帝王は、帝王選抜試験を開催する
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〈帝王の執務室〉
コンコンコン
とノックの音がする。
「入れ」
「失礼します」
そう言って入って来たのはサリーだった。その腕には封筒が抱えられている。
「帝王陛下、ようやく完成いたしました。『帝王選抜試験』の草案にございます」
『帝王選抜試験』とは以前から意見が多かった「俺の方が帝王に相応しい」と言う者が、本当にそうなのか確かめる為の試験だ。この事を議題にしてからまだ1週間しか経っていないのだが…流石は帝王城勤務、仕事が早くて助かる。
…なるほど、概要はこうか。
帝王選抜試験は3つの試験から成り、1つ目が学力試験。2つ目が適性試験。最後に戦闘試験。
学力試験では、地頭の良さや咄嗟の判断力等を検査。
適性試験では、その者の性格や才能を考慮した適性職を判断する。また、その際に性格に難があり、かつ犯罪を犯す危険性があると判断されれば一定期間の監視・拘束が課せられる。
そして戦闘試験では、現帝王と戦い1度でも攻撃を当てられれば合格。
学力試験で首位かつ適性試験で帝王に適性があると判断され、更に帝王に攻撃を当てて初めて帝王候補になれる。
帝王候補になった者は帝王の執務を側で観察し、また帝王もその者に帝王が務まるかどうかを審査する。審査も合格する事が出来れば一先ず1年は試験を行わず、候補生の教育に力を注ぐ。合格できなかった場合は2ヶ月後に再び試験を行う。
「…1週間でよくここまでまとめたな」
「その言葉があればこそです。
仲間たちにも伝えておきましょう」
あとはいつするかだが……明日?
……よし、それで行こう、善は急げだ。





