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敗北者は、入試を受ける

王都までは馬車で2時間、歩くと半日くらいかかるらしい。俺は、足腰の強化の為に歩いて行く事にした。道中は、何事も無く7時間程で着いた。日頃の鍛錬の賜物だな。


王都を囲む城壁が見えてきた。ちなみにあの壁は50メートルの高さだとか。そして、王都に入る前に門をくぐらないといけない。

この門は魔道具で、まず法律やルールが書いてあるものを読み込ませる。すると、その法律やルールに違反している者はくぐる事が出来ず、独房に転移させられる。と言う仕組みだ。

門をくぐると、そこには美しい街並みと沢山の人が飛び込んで来た。そして、王都の中心にある一際目立つ建物こそが王城である。そのすぐ近くにちょこっと見えている建物が学校だ。俺は真っ直ぐに進んでいった。



しばらくすると、学校に着いた。

学校の門の前にも、魔道具(ATMみたいなもの)が置いてあり、喋りかけてきた。


「マダニンショウサレテイナイジンブツヲカクニン。ゴヨウケンヲドウゾ。」


これには、正直度肝をぬかれた。俺は少し動揺を隠せないまま質問に答えた。


「えっと…推薦状が来たから、この学校を受けに来た。…あ、あった。これがその推薦状だ。」


その魔道具は、推薦状を渡せと言ってきたので渡し、30秒くらい待つと


「ショウタイジョウヲカクニンシマシタ。コレヨリアナタハジュケンセイトシテニンショウサレマシタ。…セッシカタヲヘンコウシマス。ふぅ、やっぱ疲れるわぁ。じゃあ、あの大きい建物に入ってね。筆記と実技のテストと面接があって、最初は筆記だから。頑張ってね!」


それはまるで人間の様な喋り方で、またもやびっくりした。…人間が喋っていたのか?

俺は、ほおを叩き気合を入れて試験に臨んだ。


筆記は、まあ簡単だった。科目は、社会史、戦闘理論、数学の3つしかなかった。


問題は実技だ。俺は強い。が、勝負には絶対に負ける。だから勝たなければならない試験なら100%落ちる。俺は試験監督に案内されるまま闘技場に向かった。…苦い思い出が蘇ってくるな。だが、あの時のなす術もなく無様にやられる俺はもう死んだ。…必ず復讐してやる。


「カルワさん?大丈夫ですか?」


ふぅ、今はまだその時では無いだろう。冷静になれ、カルワ。


「はい、大丈夫です。ちょっと緊張してて…」


「そうですか。では、少々お待ちください。試験官を呼んで来ますので…」


そう言って連れてきたのは70歳程の老人だった。

歳の割には健康そうだし、何よりその体から発せられる強者としての威圧感。…この爺さん、只者じゃあねぇ…一回言ってみたかったんだ。


「ホッホッホ、待たせてすまんかったのぅ。儂はこの学校の校長を務めておるエリック・キンホーテじゃ。儂が君の試験官 兼 面接官じゃ。儂との面接をしながら儂に一撃でも食らわす事が出来れば実技はそれで合格じゃ。」


エリック・キンホーテだと!?あの伝説の『賢者』?…まさかそんな大物だとは…


ドゴン!


「おぉい、小僧。何をボサッとしておるんじゃ?実戦に始まりの合図があるか?ここは、協立英雄学校‼︎実力だけが物を言うこの場所で!!油断していい時など無いわ!!!」


俺は殴られると同時に思い出した。『賢者』のもう一つの二つ名…『戦狂いくさぐるいの破壊神クラッシャー』を…

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