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帝王は、蘇り目的の人物を探し出す


「あ、そうそう。言い忘れてたが蘇生は何回でもしてやるぞ?どっかのケチ臭い神みたいに一回だけ!とか言わねぇからどんどん死んで良いぞ」


「あ、りがとうございます…」


「でもなぁ…お前。俺の事、幻影見せるだけの雑魚みたいに言ってたしなぁ。やっぱあと2回な。因みに、アイツには絶対なる敗北者発動しないから、そこんとこヨロー。じゃあ今度こそバイバイ」







「…でして、つきましては帝王陛下に御確認を…」


ここは…執務室か。本当に生き返った…のか?あれも…幻影だったんじゃないか?


そう思うも、奴に殺された時の不快や恐怖が心を襲う。俺は自分が殺されたと言う事を再確認した途端に吐き気を催した。


「…陛下?お身体に異常が?」


「…大丈夫だ。ひとまず下がってくれ」


「ですが…「いいから‼︎…頼む」


「ッ…畏まりました。失礼します」


ウブッ…オエェエエェェェ!ゲボッ、ゴボッ……ハァハァ…ウッ!ゴボボッ…


…怖い。死ぬのが怖い。

…恐ろしい。殺されるのが恐ろしい。

…嫌だ。もう2度とあんな思いはしたくない。


…探さなくては。奴を正気に戻してくれる人物を!


まず俺は国民に、神夜 絶魔と言う名前に心当たりがあるか尋ねる。そして、心当たりのある人物はアッサリと見つかった。それは咲宵であった。執務室に来てもらい話す。


「…で、ウチの兄貴がどないしたんや?」


「兄貴?って事は…異世界から来たのか?」


「ん?言ってへんかったっけ?

地球の日本の大阪から転移してん。本名は神夜 咲宵や。…で?結局兄貴が何なん?」


「…実は……」


俺は事の全てを話した。そして、


「頼む!俺と一緒に他大陸に行ってくれないか?」


答えは…


「え?…嫌や。遠慮しとくわ」


NOだった。


「な、何で…また、俺は死ななきゃいけないのか!?嫌だ‼︎絶対に嫌だ‼︎後生の頼みだ!お願いします‼︎」


俺は床に頭を擦り付け、必死でお願いした。普段の俺からは、想像も出来ない様な行動、言動。死んだショックは自分が思うより大きい様だった。


「んー。いやな?何で最初のデートが兄貴と会う事なん?って言うさぁ…」


と、どこか恥ずかしそうにする咲宵。

その言葉に俺は疑問を覚え、


「え?…何処からデートなんて話が出てきたんだ?別に2人でとも言ってないが…」


と言ってしまった。動きが完全に止まり、数秒。カァーッと紅潮していく咲宵の顔。


「ちゃ、ちゃうからな‼︎イブが惚れてるっちゅう奴がどんなんかと思ってたら想像してたより良くて自分も惚れてもて、でも、イブは親友やし。アンタもイブの事好きやしなんかいつまで経っても付き合えなさそうやったから、自分を押し殺してでもって思って合宿ん時やったけど去っていくアンタ見ながら涙流したとか全然そんなんちゃう……って!ウチは何を口走っとるんや!?」


ウワーンと言う擬音語が似合いそうな様子で走って執務室から出て行ってしまった。少しドアを開け、ジト目でこちらを見ながら


「と、とにかく!ウチは絶対行かんからな!」


と言ってダッシュで去っていった。

…死への恐怖と咲宵の気持ちで頭パンクしそうだ……


…あれ?当初の予定では咲宵のツンデレなんて無かったぞ?どうしてこうなった…

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