帝王は、呆気なさ過ぎる結末にやや落胆する
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午前9時55分、俺たちは王国の門の前に広がる草原で王国からの返事を待っている。今ここにいるのは、俺と護衛役の刀神(兵士長)。それと、将軍3人だ。
「…暇だな」
「「「…ですねぇ」」」
「…では、賭けでも致しますかな?」
「賭け?」
「王国が我らが帝国に『降る』か『降らないか』でどうでしょう」
「…そんなの賭けるまでも無く『降らない』だろ」
「…そうですか、将軍も?」
「「「無論」」」
「では、私は全財産を『降る』に賭けましょう。もし、私が勝ったらそれぞれに1度お願いを聞いてもらうとしましょうか」
「…え?お前、マジで?」
「大マジですよ。王国は今までの国とは規模が違うのですから馬鹿みたいに突っ込んで来ることは無いと思われます」
…いや、プライドとか無抵抗で敗北する事への屈辱とか…あるんじゃねぇの?
「一先ず、賭けは成立という事でよろしいですかな?」
「俺は良いぞ」
「「「異議なし」」」
…お前ら今日ハモリすぎじゃね?
と、考えていると王国の門が開き使者が現れた。
「…では、返事を聞こうか」
「ハッ!我々ガルムピト王国は帝国に永遠の忠誠を誓う事をここに宣言します!!」
…………マジか…クッソー負けたぁ…
「ん…そうか。じゃあ国王に会いに行こう」
「えっ!?今からですか?」
「あぁ、何か問題でも?」
「えぇと、その…国王様はただ今開戦派の連中を宥めている最中でして…」
「尚更行こう。帝国に与する事を拒む者など我が帝国には不要だ」
「わ、分かりました。ご案内します」
〈移動中…〉
「です…ら!何度…申し…る様に!!」
扉越しでも聞こえるって…どんだけ喚き散らしてるんだよ。五月蝿えなぁ…
ガチャ!
「入るぞー。お?結構綺麗だな」
中には椅子に座って冠を被ったイケメン中年とテーブルを囲んで5人ほどのthe貴族風な奴が。中でもリーダーっぽい奴が
「誰だ貴様!ここは貴様の様なクソガーー
言い切る前に首を切り飛ばす。
空間魔術で血が飛び散らないようにする。
「俺をクソガキ呼ばわりとは…
怖いもの知らずだな」
場は水を打った様に静まり返る。
沈黙を破ったのは冠を被ったイケメン中年だった。
「あ、貴方様は…帝王陛下であらせますか?」
「いかにも。で?そこにいる奴らが帝国の国民になれるこの上ない幸運を愚かにも棒に振ろうとしている奴らか?」
俺はそいつらをジッと見定める。
中には気を失いそうになっている奴もいた。
…………威圧は十分かな?
「お前達にもう一度チャンスをやろう。
我が帝国に従え。俺に傅け。
従わないのなら…分かるな?」
「「「「わ…我ら一同、帝国と貴方様に忠誠を…」」」」
「よし、じゃあ俺国王と話しあるから出てってくんね?」
「「「「畏まりました!!」」」」
と言うと、蜘蛛の子を散らして帰っていった。
「…それで、話とは一体何でございましょうか?」
「単刀直入に言う。カミラの家族を解放する」
二話前のメイドの部分を加筆修正しました。
今後の展開に関わってくると思うので暇な時に読んで頂けると幸いです。





