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20話【龍治】

20話【龍治】



 なおと教室で別れて俺は家に帰ろうとしその足を止めた。


(あいつ、またイジメられてないよな?)



 そんな思いが俺の頭の中から離れない。



 直がイジメられないように俺は小学校六年生から中学一年まで学校には行かず直との距離をとった。俺と関わらなければ直に迷惑かけずに済むだろうという自分勝手な自己満足。それもあったけど、なによりも強くなりたかった。直をどんな奴からも守れるように強くなりたかったんだ。


 だから学校に行かない間は家庭教師はもちろん格闘技や体術などの訓練もしてきた。おかげでケンカとかは多分誰にも負けないと思う。


 その事が、かえって裏目に出るなんて思ってもなかった。



 変に何か嫌な感じがして俺は来た道を戻る。直を探しに行こう。



(もう委員会終わってるはず)



 校舎の時計を確認しながら俺は一旦教室に行った。もしかして帰り支度してるかもだし。少しの期待を込めて教室まで足を運んだが直はいなかった。鞄や荷物もないからそのまま帰ったのかも。



 直の席を横目に俺は戸口にもたれかかりふと考えた。



(もしかして絡まれてないよな……?)



 少し嫌な感じがした。



 昔から、というか。小学校の頃から直と仲良くなってからは特に、直は鈴木たちによくちょっかいをかけられていた気がする。鈴木――孝弘たかひろからしたら今まで仲良くしていた俺が急に直のほうに行ってしまったのが気に食わなかったんだろうと思う。まあ小学生のほんのイタズラ程度なもんだったけど。



『お前ら、仲良すぎだろ。デキてんじゃねーの?』



 そう言ったのも確か孝弘だった気がする。


 でもそのおかげで俺は直に対する気持ちを自覚した訳だけど。



 そんな頃の思い出を引き出して、


(一応、あいつらの溜まり場に行ってみるか)


 念のためと思い、俺は孝弘たちがよくたむろしている倉庫裏に向かうことにした。


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