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敗北者は、英雄に憧れる

新作です!

これからよろしくお願いします

『勝負』

それは読んで字の如く勝った者と負けた者が必ず存在する。勝敗は様々な要因によって決められる。

だが、それがもしもあらかじめ決められている者がいたら?

敗者は敗者でしかなく勝者になる事は絶対に無い。

これは、そんな風に思われながらも必死に勝利と栄光を掴もうとしたある少年のお話...








僕は、カルワ。今年で7歳になる男の子。

夢は、ありがちだけど英雄になる事!その為に、毎日家庭教師に剣を習ってるんだよ。才能はあるって言われるけど...模擬戦ではいっつも負けちゃうんだ…


「おーい、カルワ君!あ、そ、ぼう!!」


「あ、イブちゃん!うん、遊ぼう!」


彼女は、イブちゃん。ここの、領地の公爵様って言う偉い人の子供なんだ!僕と同い年でとっっってもかわいいんだよ!!!髪は夕焼けみたいな色でサラサラってしてて、お目目もパッチリしてて...じ、実は僕は、イブちゃんのことが好きなんだ。みんなには内緒だよ?って、誰に言ってるんだろ?ま、いっか!


「今日は何して、遊ぶ?」


「うーん、かけっことかどう?」


「いいね!やろうやろう!私、鬼ね行くよ〜3」


「ちょっ、イブちゃん「2」待って!「1えい!」


「捕まえた!!私の勝ち〜やったぁ!」


「また、負けちゃったよ。何回目だっけ?」


「えーと...100回目!ちゃんと覚えてるんだよ、私。どう?偉いでしょ?」


「うん!さすがイブちゃんだよ。僕、尊敬するよ!」


「カルワ君、難しい言葉いっぱい知ってるから私も、カルワ君凄いと思う!尊敬って何?」


「うーんと、ほめるの1番凄いやつ?みたいな?」


すると、

ガツン!!

という音と共にカルワの頭にたんこぶができた。


「こら、カルワ!イブ様に誤った言葉の意味を教えなさんな!!全く...申し訳ありません、イブ様。見苦しいものをお見せしてしまい...」


「ぅぅう、お母さん!痛いよ!こんなに大っきなたんこぶができちゃったじゃないか!!」


お母さんに文句を言っていると、イブちゃんが来てくれて優しくたんこぶを撫でてくれた。


「カルワ君、大丈夫?痛いの痛いの飛んでいけー!」


「う、うん!もう大丈夫!...あ、お母さん何しに来たの?」


顔が真っ赤にになるのを必死に隠しながらお母さんを見る。呆れながらため息をついていた。


「カルワ、今日何の日か覚えてないのかい?」


...今日?......あっ!


「英雄様たちが来る日?」


「やっと、思い出したのかい...ずっと楽しみにしてたのにねぇ。ほら、行くよ。イブ様失礼します」


僕はお母さんに抱き上げられた。


「イブちゃん!また明日ね〜」


「...うん!また、明日!」






〈公爵領 大広場〉


「よっと...カルワ、英雄様方は見えるかい?」


お母さんは僕が見やすいように肩車してくれた。

でも...


「うーん...まだ見えないよ」


とその時、ワァァァァ、キャァァァという地を震わさんばかりの大歓声が響き、英雄達の御姿を拝見できた。


先頭に立って白馬に乗った金鎧を着ている人が英雄の中の英雄【英雄王 ガズール】

その後ろの2人 男の人の方が 【魔法術師 サピール】

女の人の方が【鑑定士 サラーマ】


英雄は全員が一騎当千の力を持っているとされているけれど、中でもガズール様はお一人で国を制圧したという噂が流れている。


御三方が今回ここに来たのは、次の世代に自分達の座を受け継ぐに相応しい子供を探す為で、未だに誰もそのお眼鏡に叶う者はいないらしい。


そんな事を考えていると、ガズール様と目があった。

僕はニコリと微笑んだ。ガズール様はじっと僕を見つめ、ふと何かに気づいた様子になると、嘲笑うようにニヤリと笑った。




僕は知らなかった。

この時から、僕の人生が動き出した事を…

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