帝王は、久方の敗北を覚える
その者とは言うまでも無くアウローラである。肩で息をしながら震える手で剣を支えに立っている。
「…何故、まだ立つ?貴様らの実力では俺に攻撃を与えることは不可能だ。わざわざ俺に言われなくともそれくらいは理解出来るだろう?」
帝王は疑問を投げかける。その言葉に侮蔑や嘲笑の感情は感じない。ただ不思議に思ったので聞いているだけだ。
それに対し、アウローラは
「私は……あなたの…側にいたい…!ずっと1番近くであなたを知り、理解したい!…その、為なら…不可能なんて!知った事じゃない!!!」
言い終わると同時にアウローラの体からは先程とは比にならない程の力を感じた。
限界突破か限界超越のスキルを使用したのであろう。自らの肉体の損傷をも顧みないその姿に、帝王は敬意を表し限界超越のスキルを使用した。
共に、出せる力を最大限に発揮した状態。次の一撃で勝負は決する。
アウローラは自然回復により、手の震えがいくらかマシになり剣を構える。
一方の帝王は奥義の準備に入っていた。
2人が放つ検圧に周囲の者は畏れ慄き、だが果てしなく続くその道に限りない神性を感じ取った。
2人は一切の動作を行わない。読み違えた方が敗北する。たった1呼吸でさえもこの場では命取りになる。それ程に高次元の戦い。一挙一動でさえも見逃してはいけない。
ツーとアウローラの額から一筋の汗が流れ落ちる。そしてその汗は顎に達し…
ポトン…
その音が鳴る前に勝負は終わっていた。先に動いたのはアウローラであった。それは文字通りの光速。人間の目では像が切り替わる前に動作が終わっていた。
上段からの振り下ろし。それは帝王の頭に吸い込まれるかの如く当たった。
かの様に思われた!しかし、帝王は紙一重でその攻撃を躱し、絶敗帝剣術奥義 無敗を放った。
そして、アウローラは壁まで一直線に飛んでいき放射状の亀裂をいれ、ガックリと首から力を失った。
ドゴオオオォンン!
遅れてやってきた音にハッと我に返った受験者達。壁に埋まったアウローラを見てこうべを垂れて項垂れた。
だが……
ツーと帝王の額から血が流れていた。それは紛れもなくアウローラがつけた傷であった。帝王はニヤリと笑い
「お前ら全員合格だ」
と言い放った。
今日起きたら12時過ぎててびっくりしました。
人間って半日寝てられるんですね…
そんな事より、昨日更新できずに申し訳ございませんでした!!
い、言い訳としましては実は今部活の合宿でして…書いている暇が無かったという…事に……





