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帝王は、緊急会議を開き他大陸へと飛び立つ

新章開幕!

最終章です。どうか最後までお付き合いください。


「皆、前置きは省く。今回の会議は他でも無い、帝国の存亡に関わる一大事だ。詳細については資料を見てくれ」


「質問があります。敵は本当に帝王陛下よりも強いのでしょうか?戦艦を無傷で撃沈する事など、陛下も可能なのでは?」


「恐らく。確証が無いのが痛いが、俺の称号から世界最強が1つ消えた事から考え出された最悪の想定だ。これからはそれを元に行動してくれ」


「具体的には我々は何をすればよろしいのでしょうか?」


「そうだな…まずは俺とジャンケンをして勝ってくれ。それでお前たちのスキル、ステータスを獲得出来る。俺はパーを出す」


……


「これでマシになってくれると良いんだがな…30分後には他大陸に向けて飛翔する。申し訳ないが今回の戦いにはお前たちでは役不足だ。万が一俺が死んだ時の為に城に食料等を蓄えておいてくれ」


「…我々は…肝心な時に何も出来ないのか…!」


「適材適所だ。敵を殺すことは俺にしか出来ない。お前たちには民を守ると言う大切な使命があるだろう。忘れるな、帝王あっての帝国だが、民あっての国なのだ。…任せたぞ」


「ッ…‼ ︎…畏まりました!どうか御武運を‼︎」


「帝王陛下、こんな時になってしまうのですが、御耳に入れておきたい情報が」


「話せ。手短にな」


「帝王陛下に王位を授かると、職業として獲得出来る事が確認されました。また、加護と同様の効果が付与される様です。後出航の前に我々に王位を授けて頂けないでしょうか」


「…良いだろう。

暗部長、帝王より王位を授ける。

貴様はこれより暗部王となれ」


「ハッ‼︎身に余る幸せ。ご期待に応えられる様、精進します」


「よし、次だ」


こうして俺は全員に王位を授けた。

そして、出立の時…


「旦那様!私も行くわ!」


「カルワくん!私も連れて行ってください!」


「くどい。何度も言わせるな。国民をむざむざ死にに行かせる訳にはいかん。諦めろ」


「嫌よ‼︎ずっと一緒にいるって決めたの!旦那様が死地に向かうと言うのなら尚更1人で行かせる訳にはいかないわ‼︎」


「イブの言う通りです‼︎私達なら戦力にもなれる‼︎」


「…ハァ。イブ、ケシャナ。これは自殺じゃない。他の者にとっては死地だが、俺が死ぬ程では無いよ。だから安心してくれ」


「そんなの…そんなの、信じられる訳無いじゃない…!」


「別にその敵がこちらに向かってくる確証は無いんでしょう?本当に行かないといけないんですか?」


俺はイブの肩を掴み、目をジッと見て言う。


「イブ、俺を信じろ」


ケシャナにも同様にして、


「ケシャナ、ここまで来られたらもう終わりだ。ここは実力主義の帝国。才能や能力はそれが最も活かされる場所に配属される。帝王がそれを破ってしまったらこの国は只の虚像になってしまうだろう?」


2人は声を押し殺しながら泣いていたが、少しすると涙を拭っていつも通り、笑顔で


「旦那様…」

「カルワくん…」


「「行ってらっしゃい!無事に帰ってきてね」」


と言われた。


「あぁ」


そう言うので精一杯だった。俺は目元を見られる前に飛び立った。


イブ…ケシャナ…すまない。

きっと…ただ今を言う事は、もう2度と




ない


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