休息日っていってほとんどの人は仕事を休んでいるわ。ここみたいに毎日開かないといけない所を除いてね」

「へー。だからリーナはゆっくりしているのか」


 この世界の暦はよくわからないが休日に当たるものがあるらしい。まあ、働いてるだけだと疲れで効率が落ちるし当たり前か。俺としてはやる事がないから暇だな。何しようか。


「リーナは休息日って何してるんだ?」

「私?魔法の練習とか本を読むくらいかしら」


 魔法はそもそも適性がないから使えないし本を読むにしても多分異世界だから字が違う気がするんだよなー。試しにリーナの本を横から見ると思っていた通り、よくわからない字で埋め尽くされていた。


 どうしよう、本当にやることがねぇ......


「うーん、何もする事ないなら剣を振る練習でもしたら? 慣れといて損はないと思うよ」


 リーナが悩んでいる俺にそんな提案を出してくれた。


「確かにそれもそうだな。けど剣って闇雲に振っても意味なくないか?」

「それもそうねぇ。なら村長の所に行けば?あの人昔は王都で活躍してたんだから教えてもらえると思うわよ。」

「え? あの人そんな凄そうな人なのか」


 魔法の適性4つ持っていて剣も使える。そして今は村の長をしている。確かに凄い人なのかもしれない。


「よし、じゃあ教えてもらえるよう頼んでくるよ」


 俺は手早くパンを食べて、部屋から白金シロガネを持ってくる。


「じゃあ行ってくるよ」

「いってらー、がんばってねー」


 俺はバタ戸に手を掛けて扉を開けようとするとリーナが呼び止めた。


「今日の夜早めに戻ってきて貰える?紹介したい人がいるの」


 俺は分かったと言って酒屋を出た。紹介人って誰だろう。




 俺は村の中心にある村長の屋敷に向かって歩くと確かに色々やっていたお店がほとんど休みになっていた。そのせいか道は閑散としていた。みんな家で休んだり遊んでいるのだろうか?


 村長の屋敷の前に着くと赤毛の女の子が庭で何か叫んでいる。マリンという女の子だっけ?何してん だろう。そう思いながら門番に村長に剣を教えてもらいに来たと言う。すると意外ととあっさり通してくれた。警備ゆるくないか?


 中に入って玄関の方に歩きながらマリンの方を見る。


《エアブラスト》


 魔法の詠唱だろうか?けれど何も起きてないけど。何してるんだろう。


「あれは詠唱を簡略しても使えるように特訓しとるのじゃよ」

「へー、魔法って詠唱を簡略できるのか。あの娘も意外とがんば......ってうわ!」


 俺の独り言に答えたのはこの村の村長、リブルスさんだ。気が付かないうちに俺の隣にいたのでかなりびっくりした。あれ?こんな感じ前にもなかったっけ?


「あれは意外と努力家での。で?君は休息日に何か用でもあったなのかな?」

「ああ、はい。実は剣を教えてもらいたくて」


 俺は自分の魔法適性どころか魔素保有量も少ないので剣を使えるようになりたい、その話をしたらリーナが村長が......と事情を話した。


 村長はそんな話をふむふむと話を聞いてくれた。俺が話を終えると、


「そういう事ならワシで良ければ教えよう。年寄りだから実際に剣は振れんがそれでいいかの?」

「はい、それでお願いします」


 俺は礼をして剣を抜く。すると村長は驚いた顔をして聞いてきた。


「それは魔装か? よく手に入ったのう」

「ああ、はい。武器屋のドランさんと取引で頂いたんですよ。まあ魔素を取り組んで増幅して蓄えるだけの能力であまり関係ないんですけどね」

「ほほう、なかなかいい剣じゃのう」


 俺が笑いながら答えると村長が俺の剣を見て褒めてくれた。うん、自分の剣を褒められるとなんかいいね。俺が照れてると村長がなにか考えことをし始めた。


「なあ、巧君。魔法は使えた方がいいかの?」


 と聞いてきた。魔法は確かに使えた方がいいけど。


「俺適性ないっていわれたんですけど、魔素もないし」

「魔素に関してはその剣があるから数回使う分には問題ないじゃろう」


 確かにそうだけど適性ないと魔法がつかえないんじゃないのか?


 俺はその事を聞くと村長がいやいやと首を横に振った。え?違うの?


「確かに適性が無ければその適性の魔力に転換が出来ないから魔法は使えんよ。ただあまり使われてはないが中には転換をしなくても使える魔法があるんじゃよ」

「転換なしで?」


 転換というのは基本的な詠唱で初めに言うプロセスの事だ。詠唱の初めに○に転換と言う事でその人の適性の魔力に転換される。

 ちなみに2つ目に使う魔法の設定を言う。見たことあるのだと氷を落とす、とかとか目の前の人に発動、などだろう。

 そして3つ目で魔法名を言う事で魔法が発動するのだ。ここから更に上級魔法などになると詠唱内容が増えたり、逆に言わなくても魔法を発動しながら頭でイメージが出来れば1つ目と2つ目を省く事ができるらしい。


 確かリーナは水の魔法使う時、大体転換の所は無視してるな。もしかしたら目の前で練習しているマリンはそれに対抗してるのかもしれない。


「儂は何の適性も使わずに使えるから無属性魔法と呼んでいるがの」

「無属性魔法......それなら俺も使えるんですか?」

「魔素を魔力に転換するプロセスを感覚的に掴めれば使えるようになるの」


 魔素を魔力に転換するプロセスか、うーん。使った事無いからよく分からないけど練習すれば簡単ではないが誰でも覚えられるらしい。


「どうじゃ? 剣を教わるついでに無属性魔法も練習してみるか?」


 村長がそう提案してくれた。魔法が使えれば1人で魔獣と戦えるだろうし練習して損はないだろう。


「はい! お願いします」


こうして俺と村長の特訓が始まった。

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