敗北者は、仇敵を知る
僕はどうやら抱き抱えられ乱暴に落とされたようでお尻がジンジンと痛んでいる。
「サラーマ、本当にコイツの家名はエリザードだったんだな?」
「二回も言わせないでよ、そうだってば!」
「...何か知っているのか?ガズール」
僕は...イブちゃんに...いや!まだ嫌いって言われた訳じゃないんだからら諦めるにはまだ早い…筈だ。...そういえば、英雄さ...達は何を喋っているんだろう?
「我が、乗っ取った国の旧名が、エリザードだった。ここまで言ったらわかるだろう?」
ガズール以外の二人は、心底びっくりしていた。エリザード?…聞いたことがないな。それが僕の家名?で、乗っ取った?って事は…
「ん?起きていたのか負け犬の息子よ。…ところでお前の父親はいるか?」
「……じ、事故で亡くなったってお母さんが言って…いた」
僕は絞るように声を出した。
だが、すぐさまガズールはそれを否定した。
「まぁ、子供にはそう伝えざるを得ないだろうが、それは、真実ではない!お前の父…元エリザード国王を殺したのは…我だ!!!!」
予想はしていたものの、やはり他人の口から聞くとその言葉は、深く深く僕の心に突き刺さる。
「しかも、お前の母親…傷だらけだろ?あの傷も全て我がつけたのだよ」
そして、ガズールは自慢気に過去を話し始めた。