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ある知的障害者の物語  作者: トムルンカカン
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卒業、そして

更新はしないかも?

 春、僕は長い中学校生活から卒業した。


 中学校生活は勉強もせず、ひたすらいじけていた時期だった。テストも評価も最低。でも今はそんなのどうでも良かった。ただ…生きるのが辛かった。それだけだ。卒業式も終わり、学校の校門では母親が待っていた。母親はニコニコして言った。


「卒業おめでとう!どう?卒業した気分は?」


 どう?って、そんなの決まってるじゃねーか。


「クソくらえだよ。未練もクソもねぇーよ」


 僕には友達はいない。だから学校の校門で卒業記念を撮ってる奴らは…なんとも滑稽だった。


「もう〜問題ばっかり起こして〜。少しは親を労われ!」

「労ってるじゃねぇーか。もういいから帰ろうぜ」

「待って!先生に挨拶しなくていいの?」

「挨拶はとっくの昔に済んだよ。行くぞ」


 先生か。めちゃくちゃ世話になった。授業もまともに受けずに寝て過ごす僕を許してくれた。いや、違うな。ほとんど、脅してそうさせたようなもんか…。まぁ…どうせどんなに勉強を頑張っても僕には無駄だからな。だって僕は………


 ウルトラ級の問題児の『知的障害者』なんだからな。


 何故、そこまで大げさなのかは話せば長くなる。とりあえず、今日みたいにいい天気の日は弟と外で遊ぶことにしよう。最近はテニスを教えてくれの一点張りだからな。


「おっかあ。車で来てるんでしょ?」

「そうよ!この後、夜勤で仕事行かないといけないから!」

「あ、そう」


 そんな会話をして、卒業式の日は終わった。次の入学まではひたすら家で赤石して遊んだ。


 入学式当日…。


 正直、行きたくなかった。何故?簡単だ。その学校は障害者養護学校だからだ。プライドなのだろう。イライラが半端なかった。母親はこう言った。


「ちゃんと通いなさいよ!携帯も買ってあげたんだし!」

「はいはい。わかりやしたよーだ!」


 こうして僕は障害者養護学校に通うことになったであった。春、入学式も終わり、家から電車で通うようになった。いきなり私情なんだが、何が一番めんどくさかったのかと言うと服装だった。この学校は、私服通学だった。電車に乗るたび、すれ違う学校の制服着ている人が羨ましかった。だって、制服だけならオシャレなんて気にせずに通えるのだから羨ましかった。


 駅から20分歩き、学校につく。下駄箱に靴を入れ、自分の教室に向かった。が、この時点ですでに帰りたかった。何故なら教室はプレハブだったからだ。中は綺麗だったが、何か許せない何かに思えてしまった。自分の教室に入ると、すでに一人の女子が窓際で座っていた。その女子の体型はちょっと太めで、髪はポニーテールで腰まで伸びていて、クールな人っぽかった。一応、挨拶しようと思ったが、何か大きな壁を感じたからやめた。しばらく、席で授業始まるまで待っていると続々と生徒が入ってきた。


 中学の時は、あまりの問題児だったので先生と一対一だったので複数の生徒と一緒になるって言うのが新鮮味を感じた。そこからはいつも通りって言うのか、朝礼をして、自己紹介して、本日の授業は終わりだった。自己紹介の時にわかったのだが、朝一番に来ていた女子生徒は三年生で、名前は三浦って人だった。正直、どうでも良かった。女子なんて感情論で物事を進めようとするから嫌いだった。


 帰り、下駄箱に向かうと複数の生徒達がワイワイしていたが、僕は無視して帰った。その日でわかった事は3つ。いじめはない。僕だけじゃなくプライドを持ってる人もいる。バカがほとんどって事だった。僕は絶対にそいつらと仲良くはならないと心に誓い。家に帰った。


 これがとある僕の知的障害者のプライド物語。

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