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生き分かれ 序章  作者: 小口鍋子
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迫られ、生きていく。

人生は分岐点の連続であり、生きている間に「決断」し、そして「後悔」することがほとんどである。

あれをこうしていれば、これをああすればなど、誰しもが1度、心に思ったことがあるだろう。

そんなことを考えたこともなかった僕が人生を変える決断をし、大きく後悔した1年間の出来事だ。



僕は名門大学よりも少し下の大学に通う平凡な学生だ。何がしたいか、どんな仕事がしたいか、受験をする時も、大学に行く目的も分からず、とりあえずいけそうな大学に入った。

いわば、空き瓶のように空っぽな人間だ。


大学に入ってからは、オンライン授業が増え、仲が良いと言える友達は数えるほどしかできなかった。高校の頃の友達と遊ぶことの方が気が楽で楽しい。

だけど、1番楽なのは「一人でいる」事だ。

一人でいる時は何も考えないでいい。

両親の目、周りの目、そして、友達の目を気にして、怒られないように生きているこんな自分には特別な時間だ。


「今日、バイトか。」

1時間半の通学にの帰り、バイトがあることに気づいた。僕はいつも通りに向かう。はずだった。

その日の僕は、勉強、交友関係、アルバイト、

全てのことに嫌悪感を抱いた。

逃げたい。逃げたい。逃げたい。

気づけば最寄り駅から少し離れた河川敷に来ていた。

「これは、クビかもな〜。」

やってしまった。という感情とともに、少し清々しい気分になっていた。

夕暮れの河川敷に1人座る僕は、後々に怒られることを考え、自己嫌悪に陥りそうだった。

そんな時、隣に人影を感じた。

恐る恐る振り向いてみると、

清楚と言うよりかは少し荒々しさを感じる

綺麗な金色の髪色をした同い年くらいの女性が

僕の自転車に乗っていた。僕は驚いた。

「何、してるん、です?」

「ん〜。さあ?君はさ、何してるの?

君は君なの?」

問われている意味がこの時は分からなかった。

その時だった。

彼女は川へと自転車で突っ込んで行った。

「え。」

そんな彼女は、笑顔が綺麗で、まるで自由を象徴するかのようだった。

「君も、コッチにおいでよ。」

彼女は、僕を自由へと連れ出そうとした。

そんな自由な彼女が羨ましく見えた。

僕は、全てから取り払われたような気がしたので、川へと走り、彼女の元へ飛び込んだ。

あぁ、なんて心地いいんだろう。




ここだ。

俺が間違えた人生の分かれ道は。


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