表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/19

12話

12話



 僕が呆然としていると、


「ちょっと待ってろ」


 短く言ったりゅうちゃんはコンビニから出て携帯でどこかに電話をかけているようだった。


 普通は中学生が携帯なんて学校に持っては来れないけど、りゅうちゃんは『お家柄』と言うか家の事情があってGPS付きの携帯を持つことが許されている。


 どこに電話しているんだろうか。電話をかけているりゅうちゃんの背中を横目にし、僕はとにかく弁当を選ぶのに専念した。



(りゅうちゃん、『俺の家に来ないか?』って聞いてきたよね? あれって冗談とか、じゃないよね……)



 僕はさっきりゅうちゃんが言った事が気になっていた。突然で何を言われたかよく分からなくてボーっとしちゃったんだけど、改めて思い返すと、確かに自分の家に来ないかって聞いてきた気がする。



 ……え、待って。僕りゅうちゃんの家に行くの?



 そんな不安が頭を掠めた。



 だって。


 りゅうちゃんはお金持ちのおぼっちゃまだったから。いくら幼馴染とはいえ住む世界が違いすぎる。確か、世界有数の財閥だって小学校の時に聞いたっけ。それでも小学校の時は何も分からずよく遊んでいたんだけど。


 りゅうちゃんと一年くらい会ってなかったからちょっとなんか距離が出来ちゃって僕はこのままりゅうちゃんと一緒にいていいのかなって、少し不安になっていた。




 そんな事を思いつつ会計を終えるとりゅうちゃんが戻ってきて、

 

「買い物終わったか。じゃあとりあえずなおの家に戻ろうぜ」


 そう言いつつ、りゅうちゃんは僕が持っている夕飯の入ったコンビニの袋を取って早々にコンビニから出て行ってしまった。


「待ってよ、りゅうちゃん」


 取り残された僕は慌ててりゅうちゃんにの後を追った。



「ねぇ待って、りゅうちゃん」


 足早にりゅうちゃんの隣に追いつく。



「あの、さっきの事なんだけど」


 少し息を切らしつつ、僕は気になっていることをりゅうちゃんに聞いた。


「さっきって?」


 僕より少しだけ背の低いりゅうちゃんが上目遣いで僕を見てくる。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ