帝王は、妃達の仲を取り持つ
カルワは次の日、咲宵とも婚約したと言う事を他の妃達に伝えた。テーブルを挟んで俺と妃達3人は対面している。
当然一波乱あり、
「やっぱり咲宵とそう言う関係じゃ無いの‼︎昨日のアレは嘘だったの!?」
「この浮気者‼︎同級生を何人娶るつもりですか!?次はカミラさんですか!?アウローラと一緒に姉妹でおいしく頂くんですか!?もう知りません‼︎‼︎」
「わ、私は別に構いませんけど…」
最後の言葉はアウローラである。この言葉を言った直後、イブとケシャナに睨まれ、萎縮してしまった。
「…そりゃ、増えないに越した事は無いだろうが…仕方ないだろ。好きになってしまったんだから」
「仕方ない!?本当に反省しているの!?」
「…反省?…と言うか今まで黙って聞いていたけど、前にイブとケシャナは別に増えても構わないって言ったよな?」
「そ、それは…」
そう。よくよく考えたら俺、怒られる道理が無いんだよな。
「妃が増える事も承知で俺と婚約した筈だが?…それに、アウローラの時はそんなに怒ってなかったよな?何で咲宵の時だけそんなにムキになってるんだ?」
イブとケシャナは下を向いてバツの悪そうな顔をしている。俺はその姿にだんだん腹が立ってきて、机を叩いた。
「おい、何で無視してるんだ?
それとも…言えない事でもあるのか?」
これでも2人はまだ喋らない。
全く…往生際の悪い…
「2人が考えている事、当ててやろうか?まず、アウローラの時に怒らなかったのは、脅威と感じなかったらからだろう」
ビクッと2人の肩が跳ねる。
…図星の様だ。
「相手はまだ11歳で自分達より女としての魅力に劣る。そして、俺と結婚出来るのも当分先だ。だから自分達に分があると思ったんだろ」
…否定も肯定もしない。だが、反論しないと言う事実が俺の想像が間違いでは無い事の証明になる。
「だが、今回は違う。自分達と同じ歳。イブは親友だから良いところを知っている。ケシャナは…胸囲か?とにかく焦ったんだろう?それが意識的か無意識かは置いといて、それが今回の2人の怒り原因だ」
そこで一旦言葉を区切り、3人を見渡す。2人はさっきよりも下を向きもはや蹲っていると言ってもいい。
「…都合が悪くなったら逃げるのか。良い身分だな。…実際良い身分か。帝王の妃だもんな」
ここまでして漸く2人から反応が帰ってきた。嗚咽である。泣いたのだ、普段はどれだけ揶揄っても怒らないカルワにここまで言われ、2人の瞳からは涙が絶えず流れ続けた。
「…それは自衛の為か?それとも武器として使っているのか?どちらにしろ不愉快だ。やめろ」
「何、で…ヒック…何でそんなこと言うの?…私達、そんなつもりじゃ…エェェェンンン‼︎」
「ごめ、なさい…ズズッ…これからは、みんなでぇ!仲良くじまずぅ‼︎」
「わたじもぉ!ごめんなざいぃ‼︎」
「なら良いんだ!」
突然跳ね上がるカルワの声色に3人は目を大きくさせてカルワを見る。
「本当は俺もこんな事したく無かった。けど、さっきのアウローラに対する2人の行動を見て思ったんだ。2人は妃の中でも上位でいたいんだなって。でも、それじゃ駄目だ。俺は全員を平等に扱いたい。年齢とか、いつ俺の妃になったとか、そんな事気にして生活するのも嫌だろう?」
妃達はうんうんと頷くばかりだった。しかし、仮にも実力主義を謳う帝王が口に出して良い言葉なのだろうか。誰かが尋ねた。
「うん?実力主義は過程であり道具だよ。俺が本当に作りたい世界は全てのちゃんとした生命が幸せに暮らす世界だ。それこそが俺の目標。だから、幸せになる事を最優先したら良いんだよ」
こうして、カルワは無事に咲宵との婚約を報告する事が出来た。因みに咲宵は昨日のカルワの大胆な行動のせいで熱を出し、寝込んでいたのだった。
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