敗北者は、幼馴染に想いを告げる
俺は後悔と自責の念、罪悪感に苛まれた。こんな言葉で許してもらえる筈が無いと分かっていても。自己満足と分かっていても。自らの心の安寧を得る為に謝罪の言葉を発する。
「…す、すまなかった。お前達を勘違いで「あ、そう言うんええから」
「…え?」
だが、その期待は裏切られた。
それも、俺が全く予想していない方法で。
「別にみんな怒ったりしてへんし。それどころかどうやったらあんな強くなれんねやろ?って思ってるから。みんなアンタと友達になりたいからってチラチラ見てたやろ?」
あの見られてたのにはそんな意味が…?てっきり新しいイジメを思いついたのかと…ダメだな、俺は復讐に染まり過ぎていたみたいだ。
確かに人は、万年洗っても落ちない穢れを更に腐らせたみたいな奴らばかりだが、そう言う奴らだけでは無いんだな…
「ちゅうか、早よ行ってきいや。せっかく止めたったんやから」
…ん?今頭をよぎった厨二病みたいなのは何だ?…まぁ、忘れよう。で、何の話だったっけ?あぁ、行ってこいってか…
「えっ…どこに?」
「それが分からん様な鈍感系でも無いやろ?」
「…勝算はあるのか?」
「ウチの口から聞くんか?」
「…」
「…」
「……行ってくる」
「頑張ってきいなぁ」
俺は走り出してから、イブがどこにいるのか分からない事に気付く。
…本なら愛の力とか何とか言って結局出会えるが、異世界でそんな偶然が起こる訳が…あ、いた!あの夕焼け色の髪、間違いない、イブだ!
全一…様が言っていた《ふらぐ》って言うのは本当だったのか。
「ィ、イブ!!!」
久しぶりに呼ぶイブの名前。気恥ずかしい様な怖い様な…でも!俺は決めたんだ!!例え酷い振られ方をされたとしても!絶対に告白すると!
こちらを振り向いたイブの黄金色の瞳に写っていた感情は何だろうか?急に名前を呼ばれた事に対する驚きだろうか?大衆の面前で大声で呼ばれた羞恥だろうか?…自惚れかもしれないが、待ちに待った俺の告白をやっと聞けるという喜びだろうか?
「…何?あな…ハッ、間違えた!…カルワ君」
あな?いや、気にしている暇はない!伝えるんだ!
「…急にこんな事言われても困るだけかもしれないけど…伝えたいんだ!この想いを!
聞いてくれ、イブ!!俺は…俺は、イブの事が好…ッ!?
イブは俺に抱きつきそれ以上の言葉はいらないと言うかのように俺の唇を塞いだ…
全一「…こいつ節操なさ過ぎじゃね?」
筆者「…それは、同感。読者の皆さまもきっと思ってる」
全一「だよなぁ。ま、何にせよこれでハッピーエンドか?」
筆者「いや、もう少し書くつもりだよ。俺は結婚して終わりっていうのが一番嫌いだから」
全一「何で?」
筆者「…正直面白い話って終わって欲しく無いじゃん?だから、孫子の代までやって欲しいって俺は思う」
全一「お前…自分のが面白いと思ってんのか?自惚れんなよ」
筆者「グフッッッツ!!!筆者の心に1000000ダメージ!」
全一「鬱陶し…では、もうしばらく続くカルワの物語をお楽しみください!」
筆者「ちなみに、次に書こうと思っている小説は一応これの続きの話です。引き続き宜しくお願いします!」





