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ある知的障害者の物語  作者: トムルンカカン
3/5

この学校でも自由に寝る

僕、《真柄 純》は悩んでいる。それは学校の昼休みだ。学校の昼休み、それは生徒にとっては一時の苦痛からの解放…なのだが、俺は一人になれる所を好むから教室から出てからと言うもの、どこ行っても人、人、障害者、障害者、ばかりで全ッ然!苦痛から解放されないでいる。これには俺も溜息が出る。


「はぁ…正直、ダルい。本当、どこ行っても先生か生徒しかいないのか…」


そんな独り言を言いながら情報収集しながら校内を歩き回った。校舎よっては、3階建ての建物もある。だからどこか一息つける場所ぐらいあってもいいんだと思うだけどな〜って、思ったのだが…、やはり見つからないし、結局…昼休みは場所探しいるうちに終わった。昼休みが終わってからの流れは、クラスの奴らと給食の食器を分担して片付けて、掃除して、午後の授業という流れだ。


で、これまた午後の授業は辛い。なにが辛いって?どこの学校でもあるよくある話だ。眠くる所だ。腹一杯、ご飯を食べて血糖値が上がって、眠くなるのはどこの学校へ行ってでも社会に出ても良くあることだろう。まぁ、僕はそんなことは気にせず寝るんだけどね。そんなこんなで午後の授業は寝て過ごしていたら、起きた頃にはクラス会も勝手に終わっていて、僕は一人教室に取り残されていた。正直、起きた時は気分は最高だった。それは教室には誰もいないのだからだ。気を使う必要もないから気楽なもんだ。その後は、職員室行って、先生にありがたいお言葉いただいた後に定期と携帯をもって、家に帰った。ありがたいお言葉ってなにかって?そりゃ説教だわな。


「真柄、授業するきあるのか?」

「ある。でも眠いから仕方がねぇーじゃん」


ここで「ない!」なんて言ったら、また説教が長くなるから誠意だけは示しとかねぇーとな。


「眠いからって、みんな真面目に勉強してるのにお前だけそうやって甘えるのか?そんなんで許されるとでも思っているのか?」

「しらないですよ。僕だって頑張ってるんですからそこは認めてくださいよー」


面倒くせぇなー。早く帰りたい。赤石がしたいし、早くフレンドと遊びたい。正直、この学校の勉強内容は小学校レベルでイライラしている自分もいるわけで納得できない部分もある。小学校レベルの勉強が、何が勉強なのか、全くもって意味不明だ。


「わかった。次、寝たらどうする?」

「そうですね…わかりましたよ。次寝たら、俺は帰りますよ。それでいいですか?」


ここからまた担任との攻防が始まるのであった。内容?こんな感じに。


「あ?なんで帰るんだよ!お前!自分が何言ってんのかわかってんのか!?」

「は?最初に帰るかって、提案してきてたのはあんたの方だろう?あんたこそ何言ってのかよく考えてみれば?俺が言ってること間違ってるか?」

「いや…確かにそう言ったが…」

「そうだろ?何がダメなんだ?いいから定期と携帯を返せ」


先生は黙り込んでしまった。悪いが僕は言いたいことははっきり言う。だって、正しいのだから。先生もそれを望んでいるんだろうからね。先生は僕を障害者だと舐めていたから揚げ足を取られる結果になったのだ。だから正直、僕はこの先生は大っ嫌いだ。


「わかった。とりあえず、携帯と定期は返す」

「そ、じゃーさいならー」


そう言って、教室から出ようとした瞬間、また先生に呼び止められた。…だが、僕はそれを無視して下駄箱まで歩き出した。なぜ止まらないって?もう下校時刻すぎてるからだ。先生は僕の横を歩きながら今後、どうするかを相談してきた。


「真柄、今後どうするんだ?先生もね…先生だからそれなり仕事しないといけないんだよ。一応義務教育だからね」


真柄は歩きながら溜息をついて言った。


「…わかった。授業はできるだけ参加するけど、眠くて眠ってる時は邪魔しないでくれ」


小学校の時も中学校のときもそうしていた。眠い時は、特に僕は情緒不安定になるからそっとしといて欲しかった。僕の眠りを妨げた場合、どうなるのかと言うと、まず人の話を聞かない。1日の授業を無視し、逃げ、隠れる。そして帰る時間になったら帰ると言う、戦法を取るようになる。この行動が問題児と言われる由来の元である。そうやって、あらゆる先生を敵に回してきた。自慢じゃないが、数十人の僕の担任の先生を入れ替えた実績もあった。


「わかった。じゃ〜明日から頼むぞ!」


そう言い、納得したのか、先生は職員室にもどっていった。僕も言ったからには守らないといけないな。この知的障害者の高校生活もまだまだ長くなりそうだ。

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