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敗北者は、復讐を終える

エリザード王国は、父が亡くなった後ガズールによってガズール王国という名前に変えられた。…相変わらず気持ち悪い名前だ。家名ですらないなんて国名として全く相応しく無い。…まぁ、ガズールだから仕方がないか。



あの時俺と戦った3人はそのままパーティーを組んで活動しているらしい。ので、基本的にあの3人はガズール王国にいるらしい。


…もうすぐだ。もうすぐアイツらをこの手で…父さん母さん待っててね。今から王国を取り戻すから…



そんな事を考えていたら、王国に着いた。公爵領の時と同じ様に結界を張る。だが、目的は正反対だ。この結界は、王国の住人を守るために張ったもので、あの3人以外に攻撃が当たりそうになると自動で守る様になっている。これで心置きなく戦えるな。


「挨拶だ、受け取れ」


俺は、太陽と見紛うばかりの火球を王城に向けて放つ。あの城も元々あった城をガズールが壊して新しく建て直したものだ。…そんな物は俺の王国にはいらない。


ドゴッッ!!!ジュュュユウウウゥゥ…


クリーンヒットした火球は、城を塵も残さず溶かしきった。お、もう兵士が動き出したな。まぁ、結界あるから必要無いんだがな…


さーて、ガズール達は………アレだな。フン、最後の褒美として俺が直接出向いてやろう。



まずは、様子見という事で上空から観察している。

瓦礫の下から腕や頭を出してジタバタしている様は…随分と滑稽だな。


「イチチ…クソ!何がどうなっていやがる!何だ今のは!?あぁ、我が城が…

おい、サピール!お前がやったのか?」


怒鳴るガズールを無視して、サピールはワナワナと震えながら、蚊の鳴くような声で独り言を呟いていた。


「あ、あり得ない。に、人間業じゃないあ、あんなのどれほどのMPがあれば…い、いや、出来たとしても賢さが低ければ制御すらままならない…ふ、不可能だ。そんな存在に狙われている?…もうダメだ、私達はもう…」


何の返事もない事に痺れを切らしたサラーマが金切り声で叫ぶ。


「ちょっと!さっきからずっとブツブツブツブツ…アンタ、自称世界一の魔法術師でしょ!!早く何とかしなさいよ!!!」


…あぁダメだな。いろいろプランは考えたんだが…アイツら見てたら…自分を抑えられねぇ。…シンプルイズベストだ。正面から叩き潰す!!


3人の目の前に転移する。ガズールは俺が誰だか分かっていない様子だった。サピールは、俺から溢れ出るMPに気を失った。サラーマも、俺を鑑定して魂が抜けたように呆然としている。今だけは、鑑定妨害をOFFにしている。因みにこれが今の俺のステータスだ。



名称 カルワ・フォン・エリザード

年齢 15

種族 人族(帝種)

種族レベル 529

職業 復讐者 敗者の帝王

職業レベル 666.314



【称号】

世界に定められし敗北者

敗者の帝王

スキルの限界を超えし者

世界最強


【ステータス】


HP:1574893256

MP:1125706334


物理攻撃力:97824583

物理防御力:65486581


魔素攻撃力:35247892

魔素防御力:24578314


素早さ:245783810

幸運:35614795


【スキル】


『パッシブ』

超速読術:レベル100

上流動作:レベル100

気配察知:レベル100

危険予知:レベル100

高速再生:レベル100

鑑定妨害:レベル100


『アクティブ』

肉体超強化:レベル100

限界突破:レベル100


『ユニーク』

真・魔法術:レベル100

真・魔術法:レベル100

鑑定:レベル100

野生の勘

闘争本能

帝王たる所以ゆえん


『固有』

絶対的な敗北者:レベル103

絶敗帝ぜっぱいてい剣術:レベル105

全一ぜんいつの加護



ん?最後の固有スキルは何だ?ぜ、全一?…聞いたことが無いが、今はどうでもいい話だ。


「…お前、誰だ?お前がこれをやったのか?」


…お前…ねぇ。ハァァァァ、どうやらコイツは自分の状況が分かっていないらしいな。…帝王たる所以 帝王の重圧ON


その瞬間、世界が黒に塗り潰された。

低く、鈍く、重く、希望なんて一切存在しない。そんな地獄に落とされた3人。特にガズールの顔からはさっきまではあった余裕は消え、体が芯から震え冷や汗がダラダラと流れていた。


「あ、が…え?……パァ?…ぁあ?……」


あまりの絶望にガズールの精神は崩壊してしまったらしい。言葉を忘れてしまった様だ。まぁこういう時は、顔面を殴るとだいたい正気に戻る。


………………………ドオォオオオンンンン


拳が速すぎたのと、エネルギーの全てが運動にまわったので音も鳴らずにガズールは、目にも留まらぬ速さでぶっ飛んでいったが、建物にぶつかる前に転移させて地面に衝突させた。


「ぐっウゥゥウ………ハッ!我は一体何を?…あの時のガキか?」


「ガキ?…一本マイナス」


ストン


「は?…我の…左腕?何で右手で掴んでるんだ?…まぁ良い。…覚悟しろよ生きては帰さん!我が剣に契い真っ二つにしてくれるわ!!」


俺の剣は、既に細胞も人間も斬られた事に気付かない次元に到達していたらしい。…そんな些事は置いておいて、ようやくだ。ようやく、コイツを剣で負かす事ができる。この日をいくら待ち侘びただろうか。…一応鑑定しておくか、コイツは、鑑定妨害を持っていないらしいから、偽の情報を掴まされることは無い。それすらも、敵を騙す為の偽情報かも知れないが…



名称 ガズール

年齢 29

種族 人族

種族レベル 99

職業 英雄王

職業レベル 274


【称号】

英雄王


【ステータス】


HP:1527649

MP:1135752


物理攻撃力:351806

物理防御力:241579


魔素攻撃力:125000

魔素防御力:125000


素早さ:24965

幸運:15


【スキル】


『パッシブ』

気配察知:レベル75

危険察知:レベル61


『アクティブ』

限界突破:レベル32


『ユニーク』

英雄王剣術:レベル84


『固有』



…ショボ。俺は、こんなのに負けたのか…まぁ、あの時は弱かったしなぁ。仕方ない と言えば仕方ないか。


「ウオォォ!死ねぇい!!」


策も技も無く、ただただ突っ込んで来る。…油断させる作戦か?危ない危ない、あやうく騙される所だった。隙だらけだが…誘われているんだろう。その手には乗らん‼︎限界突破ON


小手調べとして肉体の限界を超えた速さで薙ぐ!


ストン


…何の抵抗も無く、ガズールの両足は付け根のあたりから上半身とオサラバした。


…ハァ。だと思ったよ。もう空気と何も変わらないなな。


「何だ!?前が見えんぞ!!魔術で視界を奪ったか?ええい小癪な真似をしおって!む!?足に力が入らんぞ?…最近は、実戦が無かったから衰えたか…これが終わったらしっかりと訓練を再開しよう」


…お前に未来は無い。地面に突っ伏したガズールは、現状が理解出来てない様だ。…俺はこんな奴らの為に…10年も費やしたのか。




虚しいな




辺り一面に散らばった血飛沫と臓物。明らかに3人分では済まないその量が、幾度も回復させられた事を示していた。



フゥ、復讐者としての俺は終わりだ。これからは俺の為に生きる。…帰って、イブに告白しよう。例え嫌われていたとしても…

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