第5話 世界を超えて
「姫…瑠璃さんと関係を持ちましたね?」
ちょっと忘れられてた純。彼も真綾の恋人である。
因みに、姫=社長=真綾=マヤリィ。
NIPPON版は呼び名が多すぎてややこしいな。
「僕が気付いてないとでも思ってるんですか?」
「あら、知ってたの?」
真綾はあっけらかんと言う。
純に詰め寄られても余裕綽々。
この世界でも相変わらず二股かけている。
「嫉妬しないのよ?私が両方イケるってことは貴方も知っているでしょう?」
そう言うと女神のような微笑みを浮かべ、
「貴方は特別なんだから、心配しないで頂戴。純、今夜は貴方と過ごそうかしら?」
真綾は彼を抱き寄せる。
(僕は貴女一筋だって言うのに…)
そう思いつつ、純は彼女を心から愛している。
(どんな世界に行っても姫は魅力的だ。そして、僕の最愛のひと…)
「姫、大好きです…!」
「私も貴方のことを愛しているわ、純」
二人は甘く激しいキスを交わす。
…そう、流転の國にいた時のように。
ここは二人の元の世界である、現代日本かもしれない。
けれど、今は早く『流転の國』に帰りたい。
二人は同じ思いを持ちつつも、この世界における自分を生きている。
どんな世界で出会ってもあなたは変わらない。
次元を超えて再会しつづける二人。
運命は決してマヤリィとジェイを離さない。