敗北者は、合宿の恐ろしさを身に受ける
〈次の日〉
俺たちは校長にそれぞれ転移する座標を指定されていたので各自別々の場所で同じ時間に転移を起こした。ちなみに転移先は異世界らしい…
転移した瞬間猛烈な吐き気と頭痛が襲って来て足元がおぼつかず、無様に倒れ込んでしまった。その直後尋常じゃない倦怠感と眠気がやって来る。自分がどういう状況なのか思考することさえままならない。あんのクソジジイ…!俺をどこに飛ばさせやがったんだ?見渡す限り紫色の霧ばかりで1メートル先も見えない。が、ところどころに大きくて太い棒状のものが見えるので恐らく森の様な場所だろう…
その時、背筋が凍る程の殺気を感じた。働かない肉体とフリーズした精神を無理矢理動かし何とかその場から離れ、近くの木に乗り移る。
ドゴシャァアア!!!
さっきまで俺が倒れていた場所には俺の身長を優に超える大きさの剣と無残な破壊跡が存在していた。
瞬きの間に剣は視界から消え死角から風切り音が聞こえる。とほぼ同時に転移を起こ…せなかった。
ベキボキボキィイイ!!
大剣の直撃を受けた俺の肋骨は内臓に突き刺さり、体は木への衝突でボロボロになった。幸いなことに刃はなかった様だ。あったら真っ二つになってこの世とおさらばしていただろう。
高速回復もあまり働いていない様に感じる。…万事休すかと思ったその時突然その相手が話しかけてきた。
「ん?…モンスターじゃなが?…おいの言葉わがるか?」
…人?いや、考えてる場合じゃない。早く返事しないと、次は…死ぬ。
「ああ、分かる。俺は人族だ」
するとそいつは、スチャッと剣をしまい姿を現した。見たことのない鎧を着た。ガタイのいい男だった。その鎧は、見た感じ5つのパーツ(頭、体、手、腰、足)から構成されていて銀色に輝く中にところどころ赤い装飾が施されていた。
「すまんがっだなぁ。てっきりコンガかと思ってよぉ。ほれ、回復薬 Uだぁ。これ飲めばそんな傷一発だぁ」
と言って緑色の見るからに怪しそうな薬を出してくる。…途轍もなく飲みたくないがここで信用を失うことは死を意味する。
…ゴクッ
飲み干すと、体が緑色に光り出し骨折も傷も完治した。…そう言えば体が動くようになっているな。さっきのは一体何だったんだ?
「お、お前いい剣持っでんなぁ!ランク幾つだ?おいはソロで17だぁ」
ランク?何の話をしているんだ?…適当に合わせておくか。
「俺は…14だな」
「おっ!じゃあアレの討伐手伝ってけれや」
そう言って指した指の先には天高く飛翔するナニカの姿が見えた。…ナ・ニ・ア・レ?
遅くなってしまい申し訳ございませんでした!
これからも遅れる事があるかもしれませませんがどうか最後まで御付き合いください





