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ブラッドベリー隊長1
『よーっくみると、見えるでしょう。
私らは見えるところから先にはいきません。』
『…。』
『だから、これから先はどうぞお一人で。
途中に旗が立っていますから、それを目印に進んでください。
ほら、あそこの一本目、みえますか?』
『…みえました。ありがとう。』
レイリークは、荷物を受けとると案内人に礼を言い、残りの乗車賃を、若干のイロをつけて支払った。
『お迎えはどうしますか?』
『…いや、大丈夫。』
『まあ、わたしらも毎月最初の日に、領主様への物資をここに置きに来ますから、それに合わせてくださったらのっけてさしあげますよ。』
『わかりました。ありがとう。』
レイリークは、よーっくみるとぼんやり見える黒い何かと、とりあえずチラチラとアピールする赤い旗を目指して歩きだした。