何も知らない私なら。
希望なんてないってわかってるのに、上を見る。
どん底の絶望にいるって気付いているのに、下ばかり見る。
私は何を目指しているの?何を目指せばいいの? さっぱり。
希望って言ったって、叶うものと叶わないものがある。
失ったものは帰ってこない。 そんなことは知っている。
嫌と言うほど気付かされた。 神様なんてこの世にいないと。
信じられるのは自分だけ。 けど、私なんて―――――
どうしようもない人間。
何処にでもいる普通の人間より、下の人間。
きっと、きっと、そうに違いない。
だけど、私にだって意地がある。
まだ、『見返したい』って気持ちだけは残ってる。
でも、どうすればいいの?
でも、ひとつだけわかってる。
私に失うものは何もない。
きっと、私は大切なモノなんて最初っから知らなかったんだから。
私の知っている世界なんて、どうせちっぽけ。
今の私が、私自身のことをそう思っているように。
だから、私は前に進めるはず。
赤ちゃんだって、何も知らないところから立つことを覚え、歩けるようになる。
だったら、私にだってやれるはず。
これも一つの勉強。歩くための準備。 そう思えば、この痛みにだって耐えられる。