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帝王は、妃達と温泉に浸かる


部屋に入って座ろうと思ったのだが、椅子が見当たらず、周りを見渡していると女将が、


「その座布団にお座り下さいませ」


と教えてくれた。言われるがままに床に敷いてある薄いクッションに座る。これが他大陸の文化か…


「うーん…何というか少し落ち着かないわね」


「まだ慣れていないだけですよ。それより、いつから遊園地に行きますか?」


「そうだな…今日はもう遅いから明日の方が良いんじゃないか?」


「では私はこれにて。ご用があればいつでも御申し付けくださいませ」


そう言って女将はスススッと去っていった。


残された3人。部屋は1つ。

…あれ?同じ部屋?


「イブ、ケシャナ。予約してる部屋ってもしかしなくてもこの1つだけ?」


「「はい」」


…マジかぁ。温泉一緒に入るって聞いた時から何かおかしいと思ってたんだよな。……えっ、何?寝るのも一緒って事なのか?…良いのか?


多分、顔に出ていたのだろう。ケシャナは俺が考えている事に対する2人の気持ちを言った。


「安心して下さい。お互いがお互いを見張っておくのでそう言う事はこちらからは求めませんので」


そ、そうか…ん?こちらからは?


「でも…旦那様から求めてくれたら、私達は応じる覚悟は出来ているわ」


「…………あ、はい」


やっぱり女心はよく分からないな。温泉はあんなに恥ずかしがってたのに、そっちには全然恥ずかしがらない…普通逆じゃ無いのか?と言うか…良いのか……いや!ダメだダメだ!そう言う事はもう少し大人になってからだ!いや…でもなぁ……


悶々とした気持ちを抱えながら『舟盛り』という魚料理を食べた。上に乗っている魚が殆ど知らない魚だった事に驚いた。


そして……


「じゃあ、そろそろ……お、お風呂入る?」


切り出したのはイブであった。心臓が強く脈動する。それに便乗する様にケシャナも


「そうですね。もうそろそろ入っておかないと寝る時間に影響しますね」


堂々たるケシャナの物言いに、2人はケシャナが既に風呂に対する覚悟も決めている事に気づく。


ならばこそ、それに応えるのが男であり、将来の夫として相応しい行動であろう。


「そうだな…じゃあ入るか」


………………

…………

……


チャッポーン…


「フゥー…気持ちいい!温泉って何か良いわね。心が落ち着くと言うか疲れが流れると言うか…」


「そうですねー。帝都にも温泉が有れば良いですねー。ハァ……癒されるぅ…」


「…うん。確かに気持ち良いんだけどさ」


「?どうしたの?」


「いや、何で盲目付与されてんの?」


「うーん…まだやっぱり恥ずかしいかなって」


「じゃあ別に一緒に入る意味は無いのでは?」


「そんな事無いですよ。私達は事前に学べますし…いろいろ」


……あとでもう一回ちゃんと入ろう。と思ったカルワであった。


遅れてすいません。明日も更新する予定です。

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